2022年版「中小企業白書」が経営者に諫言~「自己変革5つの障害」を乗り越えろ!

経営

2022年4月に2022年版「中小企業白書」(以下、白書)が公表されました。
私は毎年、この時期、いつも白書を見ることにしています。

今年の白書のポイントは、ポストコロナを見据えた中小企業の事業力アップだと思います。

コロナ問題で既存の事業が大打撃を受けている中、原材料の高騰等のコストアップという波をさらに受けねばなりません。厳しい環境下の中でも企業は生き残っていくことが必要です。

2022年版「中小企業白書」のポイント

そんな時だからこそ、白書は次のようなことを言っています。

  • 自社の経営資源はなにか再度問い直し、戦う市場を考え実行しなさい。事業再構築を早くから実行した企業ほどその効果は出ている。事業再構築に取り組むとさらに本業に対してシナジー効果も生まれる。
  • トライ&エラーでチャレンジすることが重要。経営者の年齢は若いほうがこれを実行しやすい。
  • 人財投資を積極的に活用せよ!計画的に教育を実施している企業の方が、教育を実施していないところと比較すると、売上増は大きい。
  • 取引価格の決定権を取り戻すため中小企業といえどもブランドを育成せよ。

「自己改革への5つの障害」とは?

「これらが重要なのはわかるが、実行できないんだよね」と、多くの経営者は感じられると思います。

今回の白書ではさらに踏み込んで、なぜ実行できないのか、それを実行できる手立てはないのか、と分析しています。

白書では、

「自己改革への5つの障害」

経営環境の劇的な変化の中、中小企業の経営者の多くは、自社の自己変革力の必要性を認識しつつも、様々なしがらみや認知バイアス、知見不足等が障壁となり、経営者単独での対応は困難。

と言い切っています(白書 513ページ)。

自己変革への5つの障害とは、

1)見えない:企業内部の可視化ができていない
2)向き合わない:経営者が現実を直視しない
3)実行できない:組織内外のしがらみや経営者の心理的障害
4)付いてこない:現場の巻き込みが不十分
5)足りない:課題解決のための経験や知見が足りない

この5つの障害を乗り越えるためには、自分の殻をやぶって、外部の能力を活用しましょうと言っているのです

新しいチャレンジへのサポート

日頃、経営者の皆さんは、社内ではなかなか弱みを見せることができません。
社内には簡単に相談できる人はあまりいないと思います。

だからといって、今の環境を一人で考え意思決定していくのでは、成功確率があがるとは思えません。

皆さんのなかにも、事業再構築補助金を申請された方もいるのではないでしょうか?

この補助金の申請では、事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と一緒に策定することが要件になっています。きっとこの白書を実行したものだと思います。

一方、白書では、相談を受ける側(支援機関といいます)にも、明確に要望を出しています

単純にコンサルテーションをするのではなく、経営者の声に傾聴、共感しつつ、経営者が自らの頭を整理し納得して(すなわち、腹落ちするということ)、新しいことをチャレンジできるようサポートすることを求めています。

アタックスグループは、この白書にあるとおり、経営者に寄り添い伴走しながら、「社長の最良の相談相手」になれるよう日々努力をしております。
(株)アタックス・ビジネス・コンサルティングは、認定支援機関でもあります。
経営改革をご検討の際には、是非、アタックスグループにご相談ください。
 

筆者紹介

アタックスグループ 代表パートナー
株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 代表取締役会長
公認会計士・税理士 林 公一
1987年 横浜市立大学卒。KPMG NewYork、KPMG Corporate Finance株式会社を経て、アタックスに参画。KPMG勤務時代には、年間20社程度の日系米国子会社の監査を担当、また、数多くの事業評価、株式公開業務、M&A業務に携わる。現在は、過去の経験を活かしながら、中堅中小企業のよき相談相手として、事業承継や後継者・幹部社員育成のサポートに注力。
林公一の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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