高山俊選手~更なる上を目指して、いざ2年目へ!【第71回】

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高山俊選手~更なる上を目指して、いざ2年目へ!【第71回】

前回は今年更なる活躍が期待される若手選手として、昨年パリーグ新人王に輝いた北海道日本ハムファイターズの高梨裕稔投手を取り上げましたが、今回はセリーグで新人王を獲った阪神タイガースの高山俊(シュン)選手を取りあげさせていただきます。

実は高山選手はプロ野球の世界に入る入口で、ちょっとした話題になった選手でもありました。2015年10月22日のドラフト会議で、1位重複指名となったのは阪神タイガースと東京ヤクルトスワローズでしたが、檀上で抽選のクジを引いたヤクルトの真中監督が両手を突き上げて派手なガッツポーズをし、TV中継を通じて高山選手に「一緒にプレーしよう」とメッセージを送った2分後、実は真中監督の勘違いで当たりクジは阪神タイガースの金本監督の手元にあったという、狐につままれたような出来事を経てのプロ入りでした。しかしこの出来事からは、何かと話題の中心になる星の下に生まれついた方のように思えたのも事実でした。

さて高山選手のプロフィールですが、1993年4月生まれの23歳、千葉県船橋市のご出身で、日本大学第三高等学校、明治大学を経てプロ入りされています。船橋市出身で大手証券会社勤務であった父親の勤めの関係で長野県内で生まれた後、和歌山県をはじめ複数の都県に居住されたようですが、小学校1年生からは船橋市に住まれるようになったようです。

小学校1年生の時にお父さんとやっていたキャッチボールを見た、地元の少年野球チームのコーチにスカウトされてチームに加入し、本格的に野球を始められました。6年生の時には全国学童大会に出場し、更に現北海道日本ハムファイターズの近藤健介選手らと共に千葉ロッテマリーンズジュニアチームのメンバーにも選出され、12球団ジュニアトーナメントで準優勝の経験もされています。中学時代は地元の「船橋中央シニア」で投手・遊撃手としてプレーするかたわら、千葉県内の陸上競技大会の200メートル走で4位という成績も残されています。

日大三高への進学後は1年生の秋から1番ライトでレギュラーに定着され、1年生・2年生時の東京都大会では常に4割以上の高打率を残され、チームの躍進に貢献しておられます。3年生の時には春夏とも甲子園に出場されましたが、春は打率.529(17打数9安打)をマーク、夏は打率.500(26打数13安打)2本塁打で、5番打者としてチームの全国制覇の立役者のお一人として活躍されました。

明治大学進学後も1年生からライト・センターのレギュラーを確保すると共に3番打者に起用され、最初の春季リーグ戦で20安打・打率.417でベストナインに選ばれています。2年生の時にはチームの春・夏のリーグ戦優勝に貢献、4年生の時には夏季ユニバーシアード大会の野球日本代表にも選ばれる等、アマチュア球界屈指の好選手として、同年秋のドラフト会議の目玉選手としての地位を確固たるものとされました。

そして4年生秋の最後のリーグ戦では、大学の先輩でもある、元読売ジャイアンツの名選手であった高田繁氏(現横浜DeNAベイスターズ・ゼネラルマネジャー)が1967年に樹立した通算最多安打のリーグ記録(127安打)を48年振りに更新するという記録(131安打)を打ち立て、大学4年間・8回のリーグ戦で6度のベストナインを受賞するという、輝かしい戦績と共にプロの世界に飛び込まれました。

阪神タイガース入団後は、前年秋に右手首故障の手術を受けられたこともあって、キャンプは二軍からのスタートでしたが、2月の後半には早くも一軍キャンプに合流し、プロの投手に慣れることを最優先に起用するという金本監督の方針のもと、オープン戦では積極的に起用され、オープン戦の規定打席到達者の中で8位となる打率.327という結果を残し、自らの力で開幕一軍メンバー入りを手にされました。

