報連相の精度を上げろ!~「空・雨・傘」理論でコミュニケーションのトラブル解消

経営

毎年、開講しています、経営承継支援、後継者・次世代幹部成長支援のためのアタックス社長塾で、塾生の皆様から、次のような悩みをよく聞きます。

会議において、長々と説明・報告があるが、
「で、結論は何?君の話は何が言いたいんだか、さっぱりわからないな。」
「なぜ、皆の話が噛み合わないのだろうか?」
「どこまでが事実で、どこからが君の意見なのか、よくわからないよ。」
と思うことが多いと。

社長塾でご登壇いただいている坂東太郎 青谷会長の講義の中でも、
「コミュニケーションは取れなくて当たり前と考えないといけない。それほど、難しいものだからね。」
とおっしゃっておられます。

今回は、そのような悩みを解消するための1つの方法として、報・連・相の基本の型の「空・雨・傘」コミュニケーション法をご紹介します。

「空・雨・傘」は業務コミュニケーションの基本的な思考パターンです。
「空・雨・傘」を心掛けるだけでも、日常的なコミュニケーションは大きく改善されますし、思考訓練にもなります。

「空・雨・傘」コミュニケーション法とは、報告・連絡・相談の内容を
(1) 空【状況】
(2) 雨【解釈】
(3) 傘【行動】
の3つの情報に分けて捉え直し、常に3点セットで組み立てるやり方です。

状況として、
(1)「西の空が真っ黒だ。」(空の情報)
次に、その状況の解釈として、
(2)「一雨来そうだ。」(雨の情報)
最後に、では、どうするかという行動として、
(3) 「傘を持って出掛けよう。」(傘の情報)
と3つの情報に切り分けて、コミュニケーションします。

下記の簡易な例で、「空・雨・傘」コミュニケーション法の活用をイメージしてみましょう。

【例1】
(1) 空の情報:ゴルフのスコアが伸びなくなった。
(2) 雨の情報:スコアアップには、飛距離を伸ばす必要がある。
(3) 傘の情報:ゴルフショップにチタン製のドライバーを買いに行こう。

【例2】
(1) 空の情報:子供に「今度の連休にどこかへ行こうよ」と言われた。
(2) 雨の情報:子供は一緒に遊びたがっている。しかし、観光地はどこも混みそうだ。
(3) 傘の情報:近くの公園でキャッチボールをしよう。

日常の業務の様々な場面で、私たちは「空・雨・傘」コミュニケーション法を無意識に使っています。
しかし、3つの情報がワンセットになっておらず、その報連相の目的を達成できていない「空・雨・傘」コミュニケーションが多く見られます。
その陥りがちなパターンを幾つか見てみましょう。

1.雨漏りしているよ!パターン
これは、状況だけを見て、意味合いを考えないで、短絡的に行動に走ってしまうパターンです。
空 ○ 雨 × 傘 ○の形です。
空(状況)の解釈次第で、選択する傘(行動)は変わります。
そのため、この場合では、しばしば間違った行動、的外れな打ち手になってしまいがちです。
このパターンが日常の業務で一番よく見られるケースです。

2.空も見ないで、かつ、雨漏りしているよ!パターン
これは、ある経営のテーマを検討した時に思いついた傘の情報だけを伝えるパターンです。
空 × 雨 × 傘 ○の形です。
一般的に、よくHOW志向と呼ばれるものです。
当該テーマに関して、どのような問題点があったのかを考える空の情報の把握・分析もなく、しかも、そこから読み取った雨の情報も欠落しています。
そのため、この場合、傘の情報だけでは、納得性・腹落ち感が乏しいので、実行に結び付くことはほとんどありません。

3.傘を忘れてしまった!パターン
これは、状況把握・分析とその解釈までは行なったが、行動にまで繋がらないパターンです。
空 ○ 雨 ○ 傘 ×の形です。
傘の情報が欠落しているので、「だから、どうしようというのか?」「だから、どうするのか?」という状況でストップしてしまいがちです。

4.雨漏りしているのに、傘も忘れてしまった!パターン
これは、状況把握の報告だけで思考と行動が止まってしまうパターンです。
空 ○ 雨 × 傘 ×の形です。
雨の情報も、傘の情報もないので、「だから、何?」という状況になってしまいます。

上記の4つの陥りがちなパターンを常に意識して、是非「空・雨・傘」コミュニケーション法をご活用ください。
個人レベル、および、組織レベルのコミュニケーション効率の改善を通じて、日常の業務推進力をアップしていただければ、と願っています。
※「空・雨・傘」コンセプトに関する詳細は、『問題解決の全体観』(中川邦夫著)をご覧ください。

筆者紹介

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アタックスグループ アタックス社長塾 主席コンサルタント 西公通
1992年 一橋大学卒。IBMビジネスコンサルティングサービス、国内外戦略系コンサルティング会社にて成長戦略、企業変革、新規事業開発支援、博報堂ブランドコンサルティングにてブランド戦略に従事。アタックス参画後は、中堅中小企業の経営サイクル改善、事業利益モデル改革支援業務の他、現在は、アタックス社長塾プロデューサーとして活躍中。
西公通の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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