クラウド会計の台頭に思う~これからの会計事務所が担う役割

スマートフォン(スマホ)のアプリやインターネットなど、ITを活用した管理ソフトやサービスを使って家計簿を付けている人が増えているという新聞記事を最近目にしました。

スマホのカメラでレシートを撮影すると、文字を読み取り、支出として記録される。
記録した内容は費目ごとに計算され、結果はグラフや表で一覧表示される。

また、インターネットを活用してパソコンやスマホ画面に自分が使っている銀行やクレジットカードの利用履歴を集約する口座一元管理サービスなるものもあるそうです。

ノートや手帳など紙を使って家計簿を付けていた頃と比べると随分と簡単になったものです。

しかし、この動きは個人レベルの話では終わりません。

より複雑な処理が求められる企業会計においてもインターネットを活用した会計処理の自動化の動きは活発なのです。

いわゆるクラウド会計です。

クラウド会計は、インターネットを経由して遠隔地のクラウドサーバー上で動く会計ソフトを使い企業会計を処理します。

自社でコンピューターを運用する必要がないため、低コストで利用できるほか、銀行口座との連携など様々なサービスで会計業務を効率化でき、簡単に試算表や決算書ができます。

クラウド会計最大手のベンチャー企業である「freee株式会社」の導入実績は、2013年3月のスタートから実に2年半という短期間で40万事業所を突破しています。

また、その市場シェアが37.5%ということから、クラウド会計を導入している事業所は約107万事業所にも上ることになります。
驚くべきスピードで導入が拡大しているのが分かります。

「記帳は高度な専門知識が必要で自社では簡単に出来ない。だから会計事務所に記帳を依頼しています。」

こういった認識は今でも根強くあるようです。
筆者も現場でこういった声をよく耳にします。

しかし、クラウド会計を導入している事業所の拡大状況をみると、こういった考えは近い将来無くなっていくでしょう。

経営者は、低コストで簡単に試算表や決算書を手に入れることができるようになります。

こういった状況を筆者としては大変喜ばしいことだと思っています。

なぜなら、経営にとって大事なことは、試算表や決算書を手に入れることではなく、試算表や決算書を経営に活かすことだからです。

例えば、自社が目指す付加価値率を設定し、現状との差異を埋めるためのアクションプランとその効果を数字で把握し、実際の行動改善に活かす、あるいは、試算表や決算書から自社の資金構造を把握して資金繰りの改善に活かす、など。

多くの企業を見てきて感じることですが、経営環境に左右されず着実に成長し長く存続している企業は、必ず会社の数字を、将来の経営に活かしています。

試算表や決算書は所詮過去に起こったことをまとめたものです。
そのため、その内容は変えることはできません。

つまり誰が作成してもほとんど同じものができます。
そうであれば、試算表や決算書は低コストで手に入れるべきです。

そして、試算表や決算書を経営に活かすためにコストを使うべきではないでしょうか。

アタックスでは、数字を経営に活かすためのご支援をしています。
アタックス「経営財務顧問」支援】

会社の数字を、図で簡単に見られるツールもセミナーでご紹介しています。ご興味のある方はお気軽にご参加ください。
●セミナー「試算表を見える化して経営に役立てよう」(東京2/12名古屋2/8

筆者紹介

アタックス税理士法人 税理士 海野 大
1996年 法政大学卒。税務顧問業務をはじめ、税務コンサルティング業務や組織再編実行支援業務のプロジェクトリーダーとして活躍中。税務指導のほか、経理業務改善、経営財務面からの強い会社づくりにも注力している。
海野大の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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