英智選手~一芸に秀でた職人の技(2)【第4回】

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英智選手~一芸に秀でた職人の技(2)【第4回】

前回は「一芸に秀でた職人の技」として元読売ジャイアンツのバントの名人・川相選手を取り上げましたが、今回はその2として、元中日ドラゴンズの外野手 英智(ヒデノリ)選手を取り上げます。

そもそも英智選手と言っても、かなりなプロ野球ファンか中日ドラゴンズのファンの方以外はご存知ない方の方が多いのかもしれません。

本名は蔵本英智、県立岐阜商業高校・名城大学から1998年のドラフト4位で中日に入団されています。私のような中日ファンではない野球ファンも、人間技とは思えない強肩ぶりと、とてつもない足の速さで、強烈な印象が残っている選手です。

ただ英智選手は打つ方はイマイチで、入団後最初の二年間は一軍出場なし、その後も一軍と二軍を行ったり来たりの状態であったようです。

2004年から登録名を蔵本から英智に変更されていますが、その年から監督に就任された落合監督の「チームには一芸に秀でた選手が必要」という方針・お考えを象徴するような存在として、開幕から代走および守備要員として一軍に定着します。

その年の6月の阪神戦で犠牲フライとなりそうな打球を好返球で刺し、勝利に貢献。とてつもない強肩の外野手として、その認知を高めることになると共に、この試合での守備の活躍が認められ初めて試合後のお立ち台(ヒーローインタビュー)に立っています。

この年はシドニーオリンピックの野球日本代表として戦列を離れた福留孝介選手の代役としてライトのレギュラーに定着し、ゴールデングラブ賞(守備のうまい選手をポジション別に年間ひとり選出し表彰)も獲得しています。

その他にも、普通の選手ではとても帰ってこれない浅い外野フライで本塁に生還したり、2アウト・ランナー二塁で二塁走者の英智選手が、相手が前進守備を敷くライト前ヒットにも係わらず、三塁をまわって3メートル超のヘッドスライディングでホームインしたりと、走塁の面でも試合を決定づけると共に、観る者に強烈なインパクトを与えてくれるプレーをいくつも見せてくれています。

この3メートル超のヘッドスライディングによるホームインの際には、あの落合監督が「あれで本塁に帰ってきれくれるんだから本当に凄い。ああいうプレーを見せられるのがプロ。英智は本物のプロだ」と賛辞を惜しまなかったという逸話が残っているようです。

一見地味に見える「守る」「走る」というプレー。しかし究極まで磨き抜かれたそのプレーは観る者に衝撃を与え、感動をすら与えます。そして起用する側が正当な評価をしてあげることで、一見地味なプレーのひとつひとつが職人のつむぐ一芸として命を吹き込まれ、細かいことをおろそかにしない組織風土が作り込まれていくのだと思います。

落合監督指揮下の8年間、中日ドラゴンズが何故あんなに強かったのか、英智選手を通して教えていただいた気がします。

(おわり)
2013/10/22

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筆者プロフィール

fukuyama福山義人氏 元 (株)CSKホールディングス社長
株式会社マネジメント・サポート 代表取締役 福山義人氏1949年生まれ。慶應義塾大学卒業後、現(株)SCSKに入社。創業オーナー大川功氏に師事し、新規顧客開拓担当、営業マネジャー、管理部門マネジャーを経て、2005年代表取締役社長に就任。退任後、(株)マネジメント・サポート設立。現在は、創業オーナーに仕えた経験と自らの社長経験をもとに、若手経営者へのサポート及び講演活動等に従事。

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