侍ジャパンに思いを馳せる【第40回】

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侍ジャパンに思いを馳せる【第40回】

2015年のプロ野球の開幕前、WBSCプレミア12に向けた強化試合として、3月10日・11日の両日、野球日本代表(侍ジャパン)対欧州代表の試合が東京ドームで行なわれました。

「そもそもヨーロッパって野球をやってるの?」と思っておられた方もおられるかもしれませんし、「WBSCプレミア12」って何なんだ、と思われた方も多分おられるに違いありません。という訳で、今回は一般的にはまだ認知が低い(と私が勝手に思っているだけかもしれませんが・・・)国別の野球の戦いについて記してみたいと思います。

野球の国別対抗戦としては、日本ではワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が有名です。第1回大会(2006年)、第2回大会(2009年)で日本が優勝していますので、日本では非常に高く認知されていますが、この大会はそもそも米国のメジャーリーグベースボール(MLB)機構とMLB選手会が主催する、国際野球連盟(IBAF)公認の野球の世界一決定戦と位置付けられています。ただ2008年北京オリンピックを最後に野球がオリンピック種目からはずされたことで、国際野球連盟(IBAF)に対するオリンピック委員会からの補助金が打ち切られ、国際野球連盟は財政難に陥りました。

国際野球連盟はメジャーリーグベースボール(MLB)からの財政支援を受け入れることになり、その交換条件としてWBCを国際野球連盟主催の世界選手権として公認すると共に、ワールドカップ等の国際野球連盟主催の国際大会を再編することになりました。

その結果、新たなトップレベルの各国・地域が戦う大会として「WBSCプレミア12プロフェッショナル」が創設され、その第1回大会が本年11月8日(日)から21日(土)に台湾と日本の共催で開催されることになりました。この大会は4年毎の開催が計画されていますが、先日の対欧州戦はここへ向けての強化試合という位置づけで行なわれたものです。

ちなみにWBSCは世界野球ソフトボール連盟の略称ですが、11月に予定されているWBSCプレミア12は、世界ランキングの上位12位までの国・地域で戦うことになっています。この世界ランキングは国際野球連盟公認の国際大会の成績から算出されており、各国の獲得したポイントを加算して格付けされます。

大会の格や出場チームのランキングによっても変動しますが、このランキングの特徴は、トップチームの成績だけではなく21歳以下・18歳以下・15歳以下・12歳以下の各世代別の世界選手権等の成績も加味されることで、国全体の野球力ランキングとなっていることです。ちなみに現在は男女共に世界ランク1位は日本となっており、今年11月のWBSCプレミア12には、日本をはじめ米国・キューバ・台湾・オランダ・ドミニカ共和国・カナダ・韓国・プエルトリコ・ベネズエラ・イタリア・メキシコの12ケ国が出場します。

3月の強化試合にやってきた欧州代表は、上記12チームにも入っているオランダ・イタリアをはじめ、フランス、スペイン、ドイツ、チェコから選手が選出されていました。米国のメジャーリーグでプレーをした経験を持つ選手は2人だけであり、力量的には日本の侍ジャパンの方が上と見なされていました。しかし結果は2試合を戦って1勝1敗。しかも勝った最初の試合も押され気味の試合を8回裏に一気に3点をとって逆転したものですし、明らかに力量差があるといった感じは全くしませんでした。

今回の欧州戦に選ばれた日本選手は26人、30代の選手は30歳・31歳の4人だけ、しかも26人中19人が26歳以下という、各チームの主力揃いとは言え、比較的若い年齢層の選手たちです。併せて開幕が近いこともあり、各チームから選出不可という形でブロックされた選手もおられた(例えば巨人の菅野投手、楽天の則本投手、日本ハムの大谷選手etc)ようで、この2試合の結果に落胆する必要はないのでしょうが、初めて顔を合わせる投手を打つことは、とても大変なことなのだ、ということを改めて認識させていただきました。

野球日本代表「侍ジャパン」は一昨年(2013年)から常設化されています。かつてはいくつもの野球日本代表が存在していましたが、今はプロとアマが結束してひとつになり、すべての世代がひとつの野球日本代表となる形で新生の「侍ジャパン」が結成されています。従ってトップチームを頂点に、社会人、21U、大学、18U、15U、12U、女子野球代表も含めたすべての世代の野球日本代表を総称する名称が「侍ジャパン」であり、これらのチームは同じユニフォームを着て戦います。

そしてトップチームの監督を勤めるのが、元ソフトバンクホークスの小久保裕紀氏です。小久保監督は侍ジャパンについて「私の考え」としてこんなことを述べておられます。「日本では何かを極めようとすれば必ず『道』という言葉がつく。柔道、剣道、弓道、茶道、華道etc、選ばれた選手たちには『野球』ではなく『野球道』というものを意識してもらいたい。古臭いかもしれないが、侍という名前がつくぐらいなので、それぐらいの意識をもって取り組んでいただきたい」。そして自分にはトップチームの監督として底辺拡大の問題を常に認識して活動する義務と使命がある、とも語っておられます。

プロ・アマを問わず日本の国における野球というエンターテインメントがより裾野を広げ発展していく為にも、侍ジャパンの活動がもっともっと幅広く認知を受ける存在になって欲しいと思います。そして日本でプロ野球選手になって活躍すれば、最終的には侍ジャパンのメンバーに選出されるのが選手にとっての目指す道、という形になれば日本のプロ野球全体の活性化にもつながるでしょう。そんな形でのプロ野球界全体での活気が個々のチーム、ひいては一人一人の選手のプレーにまで波及してくれば、観る側の我々のワクワク感も更に増していくに違いありません。2015年のシーズン、筋書きのないドラマを皆さんとご一緒に楽しみたいものです。

(おわり)
2015/04/10

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筆者プロフィール

fukuyama福山義人氏 元 (株)CSKホールディングス社長
株式会社マネジメント・サポート 代表取締役 福山義人氏1949年生まれ。慶應義塾大学卒業後、現(株)SCSKに入社。創業オーナー大川功氏に師事し、新規顧客開拓担当、営業マネジャー、管理部門マネジャーを経て、2005年代表取締役社長に就任。退任後、(株)マネジメント・サポート設立。現在は、創業オーナーに仕えた経験と自らの社長経験をもとに、若手経営者へのサポート及び講演活動等に従事。

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