近藤健介選手~4割という夢へのチャレンジ!【第90回】

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近藤健介選手~4割という夢へのチャレンジ!【第90回】

2018年のプロ野球は2月1日に始まったキャンプも後半戦に差し掛かり、各球団とも開幕へ向けてピッチが上がってきています。前回、当シリーズでは私が期待する選手として埼玉西武ライオンズの山川穂高選手を取り上げさせていただきましたが、今回はもう一人、私自身が今シーズンの活躍を大いに期待している選手がいますので、その選手について書かせていただきます。その選手の名は北海道日本ハムファイターズの近藤健介選手です。

近藤選手は1993年8月生まれの24歳、千葉県千葉市のご出身で、右投左打の野手ですが、ポジションは捕手兼外野手兼三塁手と表示されています。プロ入りの前は神奈川県の強豪・横浜高校で1年生の夏の県予選からレギュラーの遊撃手として活躍され、1年生ながら.438という高打率を記録するなど、早くから逸材として注目を集めておられたようです。余談ですが、近藤選手が1年生の時のチームの主将が、今や日本を代表するスラッガーに成長された横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手でした。そして近藤選手と同学年で活躍されたのが、現横浜DeNAベイスターズの乙坂智選手です。お二人の活躍もあって、チームは近藤選手・乙坂選手が3年生の春・夏と二度甲子園出場を成し遂げておられます。

ちなみに近藤選手は肩の強さを買われて1年生の秋から捕手に転向され、3年夏の甲子園大会終了後には、AAAアジア野球選手権大会日本代表メンバーに選出され、捕手としてベストナインにも選ばれる等、大いに活躍されました。そして2011年秋のドラフト会議で北海道日本ハムファイターズから捕手として4位指名を受け、入団されています。

プロ入り初年度の2012年は主たる活動の場は二軍のイースタンリーグでしたが、一軍公式戦にも通算20試合出場され、30回打席に立って5安打・2打点という貴重な機会を手にされています。また守備面でも捕手として先発出場されたり、チームのリーグ優勝・クライマックスシリーズ突破を経て臨んだ読売ジャイアンツとの日本シリーズでも代打で3試合に出場される等、高卒新人としては得難い経験を積んでおられます。2年目の2013年も主な活動場所は二軍でしたが、一軍公式戦でも32試合(捕手としては15試合)出場され、80回のバッティング機会を得ておられます。シーズン後半には中田翔選手の死球による戦線離脱を背景に、登録は捕手のままで右翼手としても随時スタメン起用される等、着実に前進していかれたように思われます。

そして迎えた3年目の2014年、初めて開幕一軍登録を手にされ、大野奨太捕手・市川友也捕手との交互起用という形ながらも、捕手としてのスタメン出場も増えていきました。更には当時レギュラーの三塁手であった小谷野栄一選手(現オリックス・バファローズ)の故障による戦線離脱を背景に三塁手として連日スタメンに起用されたり、レギュラー遊撃手の大引啓次選手(現東京ヤクルトスワローズ)が足腰を痛めていた時期には遊撃の守備にもつく等、一軍公式戦80試合に出場(捕手として16試合、三塁手として70試合、遊撃手として2試合)して打撃.258、4本塁打、28打点、チーム最多の20三塁打を記録される等、長打を打てるユーティリティ・プレーヤーとしてチーム内にかなりな存在感を示されるまでになられました。

翌2015年は開幕戦を「7番捕手」として初めてのスタメンで迎え、以降も正捕手としてレギュラーに定着、打率もずっと3割以上を維持し続けたことから、5月下旬からは5番打者として起用されるまでになられました。ただ一方で、かつては高い率を誇っていた盗塁阻止率が1割台にまで低下したこと、前半戦で主に指名打者(DH)を務めていた外国人選手の不振もあって、後半戦からは主にDHとして起用され、最終的には129試合(捕手としては58試合)の出場で初めて規定打席に到達すると共に、リーグ3位の打率.326、自己最多の8本塁打・60打点を記録するなど、打撃面で大きく成績を伸ばされました。その翌年は膝の故障もあって80試合の出場にとどまり、成績も前年より大きく下降し、不本意な一年となっています。

そして昨シーズン(2017年)、腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けた為、又しても規定打席未達でシーズンを終えることになったのですが、開幕から離脱までの50試合にわたって、ずっと打率4割以上を続け、シーズン末期に再出場した数試合も含めてトータル57試合の出場で231打席167打数69安打、打率.413、29打点、3本塁打、60四死球という記録を残されました。非公認の記録ながら一軍公式戦の1シーズンの通算打席数が100打席以上の選手としての歴代最高打率に該当しているようです。夢の4割バッターへの可能性を「ひょっとしたら・・・」と感じさせてくれただけでも実に偉大な記録であったと言えますし、この「打率4割超え」が近藤選手の名を一気に全国区へ押し上げたと言っても過言ではないと思われます。

