制度運用支援(上司の面談スキル向上)
人事制度の確実な運用にかかせないもの、それは「上司の面談スキル」です。
面談者による面談スキルによっては、生産性の低下を招いてしまいます。
「生産性向上の鍵は面談にあり」と言っても過言ではありません。
1.面談が必要な理由
2.面談者に求められるスキル
2-1.面談者の心得
2-2.コミュニケーションの大切さ
3.うまくいく面談の流れ
3-1.面談スケジュール
3-2.面談の流れ
3-3.面談がうまくいかない理由
3-4.面談をしないとこうなる
4.面談スキルトレーニング
4-1.リアル面談のスキルトレーニング
4-2.オンライン面談のスキルトレーニング
1.面談が必要な理由
「働き方改革関連法案」が2019年4月から順次施行されるのを前に、多くの企業が就業規則をはじめとした関連規程の見直しに追われている状況ではないでしょうか。
この法案の本質は、単なる残業削減や、正規非正規格差の是正や、柔軟な働き方への対応だけにとどまりません。今いる社員の「成長加速」と「高い生産性による価値創造」が本質です。つまり、就業規則を見直し「早く帰れ」「残業するな」と声掛けするだけでは、ダメだということです。
社員の成長を確実にするための仕組みとして、「人事制度」(評価制度・報酬制度・教育制度)がありますが、「成長」に一番影響するのが、「評価制度」です。
そして、「評価制度」の運用のうまい下手、つまり「目標設定面談」「フィードバック面談」のうまい下手が、社員の成長を大きく左右します。
2.面談者に求められるスキル
2-1.面談者の心得
最近は、面談を「1on1(ワンオンワン)」と表現するなど、面談に対する関心度が高まっています。実際に、企業から「上司のための面談スキル講座」の講演を依頼される機会が多くなりました。
参加者は部課長だけでなく、経営者が自ら学びにくることも多く、その必要性が高まりつつあります。
参加理由は、
「知り合いの経営者から、社員の面談をやるべきだと言われて…」
「現在、自己流で面談をやっているが自信が無いので…」
という意見が大半です。
その方々に最初にお伝えするのが、かの有名な山本五十六の指導者訓です。山本五十六は、言わずと知れた大日本帝国海軍時代の連合艦隊司令長官であり、1943年、終戦2年前に没しています。
彼の歴史的評価はさておき、改めて見てみましょう。
やってみせ言って聞かせてさせてみせ、誉めてやらねば人は動かじ。
話し合い、耳を傾け承認し任せてやらねば人は育たず。
やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
最初の一行目は、知らない人はまずいない有名なフレーズですが、全文を知っている人はそれほど多くはありません。
しかし、この二行目以降のフレーズこそが、今の時代の指導者に必要とされる心得であり、「傾聴する」「承認する」「任せる」「姿を見守る」「信頼する」が面談において大変重要なキーワードであることを理解してください。
2-2.コミュニケーションの大切さ
現代は、電話、FAX、Eメールに加え、SNSが普及し、コミュニケーションツールに事欠きません。
しかしなぜか多くの組織が「コミュニケーション不足」に悩んでいます。
問題なのは、コミュニケーション不足が、相互理解を妨げ、それが不信感へと発展し、人間関係に亀裂をもたらすことにあります。その最悪の結末が「社員の退職」です。
上司(経営者)側の言い分は、
「そんなこと言わなくてもわかるだろ」
「どうしてそんな考え方になるんだ」
「一体何を考えているのかわからない」
でしょうが、指導する側にコミュニケーションに対する問題意識がなければ、どれだけツール(道具)を揃えてもコミュニケーションギャップは埋まりません。
この問題の解決策は、「コミュニケーションを本人任せにしない」ことであり、「コミュニケーションを強制的に発生させていく」ことにあります。
そのための仕組みが「面談制度」です。
3.うまくいく面談の流れ
どんな組織にも目指す姿と目標があります。それを達成することで事業が継続できるわけです。そしてその原動力は、社員一人ひとりの頑張りに他なりません。
3-1.面談スケジュール
つまり、社員一人ひとりが、目指す姿と目標達成に向けて主体的に意欲的に行動できるよう導くのが上司(経営者)の役割というわけです。目標を立て実行し、それを検証して次の目標につなげていく、これをマネジメントサイクル(P-D-C-A)と言いますが、面談とセットで行うことで、仕事に直結したコミュニケーションを促進することができます。
面談制度を機能させるためには、社員一人ひとりの役割と目標の明確化、そしてそれを仕組みで動かしていくための、年間の面談スケジュールが必要です。
