「強くて愛される会社」を創るには?ウェルビーイングの効能!

「強くて愛される会社」を創るには?ウェルビーイングの効能! 経営

ウェルビーイングが「強くて愛される会社」をつくる

アタックスグループでは、「強くて愛される会社を1社でも多く世に生み出す」ことをパーパスとして掲げています。

皆さまの会社にも、それぞれ大切にされているパーパスや理念があることと思いますが、どのような経営テーマを掲げておられるでしょうか。

「強くて愛される会社」は、社会に良い影響をもたらします。

企業として持続的に成長し、安定した経営基盤を築くことで、社員の雇用を守ることができ、働く一人一人が安心して力を発揮できる環境づくりに繋がるからです。

また、社員のキャリア開発にも投資できるため、組織全体の成長を促すとともに、採用においても有利に働くでしょう。

昨今、ハラスメントやメンタルヘルス不調の問題が社会的な課題として取り上げられています。

しかし、愛される経営を実践している会社では、互いを尊重し合う文化が根づいているため、こうした問題が起こりにくい環境をつくることができます。

さらに、サプライヤーなど外部ステークホルダーの経営にも好影響を与えます。

企業同士が健全な関係を築くことで、結果として社会全体の安全にもつながっていくでしょう。

オーナー家の生活も、より安定したものになります。

松下幸之助は、「企業は社会の公器である」と言いましたが、強くて愛される会社は、まさに公器としての役割を十分に果たすことができます。

ウェルビーイングとは何か?ハピネスとの違い

では、「強くて愛される会社」になるために何をすればいいのでしょうか?

  • 素晴らしいビジネスモデルや商品の開発
  • 画期的な製造方法の確立
  • やる気を引き出し頑張りに報いる人事制度や業績管理制度の構築
  • 月曜日の朝に出社したくなるような経営理念の策定とその浸透
  • 強くて愛される経営を実践している会社の視察し、その実現を強く念じる

など、様々なアプローチがあると思います。

その中で、私が有効だと考えているのが、社員や組織のウェルビーイング度を高めることです。

ウェルビーイングとは、「いい状態」のことで、充実した状態が続いていることを言います。

ウェルビーイングと似た概念にハピネスがありますが、両者は以下のように説明されます。

  • ハピネス
    「感情的で一瞬しか続かない、スパンの短い幸せ」
  • ウェルビーイング
    「身体的、精神的、社会的に良好な状態であり、持続する幸せ」

事業再生の現場で見た「ウェルビーイングの力」

私は2000年代、事業再生コンサルティングに従事していました。

小泉政権下で、不良債権処理が政策テーマとなり、金融環境が悪化し、その結果として、借入金の返済に窮する企業が急増したためです。そのような会社を再建し、返済できるようにするのが仕事でした。

一時期、再生ファンドに出向し、買収した企業で実質的な経営責任者として再建に従事していたこともあります。

再生会社は、強い会社ではありません。商品力、ビジネスモデル、設備など、あらゆる面で弱い状態にあります。

当然、利益は出ません。

また、銀行からの融資も見込めません。

返済ストップの状態ですから、ニューマネーは出てきません。

このような状態で、どうやって強い会社にするのか?

試行錯誤がありましたが、結局は、社員一人ひとりに、

  • 1円でも高く、1個でも多く販売してもらう
  • 1円でも安く購入してもらう
  • 1個でも無駄にしない
  • 1秒でも早く作る

といったことを徹底してもらうほかありませんでした。

社員一人ひとりが当事者意識を持ち、「会社をみんなで立て直すんだ」と動いてくれるようになってはじめて売上が上向き始め、利益が増え始めます。

社員からアイデアを募集し、それを成功させて達成感を味わってもらい、善循環を回し、雰囲気を前向きに転換していくプロセスです。

全社一丸にならないと良い結果は出ませんので、チームワークも高まります。

武蔵野大学で、日本初のウェルビーイング学科を立ち上げるなど、幸福学の研究と普及に尽力されている前野隆司教授によると、人がウェルビーイングな状態になるためには、次の4つの因子があるそうです。

  • やってみよう!(自己実現と成長)
  • ありがとう!(つながりと感謝)
  • なんとかなる!(前向きと楽観)
  • ありのままに!(独立と自分らしさ)

事業再生の現場で私が行っていたプロセスは、この4つの因子を追求していたように思います。

社員参加で再生のアイデアを議論し実行するのは「やってみよう因子」。

全社一丸となって取り組むのは「ありがとう」因子。

倒産寸前で、あとは上がるしかないという状況は「なんとかなる」因子。

どうしたらできるかを考える姿勢は「ありのままに」因子。

図らずも、倒産寸前という最悪の状態にある人と組織を、ウェルビーイングな状態へと近づけていたのかもしれません。

ウェルビーイングが生み出すイノベーション

当時は、ウェルビーイング度を測定する術がありませんでしたから、実際のところは検証できませんでした。

しかし現在は、社員幸福度診断などの手法が開発されていますので、ウェルビーイング度の効果測定は可能です。

また、今、強い会社であっても、未来も強くあり続けられる保証はありません。

会社が強くあり続けるためには、イノベーションが欠かせませんが、ウェルビーイングな人と組織は、イノベーションを生み出してくれるでしょう。

米イリノイ大などの研究では、イノベーティブな人の創造性は、そうでない人に比べて3倍にもなるという結果が出ているそうです。

ウェルビーイングな人は、笑顔で顧客と会話するでしょうから、顧客から様々なニーズを引き出すことができそうですし、共感力も高そうです。

共感力は、故・野中郁次郎先生が提唱したイノベーション理論「SECIモデル」の出発点である、「Socialization(共同化)」において、重要な役割を果たします。

また、ウェルビーイングな人は好奇心も旺盛でしょうから、新しい知の探索も積極的に行い、既存の知と組み合わせて、シュンペーターが説いた新結合を生み出してくれそうです。

野中先生やシュンペーターのイノベーション理論とウェルビーイングの相性はよさそうで、これが、強い会社がこの先も強くあり続けるための原動力になるように思います。

私は、事業再生で培った知見と、産業カウンセラーとしての知見を活かして組織開発を行い、強くて愛される会社になっていただくことを支援しています。

クライアント企業の皆さんと、豊かな社会を一緒に作っていきたいと思っています。

停滞している会社が活性化するために、また強い会社がこれからも強くあり続けるために、人と組織のウェルビーイング度を高めることを、ぜひ経営のテーマとして掲げていただきたいと思います。

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筆者紹介

諸戸和晃

株式会社アタックス 次世代リーダーズ支援室 産業カウンセラー 諸戸 和晃
教育のスペシャリストとして人財育成コンサルティングに従事。イントラパーソナル・ダイバーシティー(個人内多様性)を形成した下記のキャリアをベースに、『人財育成を通して企業のイノベーションを促進する』として、多くの企業を支援している。愛知教育大学教育学部卒。

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