長嶋茂雄選手~強い組織にみる強さの必然(1)【第1回】

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長嶋茂雄選手~強い組織にみる強さの必然(1)【第1回】

私はかなり熱心なプロ野球ファン、しかもかなり強烈なアンチジャイアンツの野球ファンです。 そんな私でも昭和40年代に9連覇を成し遂げた読売ジャイアンツが日本の野球史を飾る最も強いチームのひとつであったろうことを認めない訳にはいきません。

そのV9を成し遂げたチームの監督が川上監督ですが、その川上監督が後年こんなことを述べておられるのを目にしました。プロ野球の監督には二つの仕事があります。
ひとつは試合における采配、もうひとつが勝つためのチームづくりです。V9時代、私は確かに自分の全責任において采配をふるいましたが、二番目のチームづくりという点では何もしていません。
ここまで読んだ時、私は川上監督が謙遜をされているのかなと思ったのですが、その後を読んで、実はそうじゃないんだと、ということを知りました。
そこには川上監督の言葉として、あのV9のチームには王と長嶋がいて、あの二人の存在がチームを形作ったのです。従って私が特にチームづくりを意識して行なった訳ではないのです、と書かれていました。

「強い組織にみる強さの必然」の①として、第一回は長嶋茂雄選手のエピソードを記してみたいと思います。
V9時代の巨人軍は全体練習の終わった後、各選手毎の個別練習が行なわれるのが習わしだったようですが、長嶋選手は三塁の守備位置に立ち、コーチに三塁線を抜けていく強いゴロを打ってもらい、それを逆シングルで捕球する練習を繰り返し繰り返し、出来るまでやり続けておられたようです。

三塁線を強烈に抜けていくゴロ、抜ければ二塁打でピンチとなりますが、もし逆シングルで捕球し、振り向きざまに一塁へ矢のような送球をしてアウトに出来れば、球場中は興奮のルツボと化し、試合の流れを一気に引き寄せることにもつながります。 まさに三塁手にとっては一番の見せ場であり、観客を興奮させるプレーに他なりません。

でもこんな場面は年に何度もある訳ではありません。しかし、その年に何度かしかないであろうプレーの為に、一般のファンは誰も見ていない練習グラウンドで泥まみれになって長嶋選手は練習しているのです。
立つ位置を半歩だけ三塁ベースに近づければ捕れるであろうところを、やはり同じ位置でノックバットを持つコーチに「もう一丁」と声をかけ続けておられたようです。
もう足腰が立たない寸前、極限状態まで自らを追い込む練習をされていたとのことです。
当時やはり主力であった他の選手のお一人が、長嶋選手のあの練習を見ていたら、我々がやらない訳にはいかないし、ましてや手を抜こうとか適当にやっておこうなんて気持ちには毛頭なるはずもなかった、と述べておられたようです。

一番強いチームの一番の主力選手の姿勢が自然にまわりの選手にいい影響を及ぼし、それが強いチームを形作っていったことが学びとれます。強い組織が持つ強さの必然の一例を、長嶋選手の事例から学んでいただければ幸いです。

(おわり)
2013/10/01

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筆者プロフィール

fukuyama福山義人氏 元 (株)CSKホールディングス社長
株式会社マネジメント・サポート 代表取締役 福山義人氏1949年生まれ。慶應義塾大学卒業後、現(株)SCSKに入社。創業オーナー大川功氏に師事し、新規顧客開拓担当、営業マネジャー、管理部門マネジャーを経て、2005年代表取締役社長に就任。退任後、(株)マネジメント・サポート設立。現在は、創業オーナーに仕えた経験と自らの社長経験をもとに、若手経営者へのサポート及び講演活動等に従事。

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