多くのマネージャーが混同している「目標設定」と「ルール設定」

経営

私は組織の行動を改革する事で、目標達成のお手伝いをするコンサルタントです。

現在、私が講師を務めるマネジャー研修では、全国から集まった約60人のマネジャーに、自分の組織の行動改革と目標達成を目指して、
半年間のカリキュラムに取り組んでもらっています。 今日は研修を受講するマネジャーの多くが混同されている「目標」と「ルール」の違いについて解説します。

私の研修では組織の行動改革を進める際に必ずルール(業務ルール)を設定してもらう所からスタートします。 受講者は自分の組織の目的に合わせて新しいルールを設定するのですが、どんなに事前に解説しても、「目標」と「ルール」とを区別できない方が沢山います。

製造業班長Aさんの事例です。

(ルール例)
・今後ウチの班の製造ラインでは、 全員が制作作業中の不良率を2パーセント以内にする

上記は本来製造ラインの目標となるべきものですが、それをルールにしてしまっています。

ルールとは、目標達成を助ける組織の規範であり全員守る事が前提でなければなりません。 その為、やろうと思えば出来るし、出来ない言い訳ができないくらい具体的な行動がルールになっていなければなりません。 目標をルールにしてしまうと、目標を達成する方法が決められていないので、当然ながらルールを守る事ができません。守れないルールは機能せず組織の成果につながりません。実際に、参加するマネジャーの多くが目標とルールを取り違えて設定してしまいますので、研修では徹底してルール設定の改善を促します。

では、何故多くのマネジャーが正しくルール設定できないのでしょうか。 その理由は、そもそも普段所属する組織のルールが正しく設定されていない、と言うことにあるのではないでしょうか。 普段から目標とルールを区別せずにルールを設定しているため、その慣れ親しんだ習慣、価値観に引っ張られ、正しい認識が持てなくなっているのではないか、と思います。

多くのマネジャーがルール設定を間違ってしまう事から、彼らが所属する組織では、機能していないルールが沢山存在しているのではないかと不安になります。 守られないルールが沢山存在し放置されていると、決めた事をやらなくても良いという空気が組織に蔓延します。そのままにしておくと組織が全く機能しない状態にもなりかねません。

皆様の組織では、守られていないルールが多数存在しているようなことはないでしょうか。 もし、そうした不安を感じておられるなら、組織に設定されているルールを早急に見直す事をお勧めします。その際には、「目標」が「ルール」になっていないか、是非チェックしてみてください。

筆者紹介

株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ コンサルタント 山北 陽平
富士通グループ主力販売会社を経て、株式会社アタックスへ入社。前職では企業向けのモバイルソリューション販売に従事。 【エリア別法人営業 :250人中/1位の販売実績】企業間アライアンス構築、新規ビジネス推進プロジェクトを数多く経験し、新規顧客開拓、販売チャネル開拓を得意としている。アタックス・セールス・アソシエイツ入社後は、前職での営業経験を生かし、『正しい手順に基づいた組織営業』を定着させること、『正しい販路開拓をコーディネート』することをテーマに現在クライアント営業組織の目標予算達成に必要な、行動改革から戦略構築支援を展開している。また、研修講師として、独自開催している若手営業パーソン向けセミナー【絶対達成スピード講座】は営業パーソンの意識と行動スピードを短時間で改善させる体験型セミナーとして、多くの経営者、営業マネジャーから「なかなか変わらない部下に是非受けさせたいインパクトの強いセミナー」と大変高い評価を受けており、常に集客前直後には満員御礼になってしまう人気セミナーの講師としても活躍している。

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