中小企業のための戦略論~「社員が頑張れば利益がでる戦略」を磨こう!

経営

先日、アタックス社長塾の一流社長との徹底対話編に、昨年に引き続き、株式会社日本レーザーの近藤宣之社長を招聘しました。近藤社長の講演は毎回、まさに箴言とも言える多くの「なるほど!」を頂けます。

今回もまた、「『社員が頑張れば利益をあげられる戦略とビジネスモデルの構築』は社長の仕事」というメッセージが私の頭に深く残りました。戦略コンサルタントになって以来ずっと、次の問題意識を持ち続けているからです。「戦略論を勉強しただけでは、『勝てる戦略やビジネスモデル』は構築できない」と。

そこで、今回は「勝てる戦略発想の基本技術」に関して、考えてみたいと思います。これまでの戦略コンサルティングの経験知を、私なりに整理、凝縮した戦略発想の3つの基本技術をご紹介します。

1.戦略の「自分なりの定義」をしっかり持って議論しよう!
2.戦略の「2つの本質」を見失わないようにしよう!
3.戦略構築力を鍛えるための「3つのコツ」を習慣化しよう!

先ず、1番目の基本技術は、「戦略」という言葉の意味が曖昧なまま、戦略構築の議論をしない!ということです。中期経営計画の中で、何となく「戦略」という言葉を使っているケースが結構多いものです。

私は、次のように「戦略」を定義して使っています。「戦略とは世の中の流れ・顧客の変化を把握し、自社の強みを活かしながら、競合に対する差別化優位を持続するための統合されたアクション群のこと」

この短い文章の中に戦略が満たさなければならない重要な4つのポイントがしっかりと示されているので、私は上記の定義を採用しています。

(1)3つのC:
ご存知の人も多いと思いますが、戦略は、Customer(顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)を総合的に捉えて立てなければならないということです。

(2)流行:
戦略とは「流行」であり、言葉を変えれば、戦略には「賞味期限」があるということです。

(3)自社が主語になる:
戦略には自社の「個性」が出ていなくてはならないということです。

(4)差別化優位の持続:
一時的ではなく、中・長期にわたって差別化が持続するような計画を立てなければならないということです。

次に、2番目の基本技術ですが、「2つの本質」とは、「資源配分」と「差別化」のことです。つまり、どこに集中的に「資源配分」して、いかに競合と「差別化」するかをギリギリまで詰め切ろう!ということです。競合と同等レベルの商品・サービスであれば、遅かれ早かれ、価格競争に陥り、ジリ貧になる可能性は高いと言えます。

(1)「差別化」が利益を生む
(2)戦略とは「資源配分」である

3番目の基本技術で述べた、習慣化すべき「3つのコツ」は、次の通りです。

(1)何でも「因数分解=マップ化」して考えよう!:
課題、事象の全体像を捉えた上で、縦・横・斜め・上下・あらゆる切り口から切り刻んでみよう!ということです。

(2)「何かヘン?」の直観力を磨こう!:
特異点を見る眼、矛盾点をかぎ分ける鼻、違和感を感じる心、常識を疑う心を持とう!ということです。

(3)自分の考え・仮説に「なぜ?」を3回繰り返そう!:
仮説や答えをより強固なものにするために、一旦、自分を他人化して、自分の考えを自分で叩く能力を身に付けよう!ということです。

多くの企業は、これまでの勝ちパターンが全く通用しなくなり、長期安定利益経営のためには、「勝てる新しい戦略とビジネスモデル」を再構築する必要に迫られています。あなたとあなたのチームが「社員が頑張れば利益をあげられる戦略とビジネスモデル」を構築し続けるために、是非、今日から本気で「戦略発想の基本技術」を磨きつづけていただきたいと思います。

アタックスグループでは、社員が頑張れば利益をあげられる戦略とビジネスモデルを構築するための中長期成長戦略計画の立案・運用支援プログラムを提案しています。
【中期経営計画策定・運用支援】ご検討頂ければ幸いです。

筆者紹介

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アタックスグループ アタックス社長塾 主席コンサルタント 西公通
1992年 一橋大学卒。IBMビジネスコンサルティングサービス、国内外戦略系コンサルティング会社にて成長戦略、企業変革、新規事業開発支援、博報堂ブランドコンサルティングにてブランド戦略に従事。アタックス参画後は、中堅中小企業の経営サイクル改善、事業利益モデル改革支援業務の他、現在は、アタックス社長塾プロデューサーとして活躍中。
西公通の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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