ル・クロ~開店以来快進撃のフレンチレストラン【第139回】

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ル・クロ~開店以来快進撃のフレンチレストラン【第139回】

大阪の心斎橋にル・クロと言う店名のフレンチレストランがある。オーナーシェフである黒岩功さんが、本場フランスや国内の一流料理店で修業をし、2000年に大阪御堂筋線の心斎橋駅近くの飲み屋街の奥まった空き店舗を改造し奥さんと二人で創業している。

黒岩さんは幼少の頃、家族が離散する等、家庭的にも経済的にも苦労をするが、たまたま小学校の家庭科の授業でキャベツの切り方がうまいことを先生や他の生徒から褒められ、料理人になることを決意している。

店づくりは、自身の生活体験や修行先での体験を踏まえ、スタッフにとってもお客様にとっても「温もりのあるお店づくり」を肝に銘じた。
例えば、顧客対応については、オープンの時間を過ぎ来店したお客様に対しても「そのお客様が自分の大切な家族ならば…」「そのお客様にとって、今日が人生最後の食事ならば…」と言う思いで、全スタッフが取り組み、食材がある限りお客様を受け入れている。

また、同社ではフレンチレストランに併設し、結婚式場を営業しているが、その人気は今や関西トップクラスである。それもそのはず、披露宴で出される食事や飲み物は、なんと列席者全員が異なるのである。

これは、列席者がル・クロから事前に送られてきた食事や飲み物のメニュー表の中から、自分が好きのモノを思い思いに注文をしているからである。加えて言えば、大皿には列席者一人一人のフルネームがチョコレートを使い書かれている。

余談であるが、筆者は最初、取材で発祥のお店「心斎橋店」で、食事をしたが、お店の雰囲気はもとより、スタッフのきめ細かな心遣いや、洋食器に加え「箸」をあえて置いてあるテーブルをみて、このお店の本物ぶりを理解した。

もとより、こうした究極のサービスが提供できるのも、スタッフ満足度が高いからである。ちなみに飲食業界の雇用形態は、その75%はパート等非正規社員であり、その残業時間も一人当たり60時間を超すお店も多い。

しかしながら、同社は現在40名のスタッフが働いているが、全員が正社員であり、スタッフも多めに配員しているため、残業時間は業界平均の3分の1以下である。

より驚かされるのは、同社の募集するスタッフは原則、新規学卒者であるが、現在働く3分の1の社員は、「もっといいお店があるのではないか…」と思い、いったん退職した言わば出戻り社員と言う。

こうした顧客のも社員にも愛される外食産業の存在を見せつけられると、業界の問題の所在は、節約志向でも外食離れの拡大等ではなく、CSとESに対するトップの強い思いと言わざるを得ない。

 

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