その打ち手は有効か?経営課題を「見える化」するサーベイの力

その打ち手は有効か?~経営課題を「見える化」するサーベイの力 経営

中小企業白書には、様々な企業の実例が載っており、経営課題に対する具体的な取組みを知ることができるため非常に参考になります。

しかし、「当社でもやってみよう!」と早速実践したものの「やってみたけれど、思うような効果が出なかった」というご相談を受けることも少なくありません。

なぜ同じように実践しても、効果が出にくいのでしょうか?

当然のことですが、他社の成功事例は、あくまで「その会社の状況や課題に即した打ち手」であり、自社にそのまま適用できるとは限らないからです。

そもそも、他社では問題となっていることが、自社にとっては問題にすらならない可能性もありますし、問題の重要度は組織によって異なるでしょう。

さらに、その問題を「課題」として取り扱うべきなのか?
課題とするならば、優先順位は高いのか、低いのか?

そして何よりも重要なのは、その問題の発生要因、つまり「真因」を把握しているかどうかです。

真因を正しく捉えていなければ、どれだけ優れた打ち手を講じたとしても、その効果は半減してしまいます。

したがって、打ち手を効果的にするには、まず自社の課題を正しく把握することが重要です。

では、どのようにすれば自社の課題を正しく把握できるのでしょうか。そんなお悩みを抱える経営者の方に、私はサーベイをお勧めしています。

サーベイとは、その名のとおり「調査」を意味し、物事の全体像や現状を正確に把握するために、情報やデータを収集する手法として実施されます。

サーベイを効果的に活用することで、意思決定に必要な問題点や課題を明確にすることが可能になります。

サーベイには、その目的に応じてさまざまな種類があります。ここで、代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

エンゲージメントサーベイ

エンゲージメントサーベイとは、自社や製品に対する社員の愛着心を測る調査です。

社員の愛社精神を数値化することで、職場のどこに課題があるかを客観的に把握することができます。

エンゲージメントサーベイの結果が良いほど、社員の離職率は低く、企業の成長率は高い傾向にあると言われています。

組織サーベイ

組織サーベイとは、社員のモチベーションやエンゲージメント、人間関係など、会社の現状を把握するための調査手法です。

社員が会社に対してどのように思っているか、部門や部署間における意識のギャップがどれほどあるかを明確にすることで、組織の健全性を客観的に把握することが可能になります。

社員の定着率改善にもつなげられると言われています。

アセスメントサーベイ

アセスメントサーベイとは、社員が持つスキルや能力を可視化し、社員の成長を促すための調査手法です。

リーダーシップや強み・弱み、能力や適性を定量的な指標で複合的に評価し、適材適所の人財配置を検討したり、成長戦略を立てたりする際に活用されます。

社員満足度調査

社員満足度調査とは、社員が業務内容や職場環境、報酬制度、評価制度、福利厚生など、金銭面、非金銭面にかかわらず、会社に対して抱く満足度を把握するための調査手法です。

社員の本音を知ることで、職場環境や人間関係の改善につなげることが期待できます。

サーベイのメリット・デメリット

他にも様々な種類のサーベイがありますが、会社としてどのような情報を得たいのかを明確にした上で、目的に合ったサーベイを選ぶことが重要です。

では、サーベイを実施することでどのようなメリットがあるのでしょうか。

代表的なメリットとして、次のようなものが挙げられます。

  • 組織課題の見える化が可能
  • モチベーション・エンゲージメント向上による社員定着率の向上
  • モチベーション・エンゲージメント向上による顧客満足度の向上
  • トラブルの予見と予防

一方で、サーベイにはデメリットがあるのも事実です。実施のタイミングや頻度によっては、社員に負担を感じさせてしまう可能性があります。

また、サーベイによって明らかになった問題が放置されてしまうと、会社を良くしようと行ったはずの調査が、かえって社員の不信感を生んでしまう可能性があります。

当たり前のことですが、サーベイを実施しただけで会社が良くなるわけではありません。サーベイはあくまでもデータ収集の手段に過ぎず、そのデータをどう活用するかが極めて重要です。

したがって、サーベイ結果の社員へのフィードバックは必須であり、必ず実施しなければなりません。

さらに、分析結果をもとに具体的な改善策の立案と実行を着実に進めることも欠かせません。これらを怠ると、かえって逆効果になってしまう恐れがあります。

サーベイを実施する際には、留意すべき点も多くありますが、自社の問題が明確になり、改善策を見出しやすくなるなど、多くの効果が期待できるのも事実です。

まずは一度、サーベイの導入を検討してみてはいかがでしょうか?自社の課題を正しく把握する第一歩になるはずです。

サーベイを活用した課題解決にご興味のある方は、こちらのページで詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。

ご相談は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

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筆者紹介

アタックス税理士法人 社員 税理士 海野 大
税務顧問業務をはじめ、税務コンサルティング業務や組織再編実行支援業務 のプロジェクトリーダーとして活躍中。確かな知識と親しみやすい人柄で経営者から厚い信頼を得ている。お客様の立場に立った税務指導のほか、経理業務改善、経営財務面からの強い会社づくりに注力している。

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