森下 大 | アタックス・ビジネス・コンサルティング

森下 大

もりした だい MORISHITA Dai
株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 取締役
公認会計士
大学卒業後、監査法人・税理士法人等を経てアタックスに参画。中堅中小企業の事業再生・買収のアドバイザーとして、財務・事業デューデリジェンス、経営計画策定支援を中心としたコンサルティング業務に従事。また、計画経営推進のための経営顧問業務に従事。
公認会計士としての会計・税法務の知識、多数のコンサルティングの実務経験、クライアントの改善へのあくなき追求心を活かし、社長の良き相談相手として伴走型の支援を行うことで定評がある。
趣味:サウナ
好きな言葉:馬には乗ってみよ人には添うてみよ(≒やってみなきゃわからない)
人生を変えた一冊:世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド/永遠も半ばを過ぎて

略歴

1976年
愛知県常滑市で生まれる
1995年
東海高校卒業
1999年
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業
2004年
公認会計士二次試験合格
2009年
公認会計士登録
株式会社アタックス入社
2016年
株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 執行役員就任
2021年
株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 取締役就任

インタビュー

森下さんのキャリアヒストリーをお聞かせください。

公認会計士試験の二次試験を合格してから、東京の監査法人での仕事がキャリアのスタートです。

比較的小規模な監査法人でしたが、日本を代表する大企業や株式公開したての企業、公開準備中の企業にも会計士補の立場で関与することができ、大企業の風土や仕組みを学ぶことができました。

しかし、私の気風なのでしょうか。「先生」と呼ばれて畏まって会計監査をしているよりも、経理部や総務部の方と、“ワイワイ”言い合いながら、開示のサポートをすることにやりがいを感じました。

そこで、会計を武器に他の事ができないかと模索した先に、アタックスがありました。

意気込んで、アタックスに入社しましたが、会計だけでは経営者とまともにお話すらできない事を痛感しました。それからは、兎に角、実務も座学も勉強の毎日でした。

また、アタックスの先輩や、中小企業活性化協議会のマネージャー、金融機関の方、様々な専門家の方、なによりも出会ったお客様に、厳しくも優しく、たくさんの事を教えていただきました。

もちろん今でもまだまだ勉強中の身ですが、この時の経験が、会計や開示制度・税務・ファイナンスといった数字だけでなく、お客様のビジネスそのものや組織体等、もう少しだけ広く、未来に向けた視点でお客様に寄り添う、「話しのわかる会計士」としての今の私をつくってくれたのだと思います。

お客様からどのようなや悩み、相談が多いのでしょうか?

コロナは世界的に経済や事業、会社組織のあり方に大きなインパクトを与えました。

このような中、改めて、ビジネス・財務、組織体制を客観的に分析して、課題を挙げてほしい、将来を一緒に考えてほしい、という相談は、本当に多くなってきました。

また、事業承継などを目的とした、会社のイグジットの方策のご相談も多くなってきています。

森下さんの仕事をする上での大切にしていることはどのようなことでしょうか

私の仕事は、いってみれば、お客様の経営課題の解決や会社や経営の進め方の羅針盤のようなものです。

その意味では、どのような航路になろうとも、どれだけ時間がかかろうとも、それが当初とは違うかもしれないが、必ずお客様の納得するゴールにたどり着ける、ということを大切にしています。

今までの成功事例をお聞きしたいと思います。

印象深いある地方の運送業のお客様のプロジェクトについてお話しします。

そのお客様はトラックの過剰投資で資金繰りが回らなくなっており、経営危機の状態でした。

そのうえ、渦中で創業者様がお亡くなりになられ、後継された社長、その方は創業者の奥様になるのですが、企業存続につき固い意志と覚悟はあるものの、事業や資金の状態は詳しく把握しておられませんでした。

また、計数管理は、毎日の資金繰りをみているだけの状況、関係会社との取引が複雑で正確な損益も把握できない状況でした。

そこで、弊社はまず金融支援のサポートをしました。

社長と新任の経理担当者からのヒアリングにもとづき、半年程度の資金繰り見込みをおつくりし、それをもってメインバンクに社長と一緒に伺い、返済猶予や経営改善の協力を依頼しました。

メインバンクは協力姿勢を見せてくれましたが、同社はその時点で15もの金融機関から借り入れをしており、全ての金融機関の調整は難航することが予測されました。

そこで、社長、メインバンクと一緒に中小企業活性化協議会に訪問し、金融調整支援の依頼をしました。

協議会は、当社ビジネスの可能性や社長の誠実・真摯な姿勢を評価し、その支援のもと、全金融機関の返済の一時停止に運ぶことができました。

次に取り組んだのは現状把握です。

一つ目は、会社の資産・負債の状況の調査です。
お金に換えることができる資産は無いか、帳簿から漏れている払うべき負債は無いか、決算書をもとに、契約書や請求書を確認しながら進めました。

二つ目は、収支改善の分析です。
100台近くあるトラック毎の採算を把握するため、車両管理台帳を作成しました。

とにかく、手掛かりが紙の車両日報や請求書くらいしかなく、社長や新任の経理担当者と三人四脚で、大変な作業だったのを覚えています。

苦労の甲斐もあり、車両管理台帳が作成されると、トラック毎の採算や荷主別の採算がわかり、トラックのルートの再構築や運賃値上げ等の次にやるべきアクションが明確になりました。

三つ目は、関係会社との組織再編です。
業績を見えにくくしている関係会社との取引整理のため、許認可引継ぎ等、その影響を十分に検討しながら、組織再編のアドバイスをしました。

このような現状把握の段階で嬉しかったのが、弊社がリードしながら社長が自分の会社への理解をどんどん深めていってもらったことです。

そして、「やるべきことをきちんと実行すれば、この会社は必ず復活する!」と社長も弊社も確信を得たことです。

プロジェクトの終盤は、事業計画の策定です。
現状分析で得た確信と、やるべきことを数字に落とし込むのが事業計画です。

計画の初期段階で十分な利益を出せる計画を作ることができました。

しかし、ネックとなったのが、債務超過の額でした。このままきちんと利益を出していっても債務超過の解消が20年を超える期間となってしまい、それでは多くの金融機関が納得してくれないのでは、との懸念です。

そこで、メインバンクや協議会の支援体制のもとでの政府系金融機関との打ち合わせを重ね、資本性ローンの導入を判断してもらいました。

結果として、バランスシートとしても十分な計画となり、全金融機関の同意を得ることに成功しました。

当社は計画策定後、計画に織り込んだアクションをしっかり実行に移し、環境変化は様々ありましたが、数年で銀行借入金を大幅に返済し、事業再生を果たしました。

社長の意思と覚悟が実ったことが何よりも嬉しいことです。

また、現状分析の際に、一緒に作りこんだ車両管理台帳は、その時のフォーマットのまま、再生中も再生後も会社できちんと作成を継続され、今でも弊社に毎月送って頂いています。
これも大変嬉しいことです。

最後に一言お願いします。

過去が現在に影響を与えるように、未来も現在に影響を与えます。

未来を描くことは、楽しいばかりでなく、ときに苦しいことかもしれませんが、お客様のよりよい未来のため、一緒に考えましょう!

森下の得意領域

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