青葉仁会~これこそ社会福祉法人のモデル【第153回】

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青葉仁会~これこそ社会福祉法人のモデル【第153回】

奈良駅から車で30分ほど走った田園風景の見える奈良市の郊外に、「青葉仁会」という社会福祉法人の数多くの拠点がある。現在の「青葉仁会」が、任意の社会福祉活動団体としての事業のスタートは1980年であるが、社会福祉法人となったのは、今から27年前の1990年である。

設立の目的は、就労を希望する障がい者の自立支援である。自立のためには「働く場・生活の場・楽しむ場」という3つの場が必要と考え、順次事業の拡大をしている。現在の主事業は「レストラン事業」「食品加工事業」「木工事業」「石けん製造事業」「お茶やお米などの農業事業」そして「民宿運営事業」「生活支援事業」等、実に多彩である。

創業のきっかけは、現理事長である榊原典俊氏らの前職に大いに関係している。榊原氏たちは、この団体を立ち上げる前までは、特別支援学校の教員であった。想像を絶するが、教員として最もつらい時期は高等部の3年を送る毎年3月だったという。本来3月は卒業シーズンであり、辛いどころか、おめでたい月でもある。

一般的には高等学校を卒業し、就職する生徒は、当然のことながら、一般企業に就職する。しかしながら、特別支援学校や支援学級の高等部を卒業する生徒の中で、一般企業に就職できるのは正直少ない。卒業後、大半は就職ではなく作業所とか授産所といわれる就労支援施設や自宅で一日を過ごしている。

榊原氏たちが、この団体・法人を立ち上げたのは、卒業後の受け皿を用意することで、卒業する生徒達に卒業時「おめでとう」と送り出してあげたかったからである。

ある年の4月の平日、たまたま代休で、榊原氏が趣味のサイクリングに出かけると、お弁当らしきものが入った紙袋を持った3月に卒業したばかりの若者が道路を歩いていた。最初、施設に行く途中と思い、そのまま通り過ぎたが、1時間ほどして、また同じ道路を通ると、その若者が相変わらずテクテク歩いていた。

榊原氏は、放っておけず、自転車を降り、声をかけると、若者は「行く当てもなく毎日毎日、母親が作ってくれたお弁当を持って、この道を朝から夕方まで歩いている」という。そして「どうしても施設の仕事になじめない・与えられた仕事が好きになれない…、お母さんは自分が毎日、施設に行っていると思っている…」と話したという。

このことがきっかけで、榊原氏たち特別支援学校の先生方は、企業で雇ってくれないなら、自分たちで卒業生の受け皿としての職場を創ることを決意したという。

周到な準備と、懸命な努力が実り、現在では障がいのある人も含め、正職員数は100名、非正規の職員数は150名、計250名の職員を雇用する他、職員の見習いともいえる利用者も常に300名を数え奈良県内でも最大級の社会福祉法人にまで成長発展している。

そればかりか、近年では、関係者からの強い要請を受け、地域の耕作放棄地の再生にも乗り出し、地域になくてはならない機関として高い評価を受けている。

 

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