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住宅ローン控除制度とは?

投稿日:2020年12月3日 更新日:

生涯で一番高い買い物はマイホームと言われており、銀行などから借入して購入するケースが多いと思います。
そこで今回は住宅ローン控除についてお伝えします。


 

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは、
個人が住宅ローンを借りて、マイホームの新築・中古取得、増改築等をして、取得の日から6か月以内に居住するなど一定の要件を満たした場合は、原則、年末の住宅ローン残高の1%を、一定期間、所得税額から控除できるという制度です。

正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。
なお、ここからは、「新築・中古取得、増改築等」というと長いですので、「取得等」と記載します。
 

住宅ローン控除を適用できる主な要件

住宅ローン控除を受けるには、つぎの全ての要件を満たす必要があります

  • 取得等の日から6か月以内に居住し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
    (コロナの影響により一定の延長が認められています。)
  • 住宅ローン控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。
  • 住宅の床面積が50平方メートル以上であること。
  • 借入期間10年以上の借入金又は債務があること。
  • 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていないこと。

詳細は国税庁HPを参照してください。
(参考)国税庁HP「No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」
 

住宅ローン控除の控除期間及び控除額の計算方法

住宅ローン控除額は、借入金の年末残高をもとに次のように算出します。

令和元年10月1日から令和2年12月31日に入居した場合

控除期間 控除額
住宅の取得等が「特別特定取得」に該当する場合
住宅ローン控除特例とよく呼ばれます)
13年 1~10年目:年末残高×1%(40万円上限)
11~13年目:次のいずれか少ない額
・年末残高×1%
・住宅等取得額(税抜金額)×2%÷3
上記以外の場合 10年 年末残高×1%
(40万円上限。特定取得以外の場合は20万円上限)

※「特別特定取得」とは、10%の消費税率による住宅の取得等をいいます。
※ 8%の消費税率で取得等していた場合は「上記以外の場合」に該当します。
※「上記以外の場合」の「特定取得以外の場合」とは、個人から購入した等で消費税が課されていない住宅の取得等をいいます。

(補足)
なお、住宅ローン控除特例は、新型コロナの影響により令和2年12月31日までに入居ができなかった場合でも、令和3年12月31日までに入居すればこの適用を受けることができます(ただし、新築については令和2年9月末、中古住宅の取得、増改築等については令和2年11月末までに契約を締結しているケースに限ります)。

 

また、認定長期優良住宅や、認定低炭素住宅等を取得した場合は、上記控除額の上限が優遇される制度がありますので、詳細は国税庁HPを参照ください。
(参考)国税庁HP「No.1213」の「4 認定住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除の特例」
 

令和3年1月1日から令和3年12月31日に入居した場合

令和3年1月1日入居からは住宅ローン控除特例の扱いはなく、一律10年となります。

控除期間 控除額
10年 年末残高×1%
(40万円上限。特定取得以外の場合は20万円上限)

ただし、2021年度の税制改正で、住宅ローン控除が13年間受けられる特別措置が令和4年12月31日までの入居に延長する方向で検討されています。
 

住宅ローン控除の適用を受けるための手続き

さて、住宅ローン控除の適用を受けるためには、控除を受ける初年度に、次の書類を添付して「確定申告」を行う必要があります。

①(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
② 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
③ 家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し、売買契約書の写し等で次のことが分かる書類
 ・家屋の新築又は取得年月日
 ・家屋の取得金額
 ・家屋の床面積が50平方メートル以上であること。
 ・家屋の取得等が特定取得又は特別特定取得に該当する場合には、それが分かる資料
④ 土地も取得した場合、敷地の登記事項証明書、売買契約書の写し等で敷地の取得年月日及び取得金額が分かる書類 等

なお、サラリーマンの人で給与以外に収入がない場合は、1年目に確定申告をすれば2年目以降は会社の年末調整によって控除を受けることができます。


 

(おまけ)マイホーム取得、年内と年明けどちらが有利?

マイホームの取得が年内か年明けになりそうな場合、どちらが有利か検討してみました。
違いは住宅ローン控除額と固定資産税です。

住宅ローン控除は上記のとおり「借入金の年末残高×1%」です。
固定資産税は1月1日現在に所有していたらかかるという税金で、税額については「固定資産税のギモン~なぜ必要?税額はどう決められている?」を参照してください。

◆年内取得
年内ぎりぎりに取得・入居した場合は、年末までの借入返済が少ないため、住宅ローン控除が多く受けられる一方、翌月1月1日には取得していることになるため、その年から固定資産税がかかることになります。

◆年明け取得
1月2日以降に取得・入居した場合は、その取得した年には固定資産税がかかりません。
一方、住宅ローン控除については取得した年の年末においては1年間返済しているため、借入した金額よりも残高が少なくなっています。

具体例でざっくりと違いをみてみます。
(例)住宅ローン3,500万円 / 住宅ローン返済35年 / 建物2,000万円 / 土地1,500万円

  • 住宅ローン控除:100万円(1年分の返済額 3,500万円÷35年)×1%=1万円
  • 固定資産税:2,000万円×20%(注)×1.4%=5.6万円
    (注)評価額は何年経過しても20%までしか下がりません。

住宅ローン控除は10年間(あるいは13年間)の所得税の控除額が、1年目35万円、2年目34万円、3年目33万円・・・と35万円から始まる10年になるか、34万円、33万円、32万円・・・と34万円から始まる10年になるかの違いですので、10年間の合計では上記計算のように1万円の差(年末取得が得)になります。

一方、固定資産税は、課税された年からずっとかかる税金ですので、年末に取得すると1年分多く、上記の5.6万円を払うことになります(年末取得が損)。

したがって、条件によって変わるでしょうが、上記計算では年末より年明け(1月2日以降)に取得したほうが有利となりそうです。
 

おわりに

住宅ローン控除を含めてマイホーム購入にあたっては色々検討しないといけないことが多いですが、マイホームは一生で一番高い買い物です。

親からの援助を期待できる方は、住宅取得等資金贈与についても検討してみてください。
生前贈与のメリットと種類~今年こそ生前贈与をやってみよう」で記載しています。

またマイホームの相続税の評価はどうなるかについても「あなたの自宅に相続税はかかる?~自宅の評価方法」で記載しています。参考にしてください。
 
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※2021.6.23 新しい記事を公開しました。
『住宅ローン控除~令和3年度入居の方、これから購入される方必見!』
 
 

本記事の執筆者:
アタックス税理士法人 税理士  武田太一
2000年 名古屋市立大学卒。税務顧問、財産顧問業務を中心に現在約60社のクライアントを担当。税金だけでなく経営の視点からも問題解決を図っている。

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