ちなみにですが、過去日本のプロ野球史上打率4割を達成した選手は一人もいませんし、アメリカのメジャーリーグでも1941年にボストン・レッドソックスのテッド・ウィリアムズ選手が456打数185安打、打率.401を記録したのを最後に、76年間4割バッターは出現していません。かのイチロー選手の全盛時代でも、オリックス時代の1994年に.385、アメリカへ渡りシーズン最多安打の262安打を記録した2004年に.372であり、4割がいかに至難の記録かが偲ばれます。

これだけの高打率をマークできる近藤選手ですが、そのバッティングの特徴の第一は選球眼の良さです。2017年のセパ両リーグの四球数ランキングのNO.1はパリーグが福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手で89個(551打席)、セリーグは横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手の93個(601打席)となっています。これに対して近藤選手の四球数は60個(231打席)、年間の打席数を柳田選手・筒香選手並みに置き換えてみると、近藤選手の概算四球数は150個前後となり、断トツの一番となります。そしてこの四球数が高打率を維持させることに直結しています。

更に近藤選手の打撃を技術面から見てみると、軸足である左足にしっかり体重を乗せ、ボールを長く見ることが出来るという特徴を持っておられるようで、インコースの厳しいボールもギリギリまで引きつけて逆方向であるレフト方向に打ち返す技術を確立されているようです。実際、打球方向のデータを見ると6割強がセンターからレフト方向に飛んでいますが、これは決してプロ野球選手として体の大きくない(173㎝)近藤選手がプロの世界で生き残る為に身につけられた技のように思われます。即ちライト方向へ引っぱってホームランを狙うのではなく、逆方向へ強い打球を打ち返す打法であり、これに四球を選び取る技術が合わさって、高打率が可能となっているようです。

北海道日本ハムファイターズは2016年に福岡ソフトバンクホークスをシーズン後半の驚異的追い上げで逆転し、その勢いで広島東洋カープを破って日本一にまで登り詰めました。しかし昨シーズンは成績不振者や故障者が重なったこともあって一年間波に乗れず、結局60勝83敗の大幅負け越しで5位に沈んでしまいました。しかもシーズンオフには主力の大谷翔平選手のロサンゼルス・エンゼルスへの移籍に続き、増井浩俊投手、大野奨太捕手のぞれぞれオリックス・バファローズ、中日ドラゴンズへのFA移籍も公表されています。ドラフト1位で清宮幸太郎選手が新加入したという明るい話題はあるものの、2018年シーズンの巻き返しは決して楽な道のりとは思えません。

とすれば昨シーズン半ばで戦線を離脱せざるを得なかった近藤選手の活躍がチームの躍進の原動力となることは間違いなさそうです。近藤選手がヒットを量産し、打率4割という夢への挑戦が現実味をもって語られる状態になっておれば、それはチームの成績にも好影響を及ぼすでしょうし、大きな話題にもなって営業面にも大きな効果をもたらすに違いありません。

私事で恐縮ですが、先日2月18日(日)に沖縄県宜野座村の「かりゆしホテルズボールパーク宜野座」で行われた阪神タイガースvs北海道日本ハムファイターズの練習試合を直接観る機会がありました。試合は0-0の引き分けでしたが、4番DHで途中出場した近藤選手は三度打席に立ち3安打を放ちました。チーム安打5本のうちの3本を一人で打っており、もう流石としか言いようのないバットコントロールでした。

近藤選手にはケガなく一年間を乗り切っていただき、最低でも規定打席をクリアーしてチームの不動の中軸打者のお一人として君臨していただきたいと願っています。その上で夢の4割への挑戦の傍観者にもなれるのなら、プロ野球ファンとして、こんな幸せなことはありません。これから始まる2018年シーズン、近藤選手の大いなるご活躍を期待しています。

(おわり)
2018/2/21

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筆者プロフィール

fukuyama福山義人氏 元 (株)CSKホールディングス社長
株式会社マネジメント・サポート 代表取締役 福山義人氏1949年生まれ。慶應義塾大学卒業後、現(株)SCSKに入社。創業オーナー大川功氏に師事し、新規顧客開拓担当、営業マネジャー、管理部門マネジャーを経て、2005年代表取締役社長に就任。退任後、(株)マネジメント・サポート設立。現在は、創業オーナーに仕えた経験と自らの社長経験をもとに、若手経営者へのサポート及び講演活動等に従事。

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