浪紗(ランサ)メリヤス有限公司~進化する世界最大の靴下工場【第128回】

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浪紗(ランサ)メリヤス有限公司~進化する世界最大の靴下工場【第128回】

先般、大学院生らと浙江省の企業調査をしてきた。その1社は「浪紗(ランサ)メリヤス有限公司」という社名の企業である。場所は、杭州国際空港から東に車で1時間半ほど走った世界最大の軽工業品の流通基地のある義烏市の郊外である。

当社の主事業は各種靴下や肌着の生産で、現在の社員数は約8,000人、売上高は日本円で約600億円である。とりわけその生産量が多いのは靴下で、その生産量は年々増加し、現在では約7,000万足、年産では約7億6千万足と、世界最大の規模である。

当社の創業は、今から20年前の1995年、現経営者である翁氏が32歳の時、独立創業している。

翁社長は、当初、肌着の仕入れ小売を主業務にしていたが、生産機能を持たない小売業では、売上高は増加するも利幅が少ないと、創業後数年で生産設備を導入し、製造小売業として再スタートしている。

やがて、靴下とりわけパンストの将来性に着目し、最新鋭の生産設備を積極的に導入するほか、研究開発部門とマーケティング部門の人財確保と育成に注力してきた。

こうした努力の甲斐あって、この20年間で当社が開発販売した商品は数万アイテム、パンストだけでも、その種類は1,000点を超す。ちなみに、靴下専門の社内デザイナーだけでも、その数は数百名という。

より驚くのは、当社の開発力だけではなく、その開発のスピードで、事実、当社の新商品発表会は毎月3回開催されている。

当初は、低価格品・大量生産品が中心であったが、その品質も年々高まり、今や国内でも高級ブランドとして著名である。

そればかりか、販売の約20%を占める輸出先も、欧米のトップブランド企業へのOEM生産とカルフール等への販売で、OEM先は年々増加し、今や76社を数える。

こうした中国の元気印の企業の存在を知ると、「問題は外部環境の悪化…」と元気を失っている、多くのわが国企業のなお一層の経営革新努力が強く望まれる。

もとよりその基本方向は、これら企業との真正面からの価格競争や規模拡大競争等ではなく、これら企業では到底できない・やれない非価格競争力をセールスポイントとする経営であることは言うまでもない。

それもそのはず、当社の社員の給料であるが、現場のワーカーが平均し7万円程度、デザイナーは、平均しその倍の12万円程度であり、わが国ワーカーの月給の約30万円、デザイナーの約40万円~50万円を依然はるか下回っているからである。

 

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