海外に扶養親族がいるときの年末調整はどうするの~国外居住親族とは~ | アタックス税理士法人 国際部

海外に扶養親族がいるときの年末調整はどうするの~国外居住親族とは~

2022年12月2日

2022年もあと1ケ月となりました。毎年この時期は「年末調整」をする企業がほとんどではないでしょうか。

年末調整にあたり、扶養親族に海外居住者(国外居住親族)がいる場合には、注意が必要です。通常は、「扶養控除申告書」に記載すれば控除が可能ですが、国外に扶養親族がいる場合には、「親族関係書類」や「送金関係書類」が必要となります。

国外居住親族とは

非居住者(日本国内に住所を有せず、かつ、現在まで引き続いて1年以上国内に居所を有しない個人)である親族をいいます。

親族関係書類とは

次の①又は②のいずれかの書類で、その国外居住親族があなたの親族であることを証するものをいいます。

①戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し

②外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類の原本(国外居住親族の氏名、生年月日、住所(居所)の記載があるものに限ります。)

送金関係書類とは

次の①又は②の書類で、その者がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を、必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます。

①金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引によりその者から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類

②いわゆるクレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外居住親族が、そのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等により、その商品等の購入等の代金に相当する額をその者から受領したこと等を明らかにする書類

いずれの書類も、外国語で作成されている場合にはその翻訳文も必要なので、注意が必要です。

提出時期と保存期間

年末調整を行う際に書類の提出をうけて、年末調整を行います。また、書類については7年間の保存が必要です。

実務上のポイント

扶養親族が国外に留学している場合や、外国人労働者が国外に扶養親族がいる場合には、「親族関係書類」や「送金関係書類」の書類を確認して、年末調整を行うようにして下さい。またこの要件は令和4年までで、令和5年からは改正になりますので、注意をして下さい。

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