ステップ・ワン~第6次産業で頑張るステップ・ワン【第130回】

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ステップ・ワン~第6次産業で頑張るステップ・ワン【第130回】

富士山のふもと御殿場市に「ステップ・ワン」という社名の法人がある。いわゆる障がい者の就労施設(B型)であり組織形態は社会福祉法人である。ここで就労している障がい者は計52名、内訳は知的障碍者が44名、視覚障がい者を含む身体障碍者が7名等である。52名の中には重複障害のある方が7名いる。

理事長の根上豊子氏は、働きたくても働く場所の無い障がい者に、働く喜び・働く幸せを提供するため、仕事を選ぶことなく様々な事業を行っている。縫製加工事業・木工加工事業・食品加工事業・喫茶店事業・草取りサービス、さらには野菜生産事業等である。

今回はこの中から、当法人が今最も注力し、かつ市場の評価も高い野菜生産事業を紹介する。この事業は当法人が「ゆめ農」と呼んでいる農業ビジネスである。野上理事長は、農業ビジネスに進出した理由を、「もっと障がい者の給料を上げたかったから…」「様々な事業をやってきたが、農業が障がい者にいちばん合っていると思ったから…」という。

この事業は、2012年にスタートした事業で、1,056㎡の空調の入ったビニールハウスでは「リーフレタスクイーン」や「リーフレタスリボン」が、水耕栽培で生産されている。ここで働く障がい者は15名、この他支援するスタッフ9名いる。

障がい者の主な仕事は、水耕栽培のボックスの中に種まき、手入れ、収穫そして、出荷の手伝いである。

気になる販売先であるが、使用されている水が農園を数十メートル掘った富士山の「バナジウム水」かつ無農薬野菜ということもあり、人気が高く地元の「JA御殿場」と食品スーパーである「マックスバリュー東海」が全量買い上げてくれる。

とりわけ「マックスバリュー東海」では、障がい者施設の商品というわけではなく「真においしいものだから、あるだけ持ってきてください…」と頼まれ、今や生産が需要に追い付かない状態という。

ちなみに、まだスタートして3年であるが、「ゆめ農」の昨年度の売上高は、1,050万円にまで高まり、今後とも拡大が見込まれている。

ところで、当法人の野上豊子理事長は、障がい者とは無縁の普通の家庭の主であったが、たまたま頼まれ、特別支援学校に通う生徒の送迎バスにパート職で補助者をしたことが、きっかけという。野上理事長は「障がい者を支援する仕事は自分の天職」と思い、その後、他の施設での勤務を経て、平成18年当法人を設立している。

こうした頑張る社会福祉法人を見ると、「自分たちには、まだ景気のにじみ出し効果が来ていない…」と、まるで「問題は外」といった発言をする株式会社の関係者が散見されるが、「ステップ・ワン」の「障がい者を幸せにしたい…」と念じ、経営革新に取り組む姿勢・努力は大いに学ぶべきである。

 

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