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教育資金を贈与した場合には税金がかからない?

投稿日:2021年1月19日 更新日:

昨今の少子化により1人の子供に対してかけられるお金が増えていることで、子供に、孫に、よりよい教育を受けさせたい、そう考える人は多いと思います。

同時に、少しでも教育資金を援助したいと思う人も少なくないでしょう。
そこで今回はそんな時に利用できる「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」をご紹介したいと思います。

「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」とは?

この制度は祖父母世代から孫世代への資産移転を促進し、将来必要となる子どもの教育資金の早期確保を図るという目的で創設されました。

この制度を利用すると受贈者1人につき最大1,500万円までの教育資金の贈与が非課税となります。

なお、利用するためには次の要件を満たす必要があります。
 

贈与者

  • 贈与者は、受贈者の直系尊属(具体的には父母、祖父母等)であること

※直系とは父・子・孫と続く「縦の血縁関係」で、尊属とは自分より前の世代を指します。

受贈者

  • 受贈者は、贈与者の30歳未満の直系卑属であること
    (ただし受贈者の前年の所得が1,000万円を超える場合には利用できません)

※卑属とは自分よりも後の世代のこと。直系卑属とは、自分の子、孫、ひ孫などをいいます。

贈与を受けた教育資金の使い道

この非課税措置を受けられるのは、以下の使途に限ります。

  1. 学校等への直接の支払い
  2. 学校等以外への直接の支払いで、社会通念上相当と認められるもの
    (塾や習い事、通学定期代等)

ただし、2の学校等以外に支払われるものについては、非課税となるのは500万円までとなりますのでご注意ください。

(参考)国税庁HP No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税「2 教育資金の範囲」

なお、「教育資金の範囲」以外の使途で資金を使用した場合は、その部分は贈与があったこととみなされ、贈与税の対象となります。
 

手続き

①贈与契約書の作成(贈与)

・民法上、贈与には「書面による贈与」と「書面によらない贈与」がありますが、この非課税措置は「書面による贈与」が条件のため、贈与契約書の作成が必要です。

②受贈者が金融機関で「教育資金管理契約」を結んだうえで「教育資金専用口座」を開設

・受贈者が未成年の場合は、法定代理人が行います。

③贈与者が教育資金専用口座に資金を一括で振込

④口座を作成した金融機関を通じて所轄の税務署に「教育資金非課税申告書」を提出

・教育資金非課税申告書に金額や贈与契約書の日付などを記載。
・金融機関を通じて申請できますので税務署に行く必要はありません。

⑤受贈者が専用口座から資金を払い出して使用する

・教育資金の支払いに使用した事実を証する書類(領収書等)を、口座開設時に定めた提出期限までに金融機関へ提出する必要があります。
 


 

主な教育資金管理契約の終了事由と留意点

さて、金融機関で結んだ「教育資金管理契約」は、主に以下の事由によって終了し、2の場合は残額に贈与税が課されることになります。

1.専用口座の残高がゼロとなり、金融機関と受贈者との間で教育資金管理契約を終了させる合意があったとき

契約終了の手続きは、教育資金専用口座を開設した金融機関等で行います。

2.受贈者が30歳に達したとき

受贈者が30歳になると、非課税制度の適用は終了します。
その際に口座に残額がある場合には、その残額を贈与により取得したとみなされ、贈与税がかかります

ただし、30歳になった贈与者が次のいずれかに該当する場合には、最長40歳まで延長することができます(金融機関に届け出ることが必要です)。

  • 学校等に在学している場合
  • 教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合

3.受贈者が亡くなったとき

受贈者が亡くなった場合、教育資金管理契約は終了しますが、口座に残額があった場合でも贈与税はかかりません。


 

契約期間中に贈与者が死亡した場合の留意点

ところで、教育資金を贈与して贈与者が3年以内に亡くなった場合に専用口座に残額があるときは、その残額は相続財産となり相続税がかかります(令和3年4月以降に贈与したものについては、贈与から3年を超えていても残額について相続税がかかるようになる見込みです)。

ただし、受贈者が次のいずれかに該当する場合は除かれます。

  • 23歳未満である場合
  • 学校等に在学している場合
  • 教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合

なお、令和3年4月以降に教育資金の贈与を行っていた場合において、受贈者が孫・ひ孫であると、相続税を計算する際に2割加算(相続税額が1.2倍になる)の対象となる見込みであるため注意が必要です。
 

制度を利用すべきタイミングは?

相続税の節税

将来相続税が発生すると見込まれる場合に、この制度を利用して贈与を行うと、その贈与額は相続財産から除外されるため(※)節税効果が見込まれます。

※ただし、前項で説明したとおり、受贈者が23歳未満である等のケースを除き、贈与後3年以内の贈与者死亡の場合の残額には相続税がかかりますのでご注意くさい。
 

贈与者が高齢

贈与者が高齢で、子や孫が多額な教育資金を必要とする時期まで生存している可能性が低い場合や、認知症などの心配がある場合には、この制度を利用して健康なうちに一括贈与しておくと安心です。
 

終わりに

いかがでしたでしょうか?
メリットが多そうなこの制度ですが、もちろんデメリットもあります。

例えば、この制度を利用し一度贈与してしまうと贈与者の都合で資金を取り戻すことはできません。たとえ贈与者が生活に困窮しても、です。

また、上記でお伝えした通り、贈与した教育資金を使い切れなかった場合には受贈者に贈与税がかかってしまいます。

利用をお考えの場合には受贈者の教育方針を十分に考慮し、無理のない範囲で贈与を行うことを心がけましょう。

(参考情報)
国税庁:祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし

 

本記事の執筆者
執筆:アタックス税理士法人 税理士 金谷 充子
監修:アタックス税理士法人 社員 税理士・中小企業診断士 鵜飼 潤

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