ポストコロナの時代の経営学【196号】

ポストコロナの時代の経営学【196号】

企業経営で最も大切かつ重要なこととは、社員とその家族をはじめとする5人の命と生活を守ることであり、また彼ら彼女らが、組織に所属する喜びや安心を実感するような経営をすることである。

新型コロナウイルス感染拡大など、今日の危機を、どう乗り切るかを検討することも重要であるが、より重要なことは、ポスト「コロナ」の時代の経営である。

というのは、その企業経営のあり方・経営の仕方や、私たち自身のあり方・生き方は、企業や私たちが、好むと好まざるとにかかわらず、今後、大幅に変えざるを得ないと思われるからである。

こうした状況下にあっても、企業は5人の命と生活を守らなければならないし、社員一人ひとりも、社会や企業にとって必要な人財でなければならないのである。

だからこそ、有事が起きることを前提にした、また起きても耐えられる企業経営へのシフトが必要となっているのである。

その基本的方向・方策は、これまで、わが国経済を牽引してきた著名な大企業をはじめ、多くの企業が実施してきた伝統的な経営の考え方・進め方ではないと思われる。

つまり、「経済重視」「企業重視」「成長重視」「業績重視」「損得重視」「勝ち負け重視」「ランキング重視」「シェア重視」さらには「効果・効率重視」等といった経済や企業の側面・価値を、ことさら重視したような経営ではない。

これからの時代、そんなことよりもはるかに重視・大切にすべきことは、「命重視」「家庭・家族重視」「人重視」「生活重視」「善悪重視」「バランス重視」「社会重視」さらには「幸せ重視」等といった人や家族の命や幸せという側面・価値を、ことさら重視する経営である。

全ての企業とはいわないが、大企業・中小企業を問わず、多くの企業には、これまで少なからず企業経営に関し、おごり高ぶりがあった、と言っても過言ではない。

つまり、まるで「企業があって社会がある」とか「企業があって社員がいる」とか「企業があって顧客がある」とか「経済があって人の命や生活がある」といった意識での経営である。

どう考えても、そうした見方・考え方は、間違っている。筆者は良く「異常が長く続くと、異常があたかも正常に見える」とか「異常と比較すると正常があたかも異常に見える」と、話すが、まさに企業経営でも同じようなことが言える。

つまり、どう考えても、原理原則は「社会があって企業がある」「社員があって企業がある」「顧客があって企業がある」そして「人の命や生活があって経済がある」のである。

事実、これまで幾多の危機の中にあって、慌てふためくことなく、時代を行き抜いてきた価値ある企業は、決して目立たないが、常に自らを律し、そうした経営を愚直一途に実施してきたからに他ならない。

 

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