企業評価・デューデリジェンス

企業評価・デューデリジェンス

M&A買収の成功要因は、デューデリジェンス(事業調査)にあり!

中堅中小企業によるM&Aの失敗事例

下記事例は、M&Aを何気なく実行した結果、買収後も多額の追加資金が必要になったケースです。

A社のケース

A社は、積極的な安値攻勢による拡大策をとる競合B社から自社の営業エリアを守るために、自社とB社の営業エリアの中間に展開するC社を買収した。金額は業界慣習として過去に形成された相場であった。しかし買収後C社の売上高が大きく減少し、またC社の設備改修費用も嵩んで、結局はC社の年商水準の買収資金を要してしまい、自社商圏の防衛コストとしては非常に高額な買い物となってしまった。

甲社のケース

甲社は自社の業態を展開するインフラとして、乙社の店舗網を高く評価していた。乙社には本業とは別に多額のデリバティブ取引が存在し財務的なリスクが懸念されたものの、甲社の積極的な意向により抜本的な手当がされることなく買収が成立した。買収後、そのデリバティブ取引は大きな損失を顕在化させ、甲社本体の財務基盤にも大きな影響を与えた。

X社のケース

X社は自社製品の新しい流通チャネルとなることを期待して、大手量販店に口座を持つ家電の企画・輸入会社であるY社を買収した。買収後、Y社の輸入製品に致命的な欠陥が見つかり、その後始末に当初買収資金の5倍の資金を要した。

デューデリジエンス


M&Aにおけるリスク分析とデューデリジェンス

前述のような失敗を避けるために、どのような対応を取ればよかったのでしょうか?

それは、徹底したデューデリジェンス(事前調査)というプロセスです。

デューデリジエンスでは、財務・税務面の分析はもちろん、営業、人事面などを細かくチェックし、それぞれでの分野で事業遂行上の問題点を明かくにしていきます。最終的には、買収後のリスクを浮かび上がらせます。

書類では見えない実態に切り込む

たとえば、ある会社がメーカーの買収を検討しているとします。書類で見ると、その工場の生産性は非常に高いのですが、しかし、デューデリジェンスというプロセスを通じて、実態は統率力のある1人の幹部社員が存在しているゆえに、その生産性を確保できていたという事実が判明したとします。もし、買収後、その幹部社員が退職してしまったら、実際にはその生産性の工場運営ができなくなってしまうことを意味します。

この場合、あらかじめその幹部からは「1年間は退職しない」などの確認を取ることが必要になります。もっとも、この幹部から半年後に「辞めたい」と言われた場合、法律的には、とめることはできないのですが、こうした確認を取ることが一定の退職リスクを引き下げる効果はあるはずです。

買収において重要なことは、できる限り買い手は売り手と同等レベルまで表面上では分からない実態についても、把握する必要があるということです。それを実現するのが徹底したデューデリジェンスです。

デューデリジエンス


デューデリジェンスの種類

デューデリジェンスは、

  • 事業デューデリジェンス
  • 法務デューデリジェンス
  • 財務デューデリジェンス

の3つに大別することができます。

事業デューデリジェンス

事業デューデリジェンスとは、売り手の事業実態の調査を行うもので、ビジネスの現状と将来性、経営者や従業員の質、顧客や仕入先との関係、販売力、製造能力、将来の損益やキャッシュフローの予測、その他あらゆる経営上の問題点の洗い出し作業を行うものです。

法務デューデリジェンス

法務デューデリジェンスとは、その名のとおり法律関係について各種契約の内容、訴訟や係争事件、製造物責任、環境問題、知財などの分野についての調査をいいます。

財務デューデリジェンス

財務デューデリジェンスとは、生産、販売、労務、訴訟問題などビジネス全般のあらゆる面を広範囲にわたり調査し、売り手に関する可能な限り詳細な情報を収集した上で、財務諸表や事業計画の分析を定量的に行うことです。事業面や法務面などの各種調査を定量的に集約する役割や交渉する価格算定の役割も担うことが多く、デューデリジェンスの統合プロセスとして重要な位置づけとなります。

デューデリジェンス



 

デューデリジェンスの目的

デューデリジェンスの目的は、

  • 当該案件(または交渉を継続するかどうか)に関する意思決定のための情報収集(案件を中止すべき重要な問題点は隠されていないか?)
  • 買収価格や買収条件を変更すべき項目の把握
  • 買収後の経営に役立つ情報の収集

以上の3点に集約できます。

財務諸表監査との違い

これらのデューデリジェンスは、あくまでもM&Aを実行するために行う調査であるため、公認会計士が財務諸表の適正性に関して意見を表明する財務諸表監査とは異なるプロセスとなります。

