“事業承継”から目を背けるな!~「まだ早い」では遅い中小企業の実態

みなさんはご存知でしょうか?2017年4月に中小企業庁から「経営者のための事業承継マニュアル」が公表されました。 マニュアルによりますと、60歳以上の経営者の50%が「廃業を予定している」とのことです。 これはとても大きな社会的損失だと思いませんか。会社は雇用を生み、そして、何らかの付加価値を社会に提供します。そのような役割をもった存在が、5割の確率で失われていくことは問題ではないでしょうか。

 

廃業による社会的損失をカバーするためにベンチャーを起業すればいいのでは、という声もあるかとは思います。それはその通りなのですが、だからといって、継続できる既存の会社が次々と失われてもいいという話には繋がらないと思います。 しかも、廃業理由の約30%が、後継者がいないことのようです。ならば、事業を継続できる後継者を育成していくことが必要だと思います。

では、なぜ、事業を継ぎたいという後継者が出てこないのでしょうか? 最も大きい理由は、後継者候補が、経営を引き継いだ後に何が起きるのか、何をすべきなのかが見えず、漠然と大きな不安を感じていて、リスクを背負いたくないという感覚を持ってしまうことにあるように思います。 だからこそ、なぜ事業を承継するのか、また、事業承継した後はどのような論点が考えられるかを明確にすることが、非常に重要になってきます。

今回のこのマニュアルの特徴は、ここにあります。これは「見える化」という言葉をその中でよく使っているところからも、この意図が見受けられます。 マニュアルでは事業承継全般にわたり何をすべきかが、網羅的にまとめられています。具体的には、事業承継を実行するまでを、下記「5つのステップ」に分けて説明しています。

◆ステップ1:事業承継に向けた準備の必要性の認識
◆ステップ2:経営状況・経営課題等の把握(見える化)
◆ステップ3:事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)
◆ステップ4:親族内承継の場合には、事業承継計画策定
親族外承継の場合には、マッチング
◆ステップ5:親族内承継の場合には、事業承継の実行
親族外承継の場合には、M&A等の実行

といった具合です。

特にここで注目すべき点は、ステップ1からステップ3です。 以前は、事業承継=自社株対策というイメージが強かったと思います。また、最近は、事業承継計画策定、自社株対策を含めた税金対策、M&Aの実行等が事業承継の論点と思われていた節があります。

しかし、それ以前に、まず会社を存続させるべきか否かという根本的なところから自社を見つめ直す。そして、存続させるならば、事業承継に関するあらゆる選択肢を洗い出すとともに、事業の価値を高める手を打つ。 こうしたことをきちんと考えない限り、例え事業承継が成功しても、早晩、事業が立ちゆかなくなるということもあり得るでしょう。

創業71年を迎えるアタックスグループは、長年、オーナー企業の事業承継をあらゆる角度(後継者育成自社株承継、相続対策M&A)から支援して参りました。延べ1200社を超える支援の集大成を、弊社著『社長の幸せな辞め方』(かんき出版)にもまとめております。 社長にとって、事業承継は経営者人生最後の大仕事です。経験豊富な専門家を上手に活用しながら、悔いのない事業承継を実現してください。

事業承継にお悩みでしたら、ぜひ、アタックス税理士法人(東京・名古屋・大阪)までご相談ください。

 

自社株にまつわる恐怖からの脱出法

筆者紹介

アタックスグループ 代表パートナー
株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 代表取締役社長
公認会計士・税理士 林 公一
1987年 横浜市立大学卒。KPMG NewYork、KPMG Corporate Finance株式会社を経て、アタックスに参画。KPMG勤務時代には、年間20社程度の日系米国子会社の監査を担当、また、数多くの事業評価、株式公開業務、M&A業務に携わる。現在は、過去の経験を活かしながら、中堅中小企業のよき相談相手として、事業承継や後継者・幹部社員育成のサポートに注力。
林公一の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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