真京精機~障がい者雇用のための知恵を絞る【第150回】

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真京精機~障がい者雇用のための知恵を絞る【第150回】

栃木県真岡市に有限会社真京精機という社名の中小企業がある。主事業はアルミ材の自動車部品や冷却部品の精密加工で、社員数は約40名である。

驚くべきは、社員40名のうち15名は障がいのある社員、内4名は重度障がいのある社員である。障がい者雇用率は、重度障がい者を雇用している場合には、ダブルカウントをするので、当社の雇用率はなんと47.5%となる。

現在わが国の常用雇用50名以上企業に課せられた「障がい者法定雇用率」は、2.0%であるのに対し、現実は1.9%に過ぎないことを考えると、法的義務のない社員数40名の当社が、47.5%というのは傾注に値する。

当社の障がい者雇用をするきっかけは、約40年前の創業時、創業者(前社長)が、知人から採用を依頼された人が、たまたま障がい者であったからである。その後も、依頼されるたび2人、3人、4人と増加していくが、現在のような多数雇用企業になったのは2000年前後である。

多数雇用のきっかけは、当時のメインの取引先が、当社に発注していた自動車部品の生産を海外に移管してしまったため、仕事量が半分に減少してしまった時である。武田社長(当時は専務)は、当時約50名在籍していた全社員一人ひとりと雇用の継続等について相談すると、多くの健常者の社員は「自分たちは他社でも働けるから、他社では働くことが難しい女性や高齢者、そして障がいのある社員を継続雇用してあげてください…。自分たちは再び景気が良くなったら戻ってきますから…」といったそうだ。

武田さんは、その言葉に甘え、残った社員である女性・高齢者・障がい者の生産性向上無くして会社の未来はないと思い、そのためには、会社の都合や機械の都合ではなく、これら社員一人ひとりの都合に合せ、会社の経営はもとより、仕事の工夫や機械設備の改善・改良をしていったのである。

先日、当社を訪問し、工場の隅から隅まで案内していただいたが、正直驚いた。というのは、高度機械であるマシニングセンターやNC機械により、アルミ材の精密部品の機械加工を行っていたのは、大半が障がいのある社員だったからである。

それら機械をよく見ると、障がいのある社員が作業をしやすいように、改善・改良が加えられ、しかも万が一の場合でも、大けがをさせないため、独特の安全装置も施されていた。より驚かされたのは、これら機械設備の大半は、当社の健常者の社員が、仲間である障がいのある社員が作業しやすいように知恵を凝らし改善・改良をするとともに、一人ひとりに手とり足とりのOJTを行い育てたのである。

当社の現実を直視すると、障がい者雇用に熱心に取り組まない企業の雇用しない理由は誤解・錯覚・甘えと思えてならない。

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