ピンチをチャレンジで乗り越える事業革新!~「新事業計画」をクールにアツく語ろう!

経営

4月23日に中小企業庁より2021年度版の中小企業白書が公開されました。

この中では、

・リーマンショック時を遥かに下回る倒産件数(7,773件)※リーマンショック時の2008年度:15,646件
・休廃業、解散の更なる増加(49,698件)
・コロナを契機としたデジタル化の進行

等、コロナ禍中という中小企業にとって、特別な一年を示す内容が列挙されています。

倒産件数の減少については、緊急かつ全力の金融支援の一定の成果ということでしょう。
(コロナ融資を使い切ってしまう会社、使い切らなくても返済据置期間が終わった後が少し気がかりですが…)

また、後継者不在等で廃業を検討していた経営者が、コロナをきっかけに廃業の判断をされた、というのも想像に難くありません。

デジタル化についても、わかりやすいところではWebミーティングの一般化に代表されるようにこの一年でデジタル化がかなり進捗した印象です。

コロナ禍に負けず「新事業」へチャレンジするには

このような内容の白書の中で、明るい材料として取り上げているのが、コロナ禍に負けずに「新事業」への転換、チャレンジをしている企業です。

中小企業政策としても、大型の補助金制度である「事業再構築補助金」(中小企業庁HP)により、チャレンジを後押ししています。

筆者も先日、本業が盤石な体制の中で、社長中心で仕掛けた「新事業」が具現化しつつある会社にお邪魔させていただき、ディスカッションをして参りました。

その会社の「新事業」は従来BtoBで展開していた製品につき、BtoCでのマーケットを社長が見出し、高付加価値を目指すものです。

製品コンセプトやビジネスモデルの構想、着眼点も素晴らしかったのですが、何より、製品その物が魅力的なものでした。

この魅力的な製品をビジネスとして世に出していく、その結果として、会社に利益を残していくためには何が必要なのでしょうか?

「新事業」の発想や着想をビジネスにしていくための重要な要素は、「言い出しっぺ」以外の方の協力であると筆者は考えます。

「言い出しっぺ」以外の方とは、取引先や銀行といった会社外部のみでなく、今後、「新事業」に関与する従業員、既存事業の幹部や従業員、といった会社内部も含みます。

社内外の協力なしに、「新事業」は卵のままだと考えます。

では、社内外の協力を得るためには、何が必要でしょうか?

「新事業計画書」コンテンツ3つの要素

社長が「新事業」に対する思いを手ぶらでアツく語るのも良いですが、「新事業計画書」片手にして、クールにアツく語ると、より協力を得られやすいと筆者は考えます。

この場合の「新事業計画書」のコンテンツは以下の3要素と考えます。

(1) ビジネスモデルの可視化  →「新事業」はどんなビジネスなのか?

まずは事業構想を整理してみましょう。

整理の切り口の例としては、

・顧客:「新事業」を誰に提供するのか/その顧客はどれだけいて、増えそうなのか?
・価値:「新事業」で顧客の何を満たすのか/その独自性は何か?
・接点:「新事業」と顧客の接点はどこか/接点をどのようにつくるか?
・リソース:「新事業」の製品・サービスをつくりだすための内外の重要リソースは何か?
・活動:「新事業」を成長させるための重要活動は何か?

となります。

一概には言えませんが、比較的小資本の中小企業の場合、価値がオリジナリティ溢れるものであることを前提に、顧客はニッチで、リソースは既存事業とのシナジーが効くもの、接点と活動はシンプルな方が「新事業」の成功確率が上がると考えます。

(2) マネジメントのフレームの検討  →「新事業」の組織体をどうするか?

次に、どんな枠組みで「新事業」を運営していくのか?ですが、

・既存法人、組織の中での一業務として行うケース
・既存法人の中での一事業部として運営するケース
・新法人を設立し、この法人にて運営するケース

といったケースがあります。

留意点としては、「新事業」はその構成員にスピードやトライ&エラーが求められるのに対して、既存事業は再現性や安定性をより重視される傾向があり、組織文化に差異が生じがちです。

このため、「新事業」の新規性や成長段階、既存事業の成熟度に応じて、「新事業」の組織体を検討していくと良いと考えます。

(3) 利益計画  →いつ頃、どれだけの事業成果を目標とするか?

利益計画とは、時間軸をつけながらビジネスモデルや活動を金額換算することです。

この製品をいくらでつくり、何個売っていくかというところから始まり、成長段階で必要となってくる物的・人的投資の予測や、その際の資金調達方法まで検討することになります。

また、「新事業」の利益計画には、3年後、計画通りに「新事業」単体で営業利益がでなければ、縮小・撤退の判断をする。といった、残念ながら事業化に至らなかった場合でのストッパーの役割もあります。

まとめ

上記の「新事業計画書」のコンテンツ3要素のポイントは、

・「新事業」は何か、その成功のキーファクターは何か
・従業員含めた協力者にどう動いてもらう必要があるのか
・会社全体としてのリスクとベネフィットはどこまでか
という事です。

この観点で整理していくと「言い出しっぺ」である社長も、「新事業」を構造的にとらえ、取り組むべき課題が解り、自信をもって「新事業」にチャレンジできるのではないでしょうか。

株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティングは、ファイブステップ(調査分析→問題発見→課題整理→改革提案→実行支援)コンサルとして中小企業の経営改善に関する様々なお悩みに対し、現状分析から課題解決のためのご支援を行っています。こちらからお気軽にご相談ください。

筆者紹介

株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 執行役員 公認会計士 森下 大
1999年 早稲田大学卒。中堅中小企業の事業再生・買収のアドバイザーとして、財務・事業デューデリジェンス、経営計画策定支援を中心としたコンサルティング業務、並びに、計画経営推進のための経営顧問業務に従事。公認会計士としての知識・経験を活かし、社長の良き相談相手として伴走型の支援を行うことで定評がある。
森下大の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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