そして迎えた開幕戦、1番レフトでプロ選手としてデビュー、記念すべき1回裏の初打席で中日ドラゴンズのエース大野雄大投手から初ヒット、翌日の第2戦でプロ初の二塁打を打って初打点、開幕2カード目にあたる神宮球場でのヤクルト三連戦の初戦(通算4試合目)で阪神タイガースの新人選手では初となる開幕4試合連続安打を達成、同カードの第三戦(通算6試合目)では先頭打者として試合開始直後の初球をプロ初本塁打される等、もうこれ以上は考えられないぐらい順調な滑り出しをされました。

ただ序盤の調子がずっと継続できるほどプロの世界は甘くはなく、各チームのマークがきつくなると共にご自身の体力も低下した6月には、かなりな打撃不振に陥り、ご自身の月間成績でも大きく成績を落としておられます。ただ序盤の活躍もあったことで、昨年入団の新人選手の中でただ一人、オールスター戦のファン投票で選出(外野手部門第三位)されてもおられます。

高山選手の打者としての特徴は50m走を5秒8で走る俊足の持ち主であること、バットコントロールに優れたアベレージヒッターのイメージを持たれながら、実はスイングスピードが161.8キロというプロ野球屈指の速さを誇ること、そしてチャンスに強く得点圏打率.377は横浜DeNAベイスターズの筒香選手に次ぐリーグ2位の実績をあげていることです。

中でもスイングスピードの速さは現役時代の金本監督を凌ぎ、現役選手の中では北海道日本ハムファイターズの中田翔選手、福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手と比べても遜色がない速さのようです。このスイングスピードゆえに金本監督は近い将来にはもっと長打を打てる打者になって欲しいという希望を持っておられるようです。一方で守備では、セリーグの外野手で最多の6失策を記録する等、大きな課題も抱えておられます。

高山選手はプロ生活1年目を134試合出場、打率.275、8本塁打、65打点という成績で終えられました。またヒット数136安打は球団の新人最多安打の記録を塗り替えましたし、新人としての猛打賞13回は、かの長嶋茂雄選手に次ぐ歴代2位の記録だそうです。普通の新人選手なら十分評価に値する成績なのですが、この選手の持つ能力の高さやポテンシャルを考えるとまだ何か物足りなさを感じてしまいます。

高校時代・大学時代・プロ入り後1年間、ここまでの歩みは野球選手として実に華麗なものには違いないのですが、この選手をプロ野球ファンの誰もが認める大選手、スター選手に育てあげることは阪神タイガース球団に課せられた責務のように思えます。かと言って甘やかせることなど全く不要です。高山選手は自ら競争を勝ち抜き、試合出場の機会をつかみ取った上で、高いパフォーマンスを示さなければなりません。それが誰もが認めるチームの主力選手、チームリーダーへの道につながるはずですし、いずれ球界を背負って立つ大選手への歩みとなるに違いありません。

2月1日のキャンプインを控え、今は自主トレーニングの真只中ですが、伝わってくる報道によると高山選手も1年間試合に出続ける体力を身につけるべく、徹底的に自らの体を追い込んでおられるようです。ウェートトレーニングの効果で体もかなり大きくなっているようで、2年目の目標を全試合スタメン出場した上で、打率3割・20本塁打と広言しておられます。

金本監督はこの上に80打点・20盗塁の達成も期待されているようですが、この目標が達成されるならチームへの大きな貢献となるはずであり、チーム成績にも直結するはずです。高山選手自らのご努力とチームとしての近い将来の中核選手の育成方針がどう噛み合い、それがチーム成績にどう結びついていくのか、これから始まる2017年シーズンを楽しみに見守らせていただこうと思います。

(おわり)
2017/1/23

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筆者プロフィール

fukuyama福山義人氏 元 (株)CSKホールディングス社長
株式会社マネジメント・サポート 代表取締役 福山義人氏1949年生まれ。慶應義塾大学卒業後、現(株)SCSKに入社。創業オーナー大川功氏に師事し、新規顧客開拓担当、営業マネジャー、管理部門マネジャーを経て、2005年代表取締役社長に就任。退任後、(株)マネジメント・サポート設立。現在は、創業オーナーに仕えた経験と自らの社長経験をもとに、若手経営者へのサポート及び講演活動等に従事。

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