1年を事業単位とすると、期の初めに、上司と本人との目標設定のための面談を行います。状況変化が大きい組織は、四半期ごとに面談を行いますが、多くが、半期に1回面談を行っています。期末には、その間の評価を行い成果について互いに確認します。
このように、面談と目標の進捗管理を一緒に行うことで、仕事に直結したコミュニケーションが深まります。
3-2.面談の流れ
目標を決める際に上司に必要なのは、部下に対する期待です。本人の成長と事業への貢献のために、何に取り組んで欲しいのかをリクエストします。
次に、実行する段階では、上司は、部下を適切にフォローしなくてはなりません。
「いつもお疲れ様」
「何かあったらいつでも相談して」
「どこまで進んだ?」
短いフレーズでも、部下は「いつも気にかけてくれている」「いつも仕事振りを見てくれている」と感じます。これが大切です。
そして期末に行うのが、評価とフィードバックです。
うまくいったところを褒め、更なる成長課題を互いに確認しあうことで、次の目標が定まります。
3-3.面談がうまくいかない理由
面談を行う場所ですが、立ち話で面談をするのは不適切です。30分~1時間程度時間を取り、座って話せる場所を確保します。上座、下座がある場合は、部下を上座に座らせます。面談を仕切るのは上司ですが、面談の主役は部下だからです。更に座る位置関係も重要です。正面切って話すのではなく、少し斜めに着座し、手を伸ばした時に相手の肩に触れるか触れない程度の距離(1.2m)が良いとされています。
面談がスタートしたら、先の山本五十六の指導者訓を思い出してください。リクエストの前に、まず相手の話に耳を傾けます。傾聴は、相手の話をさえぎらず最後まで聴くという行為です。慣れていないとどうしても一方的に話してしまい、面談という名の説教になってしまいますので注意してください。十分に傾聴した上で本人の考えを認め承認します。
「なかなかいいアイディアだね」
「それは是非取り組んで欲しい」
仕事は、自分の考えが反映されてこそ面白みが増し当事者意識も生まれます。本人に考えさせる、考え不足を示唆しより深く考えさせる、といった粘り腰が上司には必要です。
3-4.面談をしないとこうなる
「必要を感じた時に話を聞く」
「一杯飲みにいって不満を解消する」
確かにこれも大切なコミュニケーションです。しかし、今後はそれだけでは不十分です。
面談が苦手な上司(経営者)からは、
「時間がない」
「面倒くさい」
「改まって話すことなんかない」
といった意見が聞こえてきそうですが、その認識は間違っています。
コミュニケーションが不十分なために、誤解が生じて関係がこじれ、その修復に膨大な時間を費やしている組織がいかに多いことか。定期的な面談の機会が逆に時間の節約となり、生産性向上につながります。是非とも面談制度を取り入れて、定期的なコミュニケーションの習慣を組織に浸透させてください。
4.面談スキルトレーニング
4-1.リアル面談のスキルトレーニング
アタックスが提案する面談スキル訓練は、
1.高い成果を上げる社員を部下にもつ、目標設定面談
2.成果の上がらない社員を部下にもつ、フィードバック面談
3.人間関係に問題のある女性社員を部下にもつ、面談
4.メンタルヘルス不全の部下をもつ復職後1週間の面談
5.年上社員を部下にもつ、目標設定面談
部下のタイプ別に、コーチング、ティーチング、カウンセリングの基本スキルを使ってトレーニングします。相手のタイプや状態によって、面談の展開の仕方、質問の投げかけかたが異なります。それを徹底的にトレーニングしていくのが、アタックス流です。
人事制度を実効性のあるものにするためにも、面談スキルトレーニングを実施してください。詳細プログラムをご希望の企業さまには、教育研修プログラムを差し上げます。下記のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
4-2.オンライン面談のスキルトレーニング
新型コロナウイルスの影響により、「テレワーク」は急激に普及しました。
そして多くの企業が、コロナ収束後もテレワークを継続させると表明しています。
多様な働き方を実現することで、働き方改革の推進や人材確保といったメリットが期待できます。
ただその一方で、問題やデメリットと考えられている点もあるのが現状です。
テレワークの課題として多く取り上げられるのが、コミュニケーション不足と部下のマネジメントです。
アタックスグループでは、テレワーク時代におけるオンライン面談を支援します。
詳細は、【1on1オンライン導入支援】をご覧ください。