親族内事業承継のポイント

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親族内事業承継のポイント

利害関係者の理解を得る

どの後継者候補に事業承継するかは社長が決断することですが、実際に進めるときは事業関係者にしっかり理解してもらうことが大切です。
事業関係者には従業員、株主、取引先、取引銀行などが該当しますが、ここでは特に株主と取引銀行についてどのように理解してもらうのかということを説明します。

株主の理解を得る

会社を取り巻く重要な事業関係者(ステークホルダー)として株主がいます。オーナー会社の場合には、株主といっても親族関係にある人がほとんどですが、その関係も時間の経過とともに微妙に変化していきます。株式が相続によってどんどん分散していくからです。歴史のある会社では、すでに、かなり分散してしまっている場合があります。後継者にとっては、兄弟株主との関係や従兄弟株主との関係をどのように処理するかが課題になってきます。

すなわち、後継者は、会社の事業だけでなく、親族などに対しても上手に対応しておかないといけないのです。
事業承継を行なうにあたっては、株主からの理解と信頼を得ておく必要があります。そうでないと、親族であっても急に会社の経営に口を挟まれたり、何か事が起こったときに想定以上の金額で株式の買取りを迫られたりするからです。そこで、後継者が株主の理解を得るための手段を考えてみましょう。

(1) 親族の集まりに参加する

後継者は、親戚の集まりなどに対して積極的に参加する姿勢が必要に思います。事業と無関係の親族株主には、事業運営の苦労などはなかなか分かりません。もしかしたら、社長や後継者の立場を特権と捉えている方がいるかもしれません。そこで、親戚の集まりなどには積極的に参加して良い人間関係を維持することで、後継者や事業に対する理解を深めてもらうことが重要です。特に、現社長から後継者に事業承継するタイミングでは、親族株主に対して一定の配慮を忘れないようにすると良いでしょう。

(2) 親族株主である役員・従業員に目を配る

親族株主の中に、会社の役員や従業員がいる場合にはそれなりに目配りすることが大切だと思います。そうした方は、創業者一族であることに対して誇りや忠誠の気持ちがあると思いますし、そのような場合には、ある程度の暖かい配慮をすることも必要ではないでしょうか。その結果、親族として事業に積極的に取り組んでもらえる姿勢や意欲を持ってもらえるなら後継者の強い味方になっていくはずです。

取引銀行の理解を得る

さまざまな事業関係者の中でも取引銀行はとりわけ重要な存在です。というのも、一般的に、会社の事業に必要な資金の提供先は銀行だからです。
後継者にバトンタッチするときに、銀行にとっての関心事は、社長交代の理由と「後継者は次期社長として信頼できるか」という点です。貸したお金をきちんと返済してくれる人なのかどうかを見極めようとするわけです。それでは、事業承継時に銀行の理解を得るための具体策について考えてみましょう。

(1) 社長交代をしっかり説明する

まず、社長交代の経緯をしっかり説明することです。社内でのトラブルなどが原因ではなく、円滑な事業の承継であることを理解してもらう必要があります。そのため、現社長の年齢や健康状態、後継者を支える社内体制の整備や後継者の実力などを説明していくと良いでしょう。

(2) 後継者の経歴を説明する

後継者がすでに銀行と十分な接点があるときはあまり心配いりませんが、そうでない場合には、後継者の経歴や実績を具体的に説明することが必要です。すでに十分な経営能力を持っている後継者であっても、銀行の信用を得るために丁寧に対応することが大切です。

(3) 数字で説明する

銀行は、一般的に決算書をもとに会社や事業を見ています。したがって、社長や後継者が銀行と話をするときに重要なことは、決算書などをもとに会社の課題や問題点を数字で説明することです。数字で説明することで、さらに信頼が増すと思います。

(4) 後継者が経営方針を説明する

後継者は、銀行に、自らの経営方針や経営目標を理解してもらうよう説明すべきです。このときに注意すべき点は、あまり大きなことを言わないようにすることです。事業に対する意欲満々の気持ちを示すことは大切ですが、まずは着実に事業を承継するという考え方を伝える方が良いでしょう。

(5) 支店長と会う

事業承継にあたって銀行に挨拶に行くときはできるだけ支店長宛てに行くべきです。多忙でなかなか面談のアポイントが取れない場合であっても、何とか支店長と会って、直に報告するほうが良いと思います。

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