セパ交流戦を通して見えてきたこと【第21回】

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セパ交流戦を通して見えてきたこと【第21回】

私がこの原稿を書いている2014年6月半ば、プロ野球のセパ交流戦も全日程の3分の2程を消化し、雨で順延となった一部のゲームを除き、セパそれぞれの主催カード4試合ずつ、計8試合を残すだけの状況となっています。

残り4カードを残す6月9日(月)の時点でセリーグ42勝、パリーグ47勝となっていますが、ここまでの戦いを振り返ると、例年と比べて今年はまだセリーグが頑張っているのかな、というのが率直な印象です。

交流戦が開始された2005年から昨年までの9年間を振り返るとパリーグのチームが8回の優勝、セリーグのチームが優勝したのは2012年の読売ジャイアンツの一度だけであり、トータルの勝敗においてもパリーグが733勝660敗47分で勝ち越しと、交流戦は総じてパリーグ優勢という結果が出ています。そこで今回は交流戦を通して見えてくるプロ野球の課題について記してみたいと思います。

一般的なプロ野球ファンが抱いている交流戦に対するイメージは、過去の戦績より「強いパリーグ、弱いセリーグ」だと思われますが、年度別、チーム別に細かくデータをながめてみると少し違った景色が見えてきます。

交流戦を最も得意としており、毎年上手な戦いを展開しているのが福岡ソフトバンクホークス、交流戦を不得手としており、過去9年においては負け越してしまう年の方が多く、24試合で10以上の借金を作った年が複数回以上あるのがDeNAベイスターズ(前横浜ベイスターズ)と広島東洋カープ、この3チームの勝ち負けの差がトータルの勝敗に大きく影響しています。

ただ2010年に、優勝のオリックス以下1~6位にすべてパリーグチーム、下位7~12位にすべてセリーグチームが並んで以降、読売ジャイアンツが初のセリーグ優勝チームとなった2012年を除くと、パリーグとセリーグの格差が固定化されてきているようで、交流戦自体の魅力が10年目にして既に低下しつつあるように感じられます。

しかし昨年までと比べて今年は少し様相が違う訳ですが、これはひとえに、ここまでの戦いを勝ち越しの状態で進めているDeNAベイスターズの大健闘のたまものです。ベイスターズにはキューバから補強のグリエル選手も入団しましたし、リーグ全体の活性化の為にももっともっと頑張っていただきたいと思っています。

日本にプロ野球が誕生して80年、1950年にセパ両リーグ体制に移行して今年が65年目、その間小さなリニューアルは色々なされてきたのだと思いますが、

2005年の交流戦のスタート、2007年のクライマックスシリーズの開始は、わりと大きなリニューアル、言い換えれば新サービス商品の販売開始であったのだと思われます。

しかし10年あるいは10年近くが経過して、新サービスにマンネリの気配が漂い始めているのは残念なことです。

先般、自民党の日本経済再生本部が公表した政策提言「日本再生ビジョン」に、日本のプロ野球を16球団に増やし、市場の拡大と地域活性化の可能性をさぐってみてはどうだ、ということが記されたことに対し、プロ野球出身者の評論家をはじめ否定的見解を述べる方が結構おられました。

確かに人口減少社会の日本で球団数を増やせば結果的に選手の全体的なレベルが下がり、質の低下がファン離れを生むに違いないという意見はもっともな意見に聞こえます。

しかし外国人枠を取り払い、台湾・韓国・中国をはじめとするアジア系の選手も取り入れることによって不可能とは思えませんし、アジア出身の活躍選手が更に多く出るようになれば日本のプロ野球マーケットの海外進出にもつながるような気がしますし、長期的には日本プロ野球機構(NPB)のマーケット価値の上昇にもつながるような気がいたします。

真の世界選手権が存在しない野球というスポーツでは、超の字がつくような一流選手は最高のステージと思われているアメリカのメジャーリーグへ出ていかざるを得ないのだと思います。そういった超一流が抜けても日本のプロ野球は刺激的だし面白い、そう思われるような施策をどんどん打ち出して欲しいものです。球団数が16に増えれば工夫次第でより刺激的なプレーオフ制度を作ることも可能なはずです。

かつて現ソフトバンクホークスが、ダイエーホークスとして九州に進出した際、九州出身の高校生選手をドラフト指名して地道に育て、今や九州全域からファンが福岡に集まる確固たるモデルが確立されました。

アジアからの観光客が激増している中で、アジア出身の選手を応援する為のツアー客が日本各地の球場に足を運んでくれるようになったら、日本のプロ野球も活性化されるに違いないと思っています。

観る側が観たい、観て面白いと思うものを提供することがビジネスの原点ではないのでしょうか? 何となく魅力が薄れつつあると感じ始めた交流戦を通して、もっともっと魅力的であって欲しいプロ野球に対する一ファンの願いです。

(おわり)
2014/06/25

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筆者プロフィール

fukuyama福山義人氏 元 (株)CSKホールディングス社長
株式会社マネジメント・サポート 代表取締役 福山義人氏1949年生まれ。慶應義塾大学卒業後、現(株)SCSKに入社。創業オーナー大川功氏に師事し、新規顧客開拓担当、営業マネジャー、管理部門マネジャーを経て、2005年代表取締役社長に就任。退任後、(株)マネジメント・サポート設立。現在は、創業オーナーに仕えた経験と自らの社長経験をもとに、若手経営者へのサポート及び講演活動等に従事。

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