切磋琢磨の生み出す魅力【第10回】

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切磋琢磨の生み出す魅力【第10回】

2013年のプロ野球を振り返ると色々な名シーンが思い浮かびますが、私はシーズン後半のクライマックスシリーズへの出場権を掛けたパリーグ三チームの戦いがとても印象に残っています。

シーズンが大詰めを迎え残り10試合程度になっても、楽天を除くあと2チームが一体どこになるのか全くわからない状態が続いていました。

西武ライオンズ、千葉ロッテマリーンズ、ソフトバンクホークスの三チームの戦いだった訳ですが、この当該チームのファンのみならず、普段パリーグの試合はあまり見ない私のような野球ファンまでもが固唾を飲んで見守る、それは熾烈な戦いだったのです。

その時ハタと気づいたのです。この三チームの監督は三人とも黄金時代の西武ライオンズの出身で、しかも投手・捕手・野手としてチームを支える大黒柱の主力選手だった方たちなのです。

即ち西武の渡辺監督、ロッテの伊東監督、ソフトバンクの秋山監督です。そのことに気づいた時、私の頭に「切磋琢磨」という言葉が思い浮かびました。

切磋琢磨を辞書で調べてみると(1)学問・道徳に励みに励むこと、(2)仲間同士互いに励まし合って向上すること、と書かれてあります。

パリーグの最終盤の三チームの戦いに上記(2)の要素が加わったことで、私の中では面白さが倍加されたのだと思います。

この三人の現役時代の実績については今さら説明する必要もありませんが、他にも清原選手や工藤投手もおられて、この当時の西武ライオンズはV9時代即ち王・長嶋時代の読売ジャイアンツにも匹敵するような強いチームであったことはまぎれもない事実だったと思います。

チームの中の熾烈な戦いを勝ち抜いて主力選手の立場を守り抜いた人たちが、立場を換えて監督としての戦いに挑む。

この三人の監督の方たちが、お互いの存在を強く意識していたとはどこにも書かれてはいませんが、見る側は勝手にそのことを想像し楽しみの中に加えてしまいます。

結局2013年シーズンのパリーグの戦いは、最後の試合を前にしてソフトバンクの脱落(4位)が決まり、西武とロッテは最終戦で勝った方がクライマックスシリーズの第一ステージをホームで行なえる開催権を掛けて戦い、結局西武の勝利で決着がつきました。

最後の最後までこれだけ熾烈な戦いが繰り広げられたことで「試合」という商品そのものの価値は大いに高まったと思われますし、これだけ商品の魅力が増すのなら、一部で邪道と言われたり、あり方そのものに賛否両論が渦巻くクライマックスシリーズも案外悪くはないな、というのが率直な感想です。

魅力ある商品あるいはサービスを生み出し、更にその商品に磨きをかける。その上に、そこへ関わる関係者の「切磋琢磨」が加わるなら、見る者・手に取る者へ与える魅力度は倍増するような気さえします。

西武ライオンズの渡辺監督は2013年シーズンをもって辞任されましたが、ロッテの伊東監督とソフトバンクの秋山監督は来期も指揮をとられます。このお二人のライバルの切磋琢磨の続きを来シーズンも楽しみたいと思っています。

(おわり)
2014/01/24

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筆者プロフィール

fukuyama福山義人氏 元 (株)CSKホールディングス社長
株式会社マネジメント・サポート 代表取締役 福山義人氏1949年生まれ。慶應義塾大学卒業後、現(株)SCSKに入社。創業オーナー大川功氏に師事し、新規顧客開拓担当、営業マネジャー、管理部門マネジャーを経て、2005年代表取締役社長に就任。退任後、(株)マネジメント・サポート設立。現在は、創業オーナーに仕えた経験と自らの社長経験をもとに、若手経営者へのサポート及び講演活動等に従事。

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