会社は戦う土俵で決まる!~競争力強化と高付加価値は両立するか?

最近の経済動向について、新聞記事を読むと、「今年4-6月の経常利益24%増」や「機械受注7年ぶり高水準」など、景気が上向きである状況が報道されており、消費に関しては、「出張族ホテルがない!」というように、これまたインバウンド景気も含めて経済活動が活性化している状況を伝えています。

恐らく、地域や会社個々に見れば好不調はあるものの、全体の景気はまずまずの状態で推移していると考えるのが妥当だと思います。

では、この景気はいつまで続くのか?
と心配が先に立つ経営者もおられると思いますが、現在のこの良い状況の時に、ぜひ取り組んでいただきたいことがあります。

それは、「競争力を高めながら高付加価値を目指す」取り組みです。

冷静に考えれば、付加価値率を上げるとライバルに比べて競争力が落ちるのが普通です。 また、発注先からみれば、少しでも安くしてもらいたいので、その点からも競争力は低下するでしょう。

そうなのです。
経営は「二律背反」ですから、高い競争力と高付加価値率は両立しません。

普通に考えれば、競争力を高めるなら安く売る(付加価値率を低く設定する)、ということに落ち着き、なかなか業績を改善できないという結論になってしまいます。

では、競争力を考えるときに、ライバルと同じ土俵で戦う競争力であれば、競争力=安売りになるかもしれませんが、違う土俵で戦うと考えたらどうでしょうか?

こういう話題で、いつも事例に上がるのが東京町田の「でんかのヤマグチ」です。
ヤマダ電機と同じ家電の販売店です。

業界の雄であるヤマダ電機も赤字に陥るほど大変な業界ですが、でんかのヤマグチは、業界平均の付加価値率が25%程度に対し、約38%をたたき出しています。

扱っているものは同じ家電なのです。
同じものを売って高付加価値を維持できる(競争力がある)のは、他の家電量販店と戦う土俵が違うからです。

でんかのヤマグチは、価格コムを見て買いに来る人は対象にしていません。
自分で電球を交換できないとかテレビのリモコン操作を忘れてしまうといったお年寄りが大切なお客様で、その人たちが困ったことがあったらすぐに駆けつけます。

そうすることで、高くてもでんかのヤマグチで購入するという大切なお客様になるのです。これが土俵の違いです。

では、二律背反を戦う土俵を変えることで解決するためには何が必要でしょうか?

それは「トレードオフ」だと考えます。
正しくはトレードオフを解消する取組をおこなうことで、やることとやらないこと、お客様とお客様ではない人を徹底的に選別することです。

先ほどのでんかのヤマグチでは、高い付加価値率を得ることと、同業者に打ち勝つ競争力をもつことはトレードオフの関係にありますが、顧客を限定し、その顧客に徹底的に寄り添うことでトレードオフを解決しています。

そのかわり、同業者がやっているような全国展開はしません。
規模拡大もトレードオフの関係だからです。

以上のように、非常に難しいことではありますが、競争力強化と高付加価値という、一見両立しない(二律背反)ことを、トレードオフ解消によって両立させるという取り組みをしていただくことをお勧めしたいと思います。

現在のように、景気感が良く社員の皆さんのお気持ちに余裕があるときに取り組まれることをお勧めします。

また、画期的なやり方を開発するなどではなくても、生産工程を徹底的に工夫することによって納品までの日数を30%短縮し、取引先に好評価を得たとか、不良等が激減したなどは、必ず競争力強化と高付加価値の両立に繋がることです。

今のやり方をすべて見直し、自社の得意分野に焦点を当てれば、必ず道が開けると思います。

将来の目標(経営目標)を持ち、その達成に向けて全社で取り組むことが大切です。ぜひ、業績が順調な時に、経営者自らが先頭にお立ちになり、新しい取り組みを始めてください。

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筆者紹介

株式会社アタックス戦略会計社 代表取締役会長 片岡 正輝
1952年生まれ。アタックス税理士法人の前身である公認会計士今井冨夫事務所に入社。現在は、アタックスグループの統括マネージャーとして、広範囲な知識と豊かな経験という両輪を武器に、経営・財務・会計業務を中心に計画経営の推進、経営再構築、事業承継等のコンサルティング業務に従事、経営者の参謀役として絶大なる信頼を得ている。
片岡正輝の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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