労働人口減少時代の「IT戦略投資」はこう考える!

会計

中長期経営計画を策定するにあたり、今後の国内の人口縮小による自社の労働力の減少を、計画に織り込まざるを得ない企業が多くなってきています。

その反面、中長期的には安定的な経営基盤の確立を前提に、売上高が増加していく計画を策定することが一般的です。

従って、今後の労働力の減少を考慮すれば、売上高の増加に対して従業員数の増加を正比例的に行うことはできず、従業員数の増加を抑制せざるを得ないこととなります。

この対策として、一部の業務をIT化することによって生産性の向上を図る企業が多くなってきています。

IT投資を、なるべく節約すべきものとしてとらえるのではなく、戦略経費(企業の未来を考え、将来へ向けて利益を確保するために今かけるべき経費)として位置づけ、一般的な目安として売上高の1%程度、といわれている投資額の積極的な増額を検討する企業が増えてきているのです。

この数年間のIT技術の著しい向上により、省力化・業務コスト削減の手段が広がってきています。

クラウド型の財務会計ソフト導入により、経費処理業務などの自動化が進んできていることや、請求書の電子化による郵送業務の削減等、事務作業の効率化が著しく進んでいることなどはその一例でしょう。

ところで、IT投資によって解決すべき中長期的な経営課題は、業務プロセスの効率化を通じてコストダウンにつながる守りの投資のみではありません。

「いま、自社のビジネスはどのような状況にあるのか、更なる成長のために今どんなアクションが必要なのか」
を明確にするために必要な、迅速な業績把握、情報把握の仕組み作りへの投資も多くなってきています。

これにより、リアルタイム経営を実現し、営業力を強化して、攻めの経営を進めようというものです。

このリアルタイム経営の実現に利用される統合基幹業務システムであるERP(※)は、近年クラウド型ERPの登場により、今後も品揃えは増加する傾向にあります。

企業は、「ヒト」を最大の資源として成り立っていますが、今後の人材不足を補うため、また、積極的な攻めの経営を展開するために、「IT」への投資は非常に重要なものです。

そして、「IT」と「ヒト」をうまく組み合わせた将来の組織図を明確にすることが、中長期経営計画の目標達成における必須条件となるのです。

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※ERP(Enterprise Resource Planning=経営資源の統合管理)

筆者紹介

株式会社アタックス・ビジネス・コンサルティング 取締役 錦見 直樹
1987年 富山大学卒。月次決算制度を中心とした業績管理制度の構築や経理に関する業務改善指導を中心としたコンサルティング業務に従事。グループ7社を有す中小企業の経理・経営企画部門出向中に培った豊富な経理実務経験を武器に、経営者、経理責任者の参謀役として活躍中。
錦見直樹の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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