びわこホーム~歩合制を廃止した住宅メーカー【第126回】

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びわこホーム~歩合制を廃止した住宅メーカー【第126回】

営業マンの歩合制が常識な業界にあって、それを廃止したハウスメーカーがある。しかも廃止前まではブレまくっていた業績が、廃止後は安定的に高いのである。

その企業は滋賀県甲賀市に本社を持つ「びわこホーム」という社名の小さなハウスメーカーである。設立は1990年、現会長である上田裕康氏が、営業マンとして勤務していたハウスメーカーを退職しスタートしている。現在の社員数は30名、売上高は約16億円である。

歩合給を全面的に廃止したのは、今から8年ほど前であるが、その後の業績推移をみると業績が下がるどころか、すこぶる好調で、大手ハウスメーカーがひしめく地域にあって、既に11年連続新設着工件数がナンバーワン企業である。そればかりか、その利益率も平均的に7%前後を持続している好業績企業である。

とはいえ、当社とて創業当初は業績と給与が連動する明確な歩合制を導入していた。そればかりか、創業者である上田会長自身がハウスメーカーのトップセールスマンとして働いていたこともあり、「みんな仲良くなんてとんでもない…、営業マンは全面的な歩合制が正しい…」。つまり、「一に売上、二に売上」を掲げた経営に邁進していた。

しかしながら、こうした経営は、社員個人の売上げを高めることを至上主義にした社員や、その目的達成のためには手段はどうでもいいといった社員を増大させ、気が付けば、会社の中は温もりが消え失せ、逆にギスギス感が次第に蔓延していった。また売上を高めることのできなかった社員ばかりか、売上を高めた社員までもが疲れ果てたようにの離職をしていったのである。

さらには、売上げを優先するあまり、新築後のアフターサービス等、金額のはらない仕事は次第に疎かにし、新築したお客様からのクレームが相次ぐ、といった本末転倒の経営になっていった。

当時、一時は資金不足で倒産の危機もあったという。こうした中、現社長である高木光江さんが見かね、資金援助をするとともに、「皆が幸せを感じるいい会社を創ろう…」と進言する。

上田社長(当時)も「自分が家族のいる社員だったらこんな経営をしている会社で幸せを実感できるであろうか、お客様に親切丁寧をしようと思うだろうか…」と大いに反省し、それを契機に歩合制を廃止し、全員参加の大家族的経営に舵を切ったのである。

それと同時に、社員満足度を高め、社員の一体感を高めるうえにおいて考えられるあらゆる経営を次々に実行していったのである。この結果、会社は大きく変化していく。

全社員の目線は自分目線・業績目線からお客様目線・仲間目線で仕事に取り組んでいったばかりか、これまで見られたセクショナリズムもなくなり、部門間での助け合いが高まっていった。そして、それまでの高い離職率もこれを境に年々低下していったのである。

そして今や、業界のベンチマーク企業として高い評価を受けている。歩合制こそがと考えている多くのリーダーに一考を促す好事例である。

 

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