ホワイトローズ~創業1723年の小さな傘メーカー【第147回】

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ホワイトローズ~創業1723年の小さな傘メーカー【第147回】

JR上野駅から車で6分ほど走った、裏通りの一角に、看板が無ければ通り過ぎてしまいそうな小さな企業がある。ここがホワイトローズの本社である。4坪くらいの事務所の中に入ると、あらゆる場所に多種多様な雨傘が吊り下げられている。

現在の社員数は正社員3名パート社員6名ながら、このホワイトローズこそ、世界で初めてビニール傘を開発した企業である。同社の創業は今から約300年前の1723年、現社長の須藤宰氏は10代目である。

もともとは、布の傘にビニールを張っただけの傘メーカーであったが、その後、苦労に苦労を重ね、先代社長(実父)が現在の原型を開発している。

わが国傘産業は、かつては、世界に輸出していたこともあったが、現在は、実質ゼロどころか、国内販売の99%はアジアの国々からの輸入傘である。

それもそのはず、キヨスク等で販売されているビニール傘の大半は、価格が300円前後という低価格商品であり、こうした商品と競合するような傘を国内で生産していたら、社員や社外社員(仕入先や外注先の社員)の幸せの実現は不可能だからである。

それゆえ、当然とはいえ、当社が生産するビニール傘は、すべて高価格帯の「メイド・イン・ジャパン」「手づくり」の傘である。ちなみに同社の年間生産本数は1000本から1500本、売れ筋価格は1本5千円から1万円である。

生産の90%はオリジナル傘、10%は特注の傘である。特注の傘は、例えば、お寺のお坊さんが身体をすっぽり覆うような大きな傘や、雨天の日、選挙遊説中の候補者などが差している傘である。美智子皇后陛下が雨天の日の行事で使用されている傘も同社製である。

90%のオリジナル傘は多種多様であるが、代表格はブランド名が「縁結(えんゆう)」と呼ばれる8,640円(税抜)のビニール傘である。

ちなみに、筆者もこの傘を購入し持っているが、サイズは一般的な傘より10cmから20cmほど大きいだけでなく、風速30mの風にも耐えられる構造である。その訳はグラスファイバー製の8本の骨のうえに1ヵ所とは言え、穴が開いており、吹き上げてくる風を、その穴から外に逃がしてくれるのである。

こういうと、傘に穴が開いて入れば、上から雨水が流れてくるのでなないか…、と言われそうであるが心配は無用である。というのは、その穴には「逆止弁」が付いており、傘の中の風は通すが、外の雨水は通さないからである。

「ここに来るまで何回、廃業を考えたかわからないが、ようやく手ごたえを感じる毎日です…」と、自信に満ち満ちた顔で社長は話してくれた。

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