税務調査~知らなかったでは済まされない重加算税の賦課基準

税務調査で申告内容に誤りが発見された時は、修正申告(もしくは更正)を行うこととなります。 この修正申告の結果、税金が増える場合は、加えて過少申告加算税(10%)もしくは重加算税(35%)が賦課されます。

特に重加算税が賦課されることとなった場合、調査官から「悪質だ」と言わんばかりに指摘されることがあり、会社側が「真面目に申告していたはずなのに」と憤慨する場面がしばしば見受けられます。

しかし、重加算税は、「悪質」という理由では賦課されません。調査官が非違事項に仮装又は隠ぺいの事実があると判断した場合に賦課されます。

仮装とは「かりにある姿を装うこと」であり、隠ぺいとは「おおい隠すこと」(「新小辞林」三省堂編修所)です。両方とも意識して行う行為であり、これらには故意が内在していることは明白です。

しかし、重加算税は、調査官が客観的な事実に基づいて仮装や隠ぺいと判断すれば賦課しうるもので、故意の立証までは必要ないのです。

ここに納税者と調査官との認識のギャップが生じます。

納税者は認識の間違いや単純なミスであった処理が、重加算税だと言われると、「何故?」という疑問が起こります。

そもそもの意味からすると、仮装や隠ぺいは故意でなければ起こりえないはずです。にも関わらず、その立証が必要でないとすると、単なる間違いとの違いを区別することが非常に難しくなります。

例えば、在庫の棚卸の金額1000万円を一桁間違えて100万円と記載し申告したとします。

会社側は単なる間違いだと主張したとしても、調査官が在庫表の金額を改ざんしたと判断したのであれば、仮装・隠ぺいを行ったと見なされ、重加算税が賦課されることとなります。

調査官が故意の立証をする必要がない以上、故意でないことを立証するのは納税者側となりますが、単なる間違いであることの証明は相当粘り強く説明しないと納得は得られません。

例えば、調査官は、調査を通じ納税者側の真面目な態度や姿勢が感じられれば、良い心証を持ち、仮装・隠ぺいを疑うことも少なくなります。

このように、税務調査では、税法の理解ばかりでなく、調査の進め方やポイントを押さえた対応の仕方が重要であり、このことがひいては会社の利益につながります。

弊社でも、調査対応の上手な対応の仕方のセミナーを行っております。ご興味があれば是非ご参加ください。

筆者紹介

アタックス税理士法人 代表社員COO 税理士 愛知 吉隆
1962年生まれ。中堅中小企業から上場企業に至るまで、約800社の税務顧問先の業務執行責任者として、税務対応のみならず、事業承継や後継者支援、企業の成長支援等の課題や社長の悩みに積極的に携わっている。
愛知吉隆の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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