多くの出会いの先に、いい関係がある

坂本光司の快進撃企業レポート 経営

私は、これまで、約8500社以上もの、日本・海外の会社をみてきました。

その経験を踏まえて、強く実感するのは、仕事をうまく行なううえで、人づきあい(人間関係)が、いかに重要かということです。

一人ひとりの人間の能力には、限界があるのはもちろんですが 、私は、個々の人間の能力には、ほとんど差はないと考えています。

ですが、 実際には、仕事の実績や会社の 業績などで差が出てしまいます。この差がつく要因は「人間関係」によるところが大きいと思うのです。

人間関係で大切なのは、まず誠実に人と接することではないでしょうか。

ウソをついたり、人をうまい具合に使おうと考えたりするのではなく、素直に人や物事に向き合えば、なにより信頼関係が生まれます。

そして次に、何かに向かって、努力し続けるという姿勢。懸命に物事に取り組む人は、誰にとっても魅力的にうつるはずです。

こういった真摯な姿勢こそ、いい人間関係を築く礎となるものだと思うのです。

私は、いい人間関係を築くための前提として、「たくさんの人と会う」ようにしています。

今、私には、いざというときに、ひと肌脱ごうと思えるような信頼できる方々が、3000 人ほどはいるでしょうか。これは、これまで会ってきた人が多いことも、大きな要因だと思います。

かつて、私は公務員として、調査や相談のために、中小企業をまわっていました。

私は、一日に5~6社訪問していたのですが、それを正直に、報告書に書いたら、上司に、ひどく叱られました。

「役所には役所の掟がある」「これみよがしに、訪問数を多く書くな」と…。

周りを見れば、同僚は、一日一ヶ所で、それが役所の慣習だったのです。それ以降、報告書には、一ヶ所だけ書くようにしましたが、私自身の行動は変えずに、企業訪問し続けました。

おかげで、周りより、人脈がどんどん広がっていきました。

「たくさんの人と会う」ように努めているのは、今も同じです。

私は、自分の著作物に連絡先を書いているので、「お目にかかって、ご相談したい」といった連絡をよくいただくのですが、昼でも夜でも、可能な限り、お会いするようにしています。

さらに言えば、一回だけでなく最低でも二回会ったほうが、人間関係の距離は縮まると思います。

というのも、第一印象は、あまりよくなくても、実は親切な人はいますし、その逆に、第一印象は感じの良さそうな人だったのに、実はそうではなかったと気付くこともあります。

2~3回会えば、この先も付き合いたい人かどうか、だいたいわかるようになります。

「この人、素敵だな」と思う人に出会いたければ、まずは、とにかく多くの人に会ってみる。よい人付き合い・人間関係の構築は、その先にきっとあると思います。

 

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筆者紹介

坂本光司

アタックスグループ 顧問
経営学者・元法政大学大学院教授・人を大切にする経営学会会長 坂本 光司(さかもとこうじ)
1947年 静岡県生まれ。静岡文化芸術大学文化政策学部・同大学院教授、法政大学大学院政策創造研究科教授、法政大学大学院静岡サテライトキャンパス長等を歴任。ほかに、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞審査委員長等、国・県・市町村の公務も多数務める。専門は、中小企業経営論、地域経済論、地域産業論。これまでに8,000社以上の企業等を訪問し、調査・アドバイスを行う。

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