労働生産性向上、これをしないと失敗する!~業務プロセスの明確化

経営

2019年4月より『働き方改革関連法』の一部が施行されました。

中堅・中小企業においてもこれまでの働き方や労務管理を抜本的に見直し、生産性向上に取り組む必要に迫られています。

『働き方改革関連法』には様々な内容が盛り込まれていますが、注目されているのは、残業時間の上限が罰則付きで決められたことです。
皆さんの会社でも色々な対策を検討して実施されていることと思います。

中堅・中小企業の働き方改革について色々きいてみると、興味深いのは、既に残業対策がとられており新たに対応する必要がそれほどないという会社と、残業対策をこれまでほとんどしてこなかった会社に二極化していることです。

これらの会社の間にある違いはなんでしょうか?

なぜ多くの企業は残業削減ができないのか?

ひとつのポイントとして業務のプロセスを明確にしているかどうかに違いがあるようです。

残業対策を既にしている会社は、会社の業務プロセスが明確になっていることが多く、だからこそ、それぞれのプロセスを組織的に分担することができています。

つまり、特定の個人に負荷がかかっておれば、人材補充や多能工化する等で他の人がその人のプロセスの全部もしくは一部を分担することができます。
その結果、残業時間が最適化されます。

一方、業務プロセスが明確になっていない会社は、業務が属人化していることが多く、個人で業務を完結せざるをえないため、特定の人に負荷がかたより残業時間が管理しにくくなります。

業務プロセスが明確になっていないため、どのプロセス(業務のかたまり)を誰(どのようなスキルをもった人材)に依頼できるのか定義がなく、役割分担がしにくくなっているのです。

労働生産性の向上にこんなに差が!

更に、2018年度版の中小企業白書には興味深いデータがあります。
それは、生産性向上に向けた取組みは業務プロセスの見直しを実施することで一層の効果が期待できるということです。

中小企業白書では、生産性向上策(省力化投資・新規投資・増産投資・IT導入・多能工化・アウトソーシング等)を実施した会社のうち、業務プロセスを見直した企業とそうでない企業で労働生産性の向上が実現できた会社の割合に差がでているとしています。

業務プロセスの見直しをした会社の約5割は労働生産性が向上したのに対し、そうでない会社では約3割にとどまっているとのことです。

せっかく経営資源を投下して生産性向上に取り組んでいるのに約3割の会社しか効果がでていないというのは、どれだけ業務プロセスの見直しが重要なのかがわかります。

働き方改革を実践したうえで利益をきちんとあげるためには、労働生産性の向上が必要不可欠です。

そのために、まず業務プロセスが明確になっているかどうかの視点で業務をチェックしてみてはいかがでしょうか。

アタックスグループでは、業務プロセスを明確にするという視点で中堅中小企業の皆様の業務改善をサポートしております。
経理業務にかぎらず業務改善に関するご相談がございましたらお気軽にご相談ください
 

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筆者紹介

株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 代表取締役社長
中小企業診断士 池ヶ谷 穣次
1993年 静岡県立大学卒。MBA。中堅中小企業の経営管理制度・管理会計制度構築サポート、事業再生サポート、財務・事業デューデリジェンス業務、M&Aサポート、株式公開支援、月次決算支援業務等に従事。システムエンジニア時代に得たシステム思考を応用し、経営者・経理責任者の参謀役として活躍中。
池ヶ谷穣次の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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