見え隠れする景気後退の兆候~今、「設備投資」は是か非か?

先日、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均が過去最大の下げ幅を記録しました。ニュースで大きく取り上げられたこともあり、多くの方がご存じのことと思います。

この要因として報道されているもののひとつに、アメリカの1月の雇用統計が市場の予想を上回る結果となったことを受け、金利上昇ペースが加速するのではという懸念が生じたことがあります。日本でも2016年にマイナス金利政策を導入する等、長い間低金利が続いています。

しかし、最近では、長期間の金融緩和が金融機関の収益圧迫をもたらすことで金融緩和効果が減衰する副作用があることも指摘されています。 そのため、元々物価の上昇を意図して実施されてきた異次元の金融緩和ですが、物価上昇率の改善を待たずして金利引き上げに方針転換する可能性も十分考えられます。そして、仮に金利引き上げということになれば、金利上昇⇒円高の進行⇒景気後退という局面もいつくるかわからないと考えられます。

最近は景気拡大が継続していることもあり、好業績の企業を中心に設備投資や新規事業進出といった相談を受ける機会が増えてきました。 しかし、その中には、不要不急の投資や顧客からの要望に基づく安易な生産能力の増強など、好業績に依存した甘い投資判断も散見されます。 景気がよいときに実施する設備投資には、以下のようなリスクがあります。

(1) 景気がよく需要が多いためモノの価格が高くなっており、投資額が割高になりやすいこと。
(2) その後の景気後退時に生産能力が過剰となり、赤字体質に陥りやすくなること。

アメリカや欧州の利上げによる世界経済の減速、労働力人口の減少、消費税の増税等将来の景気減退を招くリスクは数多くあります。また、景気は循環するものであるため、拡大のあとには必ず縮小する局面がやってきます。 経営者の皆様は、景気回復が長期間続いているいまこそ、過去の景気減退局面における過剰設備等の苦労を思いだし、慎重な設備投資をすべきです。

いままさに設備投資を検討していらっしゃる方は、その需要が景気拡大による一時的なものでないか、その投資額は妥当かなど、一度立ち止まって検討してみてはいかがでしょうか?

アタックスグループでは、数値等の事実をもって事業実態を把握し計画の策定や日々の業務運営のアドバイスを実施できるコンサルタントを多数擁しております。将来、あの投資をしていなければよかったというようなことを回避するためにも、客観的な第三者の意見も踏まえて投資判断をされてみてはいかがでしょうか?
【アタックスの経営財務顧問】

筆者紹介

株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 執行役員 中小企業診断士 伊原 和也
1996年 武蔵大学卒。大手ノンバンクを経てアタックス入社。中堅中小企業を中心に企業再生支援、M&A支援、中期経営計画策定支援および株式公開支援等を中心にプロジェクトマネージャーとして活躍中。
伊原和也の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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