今宮健太選手~若きプロフェッショナル、更なる飛躍を!【第38回】

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今宮健太選手~若きプロフェッショナル、更なる飛躍を!【第38回】

2015年のプロ野球は開幕を間近に控え、今はオープン戦の真只中です。チームの成績と共に個々の選手がどれぐらい成長した姿を見せてくれるのか、大いに楽しみです。中でも若い選手が年々うまくなって、どんどん進化していく姿を見るのは本当に楽しみなものです。今回はそんな若手選手の中から一人の選手のことを記してみたいと思います。もう既に不動のレギュラー選手ではあるのですが、まだまだ成長し、いつか日本を代表するような名選手になってくれるのでは・・・、そんな期待を抱かせてくれる選手です。その選手の名は福岡ソフトバンクホークスの今宮健太選手です。

今宮選手は1991年7月15日生まれの23歳、大分県明豊高校卒業後、2009年秋のドラフト1位で福岡ソフトバンクに入団されています。高校時代は内野手兼投手として2年生の春、3年生の春夏と三度甲子園に出場されています。高校時代から内野手としての守備には定評があったようですが、1年目・2年目はまだ出場機会に恵まれず、2年目はシーズンの半分以上を1軍に帯同はしたものの18試合の出場にとどまっています。3年目の2012年、川崎宗則選手がシアトル・マリナーズへ移籍されたことでチャンスが巡ってきます。明石健志選手との正遊撃手争いを制し、この年84試合の先発出場を果たされています。そして翌2013年は正遊撃手として142試合に先発出場し、まさにレギュラーとしての立場をつかみとられています。

今宮選手の売り物は何と言っても、華麗とも言ってよいぐらいの、その守備力です。高校時代に投手もされていた(甲子園では投手として154キロのスピードを出したこともある)経験を生かし、三遊間の奥深い位置からの矢のような送球は観る者の眼を釘づけにしてくれます。また小柄(身長171cm)ながらも強靭な身体と卓越した抜群の運動能力で、信じられないような超人的とも思えるようなプレーを連発してくれます。

私は普段ソフトバンクホークスの試合を観る機会が少なく、今宮選手の守備を映像で観たことはほとんどなかったのですが、今回ネットで今宮選手の名場面集を見させていただき、いっぺんに魅了されてしまいました。まさに守備で金の取れる選手そのものであり、その躍動感は魅力にあふれています。中でも内野と外野の間に落ちてヒットになりそうな当たりを、後向きに走って飛びついてもぎ捕ったり、外野に抜けたと思われる当たりに横っ跳びに飛び込んで好捕したり、と信じられないようなプレーの連続でした。

今宮選手ご自身も「後ろの守備範囲は誰にも負けていないかなと思います。スタートには自信があります。どんな打球に対しても、常に行けると思って、まず一歩目のスタートを切っています。常に、まずはオレのボールだというつもりで一歩目を切っていることで、後ろへのボールにも追いつけるんだと思います」と述べておられます。

そしてもうひとつ今宮選手の存在をチーム内で確固たるものとしているもの、それは確実に決めるバントのうまさです。レギュラーに定着した2013年には犠打のパリーグ記録を更新する62犠打を記録、翌2014年にも同じく62犠打を記録しておられます。ちなみに2年連続で60犠打を達成した選手は過去に一人もおらず、とても地味な記録かもしれませんが、ソフトバンクホークスの強さを裏でしっかり支える、とても重要な役回りを演じておられることがわかります。

華麗な守備と堅実なバント、今宮選手ご本人もそれを「自分のスタイル」だと言い切っておられます。守備範囲が広く常に「攻めの守備」を心掛けておられるがゆえにエラーが結構多いことも事実ですが、そのことが逆にまだまだ成長の余地としての伸びしろを感じさせてくれます。

伸びしろということでは、打撃面はまだまだ成長途上そのものと言っても差し支えないのかもしれません。2014年は全試合に出場して、551打数132安打、打率.240、ホームラン3本、42打点という成績でした。打率は規定打席到達者の中ではリーグワースト3位だったようで、まだまだこれからという段階なのかもしれません。ご本人は最も憧れる野球選手として松井稼頭央選手の名前をあげておられますし、前監督の秋山幸二氏も「松井稼頭央のような選手になってくれたら・・・」と言っておられたようです。先々は3割・30盗塁を決められる選手になりたいと公言しておられますから、そこへ向かって更なる努力を続けていかれるものと思われます。

私にはソフトバンクホークスという球団と今宮選手の間に、組織と個人のあるべき理想的な関係が築かれつつあるように思えます。即ち球団は個人の才能を見出し、その才能を開花させるべく場と機会を与える。個人はひとつだけの売り物(守備力)ではなく、もうひとつの売り物(堅実なバント)を身につけることで、組織にとってなくてはならない存在になる。そうして更なる時間をかけることで、個人は三つ目の売り物(打撃)の発掘にいそしむ。近い将来、個人がその三つ目の売り物を手にした時、球団は人気も実力も兼ね備えた真のスタープレーヤーを手にし、そのことが球団経営にも多大なメリットをもたらす、という関係です。

今宮選手は2013年、2014年に2年連続でゴールデングラブ賞を受賞し、2014年にはベストナインにも選ばれています。普通の選手なら、もう行き着くべき立場にまで行き着いてしまったということになるのかもしれませんが、この選手に関しては、これも将来への一里塚、まだまだこれからと言って差し支えないでしょう。走攻守のすべての面でプロ野球ファンの誰をも魅了するような華のある主役として育ってもらいたい。そんな思いで今シーズンの今宮選手の更なる飛躍を見守りたいなと思います。

(おわり)
2015/03/10

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筆者プロフィール

fukuyama福山義人氏 元 (株)CSKホールディングス社長
株式会社マネジメント・サポート 代表取締役 福山義人氏1949年生まれ。慶應義塾大学卒業後、現(株)SCSKに入社。創業オーナー大川功氏に師事し、新規顧客開拓担当、営業マネジャー、管理部門マネジャーを経て、2005年代表取締役社長に就任。退任後、(株)マネジメント・サポート設立。現在は、創業オーナーに仕えた経験と自らの社長経験をもとに、若手経営者へのサポート及び講演活動等に従事。

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