価値ある会社の共通項!「社員の幸せを一番に考える経営」

人材育成

東京商工会議所が2000年から始めている表彰制度に「勇気ある経営大賞」があります。

クリエイティブな発想で独自の技術・独自のビジネスモデル・独自の商品企画を武器に時代の変化にチャレンジしている企業を表彰する制度です。

筆者はその第一回受賞企業を取材し、1冊の本にまとめました。
(『変える勇気が会社を強くする』中経出版)

この時の受賞企業の一社に株式会社生活の木(以下S社、重永忠社長)があります。

S社はハーブ、エッセンシャルオイルの原料を世界50ケ国以上から調達し、種々なハーブ・アロマテラピー製品を企画・開発・製造・直営店での販売・卸売をしている会社です。

筆者は当時からS社の事業と重永社長の経営スタイルに強い関心を持っており、定期的に店舗を利用すると同時に重永社長にも数年に1回面談し、S社の現在と将来について話を聴いています。

先月中頃に重永社長と3年振りに面談する機会があり、S社は順調に発展し重永社長も自身の経営に益々自信を深めていると実感しました。

重永社長が目指す経営は『「社員の幸せ」を一番に考える』です。
分かり易く表現すれば社員全員を家族とみなす経営です。

重永社長から聴いたことをいくつか挙げてみましょう。

一つ目は毎年9月1日(S社は8月末決算)に行う経営方針発表会。
前期の経営実績の報告と優秀店舗・個人の表彰ならびに新年度の経営方針が説明されます。

方針発表会で全社員に配られる新年度の経営方針書は、重永社長が、経営方針全般に関わる部分を作成し、具体的な年度計画と収支計画については、150に及ぶ部門から上がってきます。

重永社長が経営トップとして会社が向かうべき方針(ビジョン)は示しますが、方針の具体的な展開は部門に委ねる経営です。

二つ目は利益の1/3が「決算賞与」として全社員に支給される業績連動決算賞与です。

利益3分法で決算賞与、内部留保、来期以降先行投資で1/3ずつ利益処分することがルールです。決算賞与は赤字部門にも支給されます。

全社員へ基本給比例で決算賞与が支給されるのは、重永社長の原材料の調達・新製品開発・製造・物流・販売はすべて「オール自前主義」で行い、各部門が連携プレーで協力して初めて良い成果が出るという発想に依ります。

三つ目は重永社長自らが積極的に関与する採用活動です。

S社は一人ひとりがすべてそれぞれの持ち場で輝く人財(人材ではない)でなければならないと考えています。

例えば直近の新卒採用は3,000名がエントリーして、1,000名が会社説明会に参加し、第6次までの面接を経て、9名が入社しています。

誰でも知っている大企業の内定を断ってS社に入社する学生も多いようです。重永社長自らが会社説明会で熱く語るS社の事業、社会でのお役立ち、社員を信頼し仕事をまかせる、誇りの持てる社風に共感した優秀な学生が入社してくると想像できます。

ユニークなのは今年入社した9名への入社前の4日間の長野県での合宿研修です。9名へは何をするのかを事前には伝えません。

4日間でチームビルディングとは何かを徹底して教える体育会系の研修のようですが、この合宿を終え9名はS社の家族の一員として認められることになります。

ちなみに入社辞退者はゼロです。 重永社長の経営は『「社員の幸せ」を一番に考える経営』です。

このことをやり抜く首尾一貫、言行一致の経営をしています。筆者の想像ですが重永社長は全社員から信頼され愛される自慢の社長だと思います。

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筆者紹介

丸山 弘昭アタックスグループ 代表パートナー公認会計士・税理士
数百社のクライアントについて「経営のドクター」として、経営・税務顧問、経営管理制度の構築・改善、経営戦略・経営計画策定、相続対策・事業承継、M&Aなどを中心としたコンサルティング業務に従事。幅広いネットワークと数多くの実績を生かし、経営者の参謀役、「社長の最良の相談相手」として活躍中。
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