デフレ突入の中国経済、どうする日本企業?

経営

中国経済が苦しんでいます。

7月17日に国家統計局から発表された上半期の実質GDP成長率は5.5%と、最低限の成長率目標をクリアする程度となりました。

第一四半期(1~3月)は4.5%成長、第二四半期(4~6月)は6.3%で第二四半期が改善したように見えますが、これは前年の4~5月は上海ロックダウンが行われるなどした影響で、経済が大幅に低迷したことが要因です。

前年にロックダウンがなければ、第二四半期の成長率はもっと低迷していたと考えられます。

中国経済不振の要因

不振の要因は何といっても不動産セクターにあります。

中指研究院が7月31日に発表した不動産業界トップ100企業の1~7月の販売額は、前年比で▲4.6%となっており微減のように思えますが、7月単月では▲34.1%、6月単月では▲29.4%で、前年の上海ロックダウンで低迷した反動で計算上、微減で済んでいるように見えるというのが実情です。

中国政府は、買替税制優遇などで個人の不動産購入を刺激してみたり、金融機関に対して不動産セクターへの融資を増やすように要求したりと、様々な手を打っていますが、今のところは、あまり効果が出ていません。

低迷が続く中国経済

物価

また、物価も下落しています。

国家統計局が7月10日に発表した6月の消費者物価指数は前年比0%となり、物価上昇が止まりました。

4月は+0.1%、5月は0.2%でしたから、この3ヵ月、物価はほとんど上がっていません。

工業出荷価格

工業出荷価格は下落が続いています。

前年比では昨年9月からマイナス(9月は▲0.1%)に転じ、以降、今年6月までマイナスが続いています。6月は▲5.4%と大幅に下落しました。

販売数量が同じであれば、出荷価格の下落は売上高の減少につながりますので、企業業績に悪影響を与えます。

雇用、消費

給与は上げにくく、雇用を増やしにくい環境になりつつあります。

消費は前年比プラスではありますが、前年に上海ロックダウンがあった4月こそ+18.4%と高成長になりましたが、5月は12.7%、6月は3.1%と急降下しています。

固定資産投資

頼みの固定資産投資(農業部門を除く)も、1~4月は4.7%、1~5月は4.0%、1~6月は3.8%で推移しており、毎月、減速しています。

固定資産投資の内訳をみると、国有企業の投資は1~6月で+8.1%と高い伸びとなっていますが、民間は▲0.2%でマイナスになっています。

もともと、国有企業の存在が大きい経済ではありましたが、さらにその傾向が強まっています。

一般に国有企業は生産性が低いと言われていますので、これら投資が十分に回収できず、経済に悪影響を与えるのではないかと危惧されています。

デフレ経済に直面する中国

これらのことから、多くの専門家が、中国経済はデフレ経済に突入したと判断しています。

バブル崩壊後の日本のような状態です。

高齢化率も先進国の水準にじりじりと近づいていますので、これまでのような驚異的な消費拡大は期待できない環境になっています。

成長が止まれば、ゼロサムゲームになり、企業間の競争が激化することが予想されます。

価格競争になれば、デフレに拍車がかかり、経済規模がさらに縮小する悪循環に突入する可能性があります。

デフレ下でも業績を拡大させる企業とは

もちろん、マクロ経済が悪いからと言って、すべての企業の業績が低迷するわけではありません。

デフレ下の日本においても、業績を伸ばし、成長した企業は多くあります。

このため、デフレ下の中国でも自社を取り巻く環境をしっかりと分析し、経営戦略を見直すことで、ビジネスチャンスをつかみ収益拡大につなげることは可能だと思われます。

ローカル企業の技術水準が向上したことで、競争相手も増えています。

反スパイ法など政治的なリスクも以前よりは高くなっています。

これまでの経営戦略を見直して、中国でビジネスを続けるかどうかの判断を迫られる時期に来ていると思われます。

アタックス海外サポート室では、中国マクロ経済の動向解説などを経営戦略の見直しのご支援をしています。是非、お声がけください。

筆者紹介

株式会社アタックス 執行役員 海外サポート室 室長 諸戸 和晃
ミサワホーム勤務を経てアタックス入社。株式公開、企業再生、M&A支援等のコンサルティング業務に従事。2011年より2年間北京赴任。赴任中は北京中央財経大学への語学留学、中国系会計事務所「中税咨询集团」(北京)で業務。帰国後、海外サポート室の室長として、中堅中小企業の海外進出に関する支援業務に注力している。
諸戸和晃の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました