創裕~頑張る癒し産業【第74回】

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創裕~頑張る癒し産業【第74回】

香川県高松市に「創裕」という社名のサービス産業がある。設立は1993 年12 月、現社長の川北氏が1 人で創業している。

主事業は「創裕」という社名のとおり、ゆとりを創るビジネス、もっとはっきり言えば、温浴事業・外食産業・公共施設に運営そしてボディケアサービス事業等である。

創業者である川北氏は、もともとは地元のJA の職員であったが、現状に満足せず、ゆでガエル現象に陥るのを避けるため、あえて安定した職場を辞め、起業家の道を選んでいる。

現在の事業は、業界では最も後発で、隙間はあまりなかったが、先発企業の経営を徹底的に研究し、差別化経営を考えた。とりわけ重視したことは、サービスの提供者である社員の確保と育成で、このため業界の常識である非正規社員の雇用ではなく多くの社員を正規社員として雇用している。

また、社員のモチベーションを高めるため、経営の超ガラス張りと社員満足度を高める経営に尽力してきた。さらに言えば、とかく周りにイエスマンを配員したがる経営者が多い中、川北氏はあえて、経営者に平気でたてつく「うるさ型」を置いている。

こうした経営姿勢は、次第に社員と顧客の心をしかと捉え、またとかく暴走しがちな経営者を諌める効果をもたらし、初年度こそ赤字経営を余儀なくされたが、2 年度目からは、今日まで増収増益である。ちなみに現在では施設を香川県内だけではなく、福岡県・佐賀県・兵庫県・奈良県にも有し、その社員数は約480 名である。

先日、当社を経済産業局の職員さんたちと、訪問する機会があったが、当社の経営が本物であることが瞬時に理解できた。例えば、会社の入口どころか外まで3S が行き届き、また2 階の事務所には筆者らの名前を書いた「ウエルカムボード」が置かれ、その時、事務所の10 数名のスタッフは、全員がニコニコ顔で立ち上がってくれ、筆者を心から歓迎してくれた。

応接間で川北社長は、「これが私の宝です。この仕事は私が社長である限り続けます…」

と分厚いファイルを持参し、私に見せてくれた。中身は川北社長が給料日に全社員の給料袋に入れた「社長の手紙集」であった。

しかもその手紙はワープロではなく、あえて川北社長が自筆で、社長の経営の考え方・進め方、会社への思い、さらには社員や家族への思いが綿々と綴られていた。

正直これほど自身に厳しく、一方、社員には愛情を降り注いでいるトップは少ない。このおよそ20 年、癒しブームということもあり、温浴施設は正直乱立し、今や飽和状態である。

こうした中、最も後発企業である「創裕」が、なぜこれほどまでに成長発展したか、よく理解できた。

 

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