「管理職として自信が持てない」と悩む方への処方箋

「部下育成」に時間を取られず自由に仕事ができたらどれだけ気楽か・・・。管理職であれば、誰もが一度はこんな気持ちになるものです。組織の中で経験を積み「力」がついてくると役割もどんどん変化していきます。

中でも、与えられた仕事を精一杯頑張る段階から、部下を率いて組織目標達成することを求められる段階への役割変化は、それまでに求められてきた思考や行動を変えなくてはならない大きな転換点といえます。

それでは部下を率いていくために最も重要な「力」とは何でしょうか。

代表的なものとして、「リーダーシップ」が上げられます。「いかにリーダーシップを身につけるか」、「いかにリーダーシップを発揮するか」は、常にビジネス誌を賑わす永遠のテーマであり、あの手この手でその習得術が紹介されています。

しかし、わかっているつもりでもその本質となるとなかなか難しく、自分のものにすることは容易ではありません。そもそもリーダーシップとは何でしょうか。

「リーダーシップ」を簡潔に表現すると「組織の構成員(部下)の持てる力を組織目標達成に向けて促進し、活かすためのあらゆる影響力」と定義することができます。

しかしそのスタイルは、時代と共に大きく変化しています。第二次産業(工業)中心時代のリーダーシップは、現場の生産ラインに従事する工員と管理監督者という関係のなかで発揮されました。

それは、常に仕事振りを監視でき、間違った作業を即座に指摘できるという環境下です。
つまりこの時代には、「上意下達」「管理と統制」という「指示型」リーダーシップが最も効果的なスタイルでした。

ところが、第三次産業(サービス業)中心の現代はどうでしょうか。社員がいったん会社を飛び出したら、社員がお客様の前に立ったら、上司は手出しができません。

つまり、お客様と対峙する社員一人ひとりが、自分で考えて行動しなくてはならないのです。このようなビジネス環境下でのリーダーシップのテーマは、「自分で答えを見つけ行動できる社員の創造」です。

それには、上司が答えを与えてしまうような指導方法では部下の力はつきません。
本人が判断し、お客様の前でその力を発揮できるように導いていく「支援型」のリーダーシップが求められます。
これは、権威で部下の行動を統制するよりも、はるかに難易度が高いリーダーシップです。

この変化は、時代が求めるリーダーシップを管理職がもう一度学び直さなくてはならない、ということを意味しています。
エリクソン(発達心理学者)は、人間は人生のステージに応じて固有の発達課題があるとしました。リーダーとして部下育成の役割を担うことは、人間として発達するための成長課題であると説いています。

職場においてプレイヤーとして活躍する時代を経て、社会や家族との関係を築きながら自らを磨く時代を通り、やがて次の世代の支援と育成に注力する時代へと徐々に立ち位置を変えていく、そこに人間としての成長(発達)があるというわけです。
多様で複雑な時代へと変化する中で、理想とするリーダー像のレベルがどんどん上がっています。

しかし部下を持ち、悪戦苦闘するプロセスの中に人間成長があるのです。
管理職として自信が持てないと悩んでいるあなた。今一度、「自覚」と「覚悟」をもって、この人生課題に挑戦してください!

筆者紹介

株式会社アタックス 執行役員 中小企業診断士 北村 信貴子
1963年生まれ。中小企業診断士、産業カウンセラー、BCS認定ビジネスコーチ。大手食品メーカー勤務後、アタックス入社。中堅中小企業を対象に経営診断や人事制度設計運用・人材育成業務に従事。現在は、後継者育成、管理者教育、女性リーダー育成を中心に実践型の教育訓練・能力開発に特に注力。講演・セミナー実績多数。受講者との対話を通じて理解を深めていく迫力ある指導には定評がある。
北村信貴子の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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