気鋭の創業社長に感動!~事業の成功は「社会性」と「収益性」の両立 ~

筆者は毎年、最近上場した元気の良い企業の創業経営者と対談式セミナーを開催しています。
ここ数年上場する企業は年間で90~100社であり、その数少ない中、今回紹介するのはリネットジャパングループです。

リネットジャパングループは一昨年12月に東証マザーズに上場しました。
創業者の黒田武志氏は、1989年4月にトヨタに入社しました。

入社後、配属された部署で自動車用品を販売する新規事業の立ち上げのメンバーに抜擢され、その面白さを知りました。
そしていつか自分の手で起業したいと思い始めます。

そんな時、偶然ブックオフを創業した坂本孝氏がエンジェルプランという企画で起業家支援をするという記事を読み、すぐに相模原にあるブックオフの本社を訪問しました。
坂本氏に感銘した黒田社長は、坂本氏の講演会の追っかけをし、いつも一番前の席で聴いていました。

またブックオフの現場で働いてみたいという気持ちが起こり、土日にブックオフの三重県四日市の店舗でアルバイトを始めました。

10ヶ月程店舗でアルバイトをしていた頃、このことを知った坂本氏から突然電話で食事の誘いがありました。
そして、その場で「四日市の店をのれん分けしてあげるからやりなさい」とチャンスをもらうことになりました。

こうして、1998年、当時32歳でトヨタを退職し新会社を設立しました。

その後2年半の間に7店舗を経営するまでに事業は発展しました。
しかし、黒田社長はこの現状にあきたらず、兼ねて注目していたインターネットで、ブックオフの中古本ビジネスを展開出来ないかと考えました。

2000年当時、アメリカではAmazonがブレイクしており、中古本の世界で日本版Amazonを立ち上げることを決断します。

これまでの店舗ビジネスは本部に譲渡し、古巣のトヨタとブックオフの出資も得て、新たに中古本のインターネットビジネスを立ち上げました。

事業を軌道に乗せる為に大変な苦労を強いられましたが、最終的に上場出来る事業まで育て上げました。
ちなみに、このネットオフの事業は2012年、世界ナンバーワンの中古書店としてギネス記録認定されています。

さて、リネットジャパングループの現在の事業は次の三つから成り立っています。
1.主に中古本をネットで売買するネットリユース事業
2.家庭に眠るパソコン等の小型家電を宅配便で回収し、
  希少資源を取り出し再利用する都市鉱山リサイクル事業
3.カンボジアで展開している中古自動車リース事業

なお.カンボジアでは、貧困者への金融支援を行うマイクロファイナンス事業を行ったり、更には中古車の整備が出来る人材を育て日本に技能実習生として送り出す事業も行っています。

リネットジャパングループの事業展開は一見関連性がないように思えますが、黒田社長の話を聞くと「なるほど」とその戦略的展開に頷くことが出来ます。
黒田社長は、中古本ネットリユース事業で培った、宅配便を活用した買取ノウハウを活かして小型家電の都市鉱山リサイクル事業に進出しました。

この時「宅配買取から世界を変える」というビジョンを社内外へ宣言し、日経新聞に全面広告を出しました。
更に、回収した小型家電から金・銀などの鉱物資源を取出す為に知的障害者の雇用創造にも貢献し、極めて社会性の高い事業にしています。

次に展開したカンボジア事業は、中古ビジネスからスタートし、事業を軌道に乗せる為、周辺事業にピボットし現在の事業に至りました。
当初、海外で高額な品物を販売したいと考え、日本から中古の農機具、自動車などを輸出をすることになりました。

その輸出先としてカンボジアを選び事業展開を始めたところ、買う為の資金が無い人々が多いという問題にぶつかりました。
そこで品物をリースで貸し出すことに変え、更にこれがマイクロファイナンス事業に展開します。

このように黒田社長は新規事業を立ち上げる際は常に強みを活かしています。
また自らが積極的に行動し、他人の協力を得ながら、課題を一つ一つクリアしています。

黒田社長は事業立ち上げの成功要因を次の様に語ってくれました。

一つ目は「事業には大義が必要」だということ。

リネットジャパングループが展開する事業には世の中のお役に立つという「社会性」とその中から「収益性」を獲得するという戦略性が存在します。

二つ目は簡単には実現出来ない「高い目標を掲げる」ということ。

黒田社長は苦難の時『ビジネスを通じて「偉大な作品」を創る』という経営理念を発表し、共に働く社員を鼓舞し続けています。

三つ目は大義のある高い目標に向かって懸命に努力するということ。

そうすると一生懸命さが廻りの人々に伝わり応援してくれます。
経済の一層のグローバル化、インターネット、AIに代表される情報通信革命、地球環境の問題への対応、少子高齢化など経営環境は大きく変化し続けています。

環境変化に合わせて経営を革新していかなければならないと考えておられる経営者には戦略的な中期経営計画策定をおすすめします。

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筆者紹介

アタックスグループ 代表パートナー公認会計士・税理士 丸山 弘昭
数百社のクライアントについて「経営のドクター」として、経営・税務顧問、経営管理制度の構築・改善、経営戦略・経営計画策定、相続対策・事業承継、M&Aなどを中心としたコンサルティング業務に従事。幅広いネットワークと数多くの実績を生かし、経営者の参謀役、「社長の最良の相談相手」として活躍中。
丸山弘昭の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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