自社株承継における「遺言」の活用のしかた

自社株承継における「遺言」の活用のしかた

遺言を活用する

遺言も自社株を確実に後継者に承継させる有効な手段です。

遺言がない場合、現社長に万が一のことがあれば、相続人が集まり、自社株を含めたすべての財産と債務を誰がどう引継ぐか協議(遺産分割協議)することになります。

したがって、「遺言」という方法を活用して株式分散のリスクを早めに回避しておく必要があります

遺言

 

遺言がない場合、遺産分割協議で後継者が自社株すべてを承継する結論になればよいのですが、相続人間で揉めたり、経営のことを考えずに分割すると、自社株が分散してしまう恐れがあります。  

後継者としては、相続税負担の問題はあるものの、将来の経営が安定して進められるよう、一定以上の議決権は確保しておきたいはずです。

また、事業と関係ない親族らが大きな株数を持つような状況は好ましいとは言えません。

会社の経営に口を挟まれたり、何かの際に高額での株式の買取りを迫られたりする可能性があるからです。

遺言があれば、後継者だけでなく、現社長がつくりあげた事業を守ることにつながるわけです。

遺言の種類と特徴

遺言には、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。

遺言の種類と特徴は以下に示すとおりです。
遺言を活用する場合には、専門家にもよく相談して進めていただきたいと思います。

自筆証書遺言 公正証書遺言
作成方法 遺言者が、日付、氏名、財産の分割内容等の全文を自書で作成して押印します。 遺言者が、原則として証人2人以上とともに公証人役場に出かけ、公証人に遺言内容を口述し、公証人が筆記にて作成します。
メリット
  • 手軽に作成できます。
  • 費用がほとんどかかりません。
  • 遺言の形式不備等により無効になるおそれがありません。
  • 原本は、公証人役場にて保管されるため、紛失・隠匿・偽造のおそれがありません。
  • 家庭裁判所による検認手続が不要です。
デメリット
  • 文章の意味が不明、形式に不備がある等のケースは無効となるおそれがあります。
  • 遺言の紛失・隠匿・偽造のおそれがあります。
  • 家庭裁判所の検認手続きが必要です。
  • 作成までに手間がかかります。
  • 少々費用(注)がかかります。
    (注)費用の目安として、1億円の遺産を3人の相続人に均等に与える場合は、約10万円の手数料が必要となる。
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