消費増税後の明暗を分けた大原則~「価格以上の価値づくり」

経営

個人消費の動向が気になるなかで、小売り大手各社の11月までの業績が出揃いました。
そこにちょっと興味深い結果が出ています。

消費税増税後に、生活必需品を中心とした値下げで消費者に訴えたイオンは大幅減益です。
価格だけでは、消費者を取り込むことはできなかったわけです。

一方で、コンビニ事業における独自商品を刷新し、品質で消費者に訴えたセブン&アイは最高益です。

セブン・イレブンにおいて製法を刷新した「いれたてコーヒー」や食材の質を上げた「チルド弁当」が多くの消費者に受け入れられたようです。

それ以外にも、中高年層をターゲットにソファーなどの品質を高めたニトリ、銘柄和牛など高めの商品を販売につなげたスーパーのマルエツなどは増益につなげています。

好業績の企業の多くは、客単価を引き上げています。
これはいったいどういうことなのでしょうか?

これらの企業は単に値上げしたわけではないと思います。
(値上げせざるを得ない環境もあると思いますが)

お客様が欲しい、買いたいと思えるものが、お値打ちに買える、という価値づくりの成果ではないでしょうか。それに成功した企業が伸びているわけです。

私たちのクライアントのなかにも、価値づくりに成功されている会社があります。

有用性と安全性にこだわり、自然環境にも配慮したスキンケア製品を、安心して使える価格で提供する。
その結果、その会社は長期にわたってお客様に支持され続けています。

また、単に材料部品を販売するだけでなく、取引先の業務フローにおける利便性を高めるサービスを提供する。
その結果、その会社はその取引先にとってなくてはならない存在になっています。

こうした価値づくりをするには何が重要なのでしょうか。

第一に、どの様なお客様に価値を認めてもらうべきかということです。
顧客の好みや価値観は多様化しています。地方の特色も関係するでしょう。
また、新規見込み客か、継続的な顧客かにもよるでしょう。

すべてのお客様をターゲットにできればいいのですが、簡単なことではありません。我々の商品やサービスの価値を認めてくれるお客様は誰なのかを明確にしておく必要があります。

次に大切なのは、お客様視点でお客様にとっての価値が何かを考え抜くことです。価格は売り手側で決められますが、価値はお客様が決めるものです。お客様の声を聴き逃さないよう、常にアンテナを立て、いち早くお客様のニーズに敏感に反応できるようにしておく必要があります。

アタックスでは、このような価値づくりに成功した中堅中小企業の様々な経営者の話を直接聞ける場『アタックス社長塾』を開催中です。
ご希望の方には資料をお送りしますので、お気軽にご請求ください。

筆者紹介

アタックス税理士法人 代表社員COO 税理士 磯竹 克人
1987年 名古屋市立大学卒。税務・会計の業務を中心に数多くのクライアントに対する指導実績を持ち、親切で丁寧な指導が厚い信頼を得ている。現在は、事業再構築支援、事業承継支援、資本政策支援などを中心にクライアントの問題解決にあたっている。
磯竹克人の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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