日本でいちばん大切にしたい会社大賞への応募

経営

本コーナーで何回も紹介させていただいた、筆者が審査委員長を務める「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞は、2010年度に、産官学関係者により創設されスタートしました。

以後、毎年、少ない年で10社、多い年は30社近い企業を表彰しています。

現在もそうですが、当時も企業を顕彰する制度は、国を始め、地方自治体や大学、さらには民間団体等が主催で、数えきれないほど多くがありました。そうした中、あえて私たちは創設したのです。

というのは、既に存在している大半の賞が、木を見て森を見ずではありませんが、いちばん大切にすべき経営学に関する評価が、決定的に欠落してしまっている表彰制度が大半だったからです。

当初、一部のいわゆる専門家諸氏からは、6つの応募基準と、50の第1次審査基準、そして20の第2次審査基準などを見て、「これに該当するような企業があるとは、到底思えません…、表彰制度として成立しませんよ…」等と揶揄されたこともありました。

しかしながら、この賞は、年々拡大し、2020年度は、コロナ過ではありましたが、過去最大の28社が表彰されるまでになりました。

ちなみに「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の「応募基準」ですが、
①過去5年以上、人員整理などはしていない
②過去5年以上、重大な労働災害を発生させていない
③過去5年以上、取引先に一方的なコストダウンなど理不尽と思われるような取引はしていない
④過去5年以上、障がい者の実雇用率は法定雇用率以上である(該当規模以下の企業は、障がい者施設等からの、仕入れや発注を安定的かつ、継続的に実施している)
⑤過去5年以上、黒字経営であり、納税責任を果たしている
⑥過去5年以上コンプライアンス違反はない
の6つです。

このすべてに5年間、該当しない企業は応募すらできない賞なのです。

その後「第1次審査基準」そして現地調査を中心とした「第2次審査基準」があるのです。おそらく数ある企業の表彰制度の中で、最もハードルの高い賞と思います。

さらに言うと、第1次評点や第2次評点がたとえ高くても、重要な項目において、1つでも劣悪な項目があれば表彰しないという点です。

そのいくつかを例示すると
①転職的離職率が異常に高い企業(10%以上)
②社員一人当たりの年間所定外労働時間が異常に長い企業(年間240時間以上)
③平均有給休暇取得率が異常に低い企業(30%以下)
④業界平均と比較し正規社員(無期雇用社員)比率が異常に低い企業
⑤財務の安全性が著しく劣る企業(自己資本比率10%以下)
⑥社員の年間給与が業界平均と比較し著しく低い企業
⑦社員の年間給与と比較し役員の報酬が異常に高い企業
⑧サービス残業を日常的に課している企業
⑨就業環境や福利厚生施設が著しく劣悪な企業
⑩障がいのある社員の大半が非正規(有期雇用)社員の企業
等です。

2021年度「第12回大賞」の募集が7月からスタートします。

本コラムをお読みの方で、6つの応募基準に該当すると思われる「真にいい会社」がありましたら、自薦・他薦下さいますようお願いします。応募できる会社が多数派になれば、必ずやわが国は再生すると思います。

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筆者紹介

坂本光司

アタックスグループ 顧問
経営学者・元法政大学大学院教授・人を大切にする経営学会会長  坂本 光司(さかもとこうじ)
1947年 静岡県生まれ。静岡文化芸術大学文化政策学部・同大学院教授、法政大学大学院政策創造研究科教授、法政大学大学院静岡サテライトキャンパス長等を歴任。ほかに、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞審査委員長等、国・県・市町村の公務も多数務める。専門は、中小企業経営論、地域経済論、地域産業論。これまでに8,000社以上の企業等を訪問し、調査・アドバイスを行う。

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