福祉で頑張る「東電パートナーズ」【第103回】

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福祉で頑張る「東電パートナーズ」【第103回】

東京の江東区に「東電パートナーズ(株)」という社名の福祉サービス業がある。主事業は、高齢者の訪問介護や看護、認知症患者のための共同生活施設(グループホーム)の運営、デイサービス(通所介護)、さらには福祉用具のレンタルや販売等である。

当社の設立は2006年、「東京電力」の子会社としてスタートしている。親会社である「東京電力」は、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」への対処を巡っての、当時の経営陣の一連の言動で、未だ世間の目は厳しい。

しかしながら、「東電パートナーズ」は、そのビジネスもさることながら、この間の社長をはじめとした全スタッフの熱意と努力により、福祉関係者の間ではすこぶる評価が高い。

事実、今やそのサービス拠点は首都圏を中心に約50ケ所、そのスタッフも約1,200名にまで成長発展している。とは言え、設立当初から、高い評価を受けていたわけでは決してない。

当初は、「人材不足」「低賃金」十分な研修が行われておらず、事業所の運営管理にはばらつきがあり、その結果としての「収益悪化」や、「スタッフの大量の離職」等、当業界が共通して抱えている問題を持った普通の福祉サービス業の1社に過ぎなかった。

しかしながら、その後、当社に出向した大西前社長や、現社長である笹尾佳子氏(当時:常務取締役)らの「ESとⅭSを両立させる経営」、「ESなくしてⅭSなし」を目標にした、全社一丸となっての経営革新努力により、現在の評価をもぎ取ったのである。

改革の中心であり、また現社長の笹尾氏は、他社経験を経て、2006年に東京電力に入社したキャリアウーマンであったが、翌年の2007年に自ら志願し、スタートしたばかりの東京電力の新規事業の推進子会社「東電パートナーズ」に出向している。

ちなみに、笹尾氏は大学院でMBAを取得し、中小企業診断士の資格も持つ努力家の経営者である。

ともあれ、笹尾氏らは「上質のサービスの安定的提供なくして顧客に支持されない…」と、サービスの提供者であるスタッフのモチベーションや、組織への帰属意識の高揚、さらには徹底した人材育成と離職率の低下に、まずは注力していった。

具体的には、経営者が誰よりも苦労するとともに、本社経費や管理コストの大幅な縮減を実施し、捻出した資金をスタッフの給与や教育費に回したのである。加えて言えば、経営のガラス張りや、全員参加経営の実施、さらには権限委譲も限りなく行うなどしてスタッフの意識を高める努力をしていったのである。

こうした努力が結実し、今やその離職率は業界平均をはるか下回り、一方、その就業条件は、業界のそれをはるか上回り、結果としての利用者満足度は業界トップクラスにまで高まったのである。

現在、研修や人材育成、職員定着策など、培ったノウハウを生かして、福島県にて介護職員や被災住民への研修等を行い、復興推進にも懸命に取り組んでいる。

その意味では「東電パートナーズ」は、福祉業界はもとより、当の東京電力にとっても「希望の星」ともいえる。

 

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