さくら住宅~営業しない住宅リフォームメーカー【第111回】

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さくら住宅~営業しない住宅リフォームメーカー【第111回】

大船駅から車で15分位走った住宅街の一角に「さくら住宅」という社名の従業員数45名の企業がある。主事業は障子張り・畳替え・水回り工事・内装・電球替えといった住宅のリフォームが専門である。

設立は今から16年前の1997年、現在の社長である二宮さんが脱サラし、自宅近くでスタートしている。脱サラの理由は経営者になりたかったのでは決してなく、それまで勤務していた企業の経営者の公私混同や社員の扱い等があまりにひどく、理想の企業を自分が作り、成功させることで、その間違いを証明したかったからという。

その結果としての業績はというと、創業1年度目を除き、15年連続黒字経営を続けている。そればかりか、業界の80%以上が赤字経営を余儀なくされている中、当社は、15年間売上高経常利益率は5%前後以上、賞与も年間4回も出し、まさに不況知らずの快進撃企業となった。

当社がこの間、見事な快進撃を続けてきた要因は多々あるが、ここでは、3点に絞り述べる。第1点は、二宮さんが前職での経験を踏まえ、公私混同を徹底的に排除し、全員参加経営・大家族的経営を貫いてきた点である。ちなみに、当社の社員は全員が株主、しかも二宮社長の持ち分比率はわずか20%程度である。また業界にありがちな成果主義をとらず、あえて言えば年功序列型賃金体系である。

第2点は設立当初から無理をせず「奉仕を先に利を後に…」をモットーとした小口工事を大切にした営業方針で、他社との差別化を図ってきた点である。ちなみに、当社の工事の65%はなんと50万円以下の工事で数千円の工事もザラにあるという。こうした経営姿勢が次第に顧客の支持を集めていき、今や当社の工事の大半は、口コミや顧客の紹介で、当社の営業マンは、飛び込み営業などは一切しないという。

第3点は、当社は、創業以来、好不況にかかわらず、地域貢献に熱心に取り組んでいる点である。当社は中心市街地から閑静な住宅街に本社があるということもあり、その周辺には喫茶店などの施設が一軒もない。逆に本社の近くには、障がい者の就労移行支援施設や生活施設がある。

こうした立地環境を踏まえ、当社はあえて地域住民の交流サロン「さくらラウンジ」を開設し、地域住民に無償でコーヒー等を提供している。そればかりか、障がい者施設で作られたパン等を意識的に仕入れ、ラウンジで販売協力をしている。ちなみに筆者が当社を訪問した折、近くの障がい者就労施設の子供たちが、できたてのパンをニコニコ顔で「さくらラウンジ」に搬入していた。筆者がそのパンを大量に購入したのは言うまでもない。

こうした経営を見せつけられると、当社がなぜ好不況にぶれまくる企業とは異なり、ぶれず繁盛しているかよくわかる。

 

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