自立支援型デイサービスのモデル【199号】

自立支援型デイサービスのモデル【199号】

新大阪駅からJR京都線に乗り、尼崎駅で下車、そこから、JR宝塚線に乗り替え宝塚駅に下車、さらにタクシーで5分ほど走った場所に、株式会社ポラリスという社名の、福祉ビジネスを展開する企業がある。

主事業は、通所介護事業と居宅介護事業であるが、関連施設として、クリニックも経営している。

ポラリスの設立は、今から19年前の2002年と比較的若い企業であるが、スタート以来、社会と市場の他界評価を受け、現在ではスタッフ数は520名、サービス拠点も全国各地に70ヶ所以上と成長発展している。

統計によると、現在、介護・看護事業を行う企業は、「訪問介護」が35,000事業所、「通所介護」が24,000事業所、「訪問看護ステーション」が12,000事業所等、全国に約78,000事業所存在しているが、ポラリスの事業運営は特長的である。

同社の最大の特長は、リハビリテーション、とりわけ「立って歩かせるリハビリ」に特化した「自立支援型デイサービス」である。その意味・内容は、同社のホームページを見るとよくわかる。

「ポラリスでは手厚い介護を提供しません。それは、人にとっての幸せが、自由に歩ける日々の中に、あることを知っているからです。もう一度、自分の足で歩けるようになることを目的とした、新しい形のデイサービスです」とある。

一般的に、デイサービスはというと、来てから帰るまで、至れり尽くせりのサービスを提供し、とにかく「一日を楽しく過ごしていただく」ことに力点を置いた施設が多い。しかしながら、ポラリスでは、そうではなく「自分の足でしっかりと歩く」ことを目的としているのである。

そしてさらに、興味深い点は、ホームページに「このような方におすすめ」とある。

  • 「元気になることをあきらめてしまっている方」
  • 「現在、ご自宅でほぼ寝たきりの方」
  • 「普段の移動に車いすを利用されている方」
  • 「脳梗塞後の後遺症が残っていて生活に支障のある方」
  • 「リハビリはしているが効果が感じられない方」

つまり、要介護度が高い方を歓迎しているのである。いやはや驚きである。

先般、機会があって、社会人大学院生たち数名と宝塚の本部を訪問させていただき、詳しくお話を伺うことができた。

ちなみに、創業社長である森剛士さんは、元は脳外科医であったが、大好きな祖母が、脳梗塞で倒れ、祖母の治療と看病のため、あえて、リハビリテーション治療も深く研究したというユニークなドクターである。

祖母の治療と介護をしながら、当時はなかった自立支援型のデイサービスの必要性を強く感じ、患者さんと家族の幸せのため、準備を重ねポラリスをオープンしたのである。

訪問した当日は、ポラリスの「パワーリハビリテーション」や「Pウォーク」と呼ばれるリハビリテーション機器の並んだ施設や、そこで自立のためのリハビリに励む人々の訓練の様子を見させていただいた。

また事務所では、森先生から「水分摂取1日1500㏄」「栄養量の確保」そして「運動」等、「ポラリスの基本メソド」についてのお話を伺うとともに、ポラリスで画期的に自立ができた10数名のビフォー・アフターのビデオも見せていただいた。

一人の高齢の男性は、寝返りも打つことができなかった身体で通所がスタートしたが、厳しい自立のための「基本メソド」とリハビリに取り組み、6ヶ月後には歩いている姿であった。本人もさることながら、長い間、大変な思いをされてきた家族の喜びを思い、私たちも涙した。

ともあれ、ポラリスに通所することにより、多くの通所者の要介護度が劇的に下がっているばかりか、介護不要になった人々も多いという。詳細は、ホームページや自分で視察して欲しいと思う。

 

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