また、財務諸表監査でいう監査基準のようなものは、デューデリジェンスの領域ではありません。したがって、デューデリジェンス実施に際しては、そのM&Aの目的に立ち返り、その方法を検討していく必要があります。

アタックスのデューデリジェンスに関する思い

ややもすればデューデリジェンスが単なる儀式として行われてしまう風潮が見受けらます。しかしながら、買い手は、自らのリスクヘッジのため、デューデリジェンスによって抽出された各種の情報により総合的・合理的な判断を下さなければなりません。

将来起こりうるリスクを洗い出し、ヘッジする手段を考えるのがわれわれアタックスの仕事です。適切な買収形態を設定したり、契約書に新たな条項を加えるなどして対応します。

この時に、重要なことは、買収後の経営を考えることです。アタックスは買収後の会社経営の仕組みづくりまでを含めたサポートを行っています。

買収後の経営



 

ところで、事業(企業)の評価方法にはいろいろな考え方があります。基本的な考え方をご紹介します。

M&Aにおける事業(企業)評価

事業(企業)価値を評価する目的

企業がM&Aを実行する場合、いくらで事業(または会社)を売却するかは、買い手から売り手からも非常に重要な論点です。一般的には、売り手側および買い手側の双方が対象事業の事業(企業)価値を評価し、それらをベースに双方が交渉した結果、最終的な売買金額が確定されます。

事業(企業)の評価方法

一般的に、公正な事業(企業)価値とは、事業の収益力や成長性等の分析に必要な情報を保有する、独立した買い手と売り手が双方同意した当該企業の移転に関わる対価をいいます。

ここで売り手は売却を強いられる状況になく、自らの判断により売却の意思を持ち、また買い手も買取りを強いられる状況になく、自らの判断により購入の意思を持つことが前提条件です。
この事業(企業)価値の評価方法としては、一般的に以下の3つの方法があります。

  • 市場方式=マーケット・アプローチ(Market Approach)
  • 収入方式=インカム・アプローチ(Income Approach)
  • 原価方式=コスト・アプローチ(Cost Approach)

実務的には、これら3つの方法を組み合わせることにより、最終的な評価を決定していきます。

マーケット・アプローチ

マーケット・アプローチとは、市場における取引価格を参考にして株式価値を算定する方法です。評価にあたり参考にできるマーケットとしては、二種類あります。一つは株式市場であり、他方が企業買収市場である。前者の株式市場を利用して行う評価方法を類似会社比較法といい、後者の企業買収市場を利用して行う評価方法を買収事例比較法といいます。

類似会社比較法

この評価方法は、評価対象会社と類似する上場会社の株価に対する一定の財務指標の比率を評価対象会社の財務指標に適用して株式価値を算定する方法です。ある程度の類似性が認められれば、上場会社の公表財務情報及び市場株価にもとづいて評価額を算定するので相対的に客観性が高い評価方法です。

買収事例比較法

評価対象会社が属する業界内で過去に行われた買収事例の買収価格を参考に株式価値を算定する方法である。公表された買収案件における被買収会社の財務指標と買収価格にもとづいて、買収乗数(倍率)を算定し、それらを評価対象会社の財務指標に適用することで株式価値を算定します。

インカム・アプローチ

インカム・アプローチは、事業から得られる将来の予想利益やキャッシュフローにもとづいて株式価値を算定する方法です。この評価方法は動態的な考えに立っており、評価対象会社の将来の損益見通しがその評価の基礎となります。

このインカム・アプローチとして、DCF法や収益還元法などがあります。

DCF法は、期待収益率(割引率)を利用しながら、将来一定期間において評価対象会社が生み出す株主還元可能資金であるFCFの現在価値を計算することにより株式価値を算定する方法です。

また収益還元法とは、評価対象会社の正常利益を推定し、当該企業のリスクを反映させた期待収益率を適用して株式価値を算定する方法です。

コスト・アプローチ

コスト・アプローチとは、基本的には資産の再取得価額を基準に株式価値を算定する方法です。

具体的には企業が所有する金融資産、固定資産、有形固定資産、その他の資産の再調達原価を個々に計算し、これを累計することにより総資産合計を算定します。

最終的に、この総資産合計から帳簿上ならびに潜在的な負債を差し引くことにより公正な評価額が計算されることになります。

M&Aにおける事業価値評価の留意点

ただし、現実のM&Aの現場では、これらで算定された数値は目安でしかありません。
買い手が強く購入を望めば、買収金額は上昇傾向になります。
逆に売り手が強く売却を望めば、売却金額が下降傾向になります。

最終的には、バーゲニングパワー(交渉・折衝などにおける対抗力)で最終的に取引金額は決定されます。
この事業(企業)価値評価は、絶対のものではなく、あくまで目安に過ぎないということは忘れてはいけないところです。

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