根本的な解決が重要 「インターバル制度」を活用しながら長時間労働解消へ

経営

最近、「働き方改革」という言葉が頻繁に使われるようになりました。長時間労働を解消するために業務効率化を図ったり、ノー残業デーを設けてメリハリをつけた働き方を目指したりと働きやすい環境を整えることが企業の必須テーマになっています。

そんな中で長時間労働対策の一つとして注目を集めているものが「インターバル制度」です。 インターバル制度とは退社時間から翌日の出社時間までの間隔を一定時間確保する制度です。

例えば11時間のインターバル時間を採用している会社だと、通常の出社時間は9時ですが、23時まで残業してしまった社員は10時に出社することが認められます。 さらに9時から10時までの勤務していない時間は、勤務したものとみなすことで、社員に積極的に制度を活用させている会社もあるようです。 社員の健康を考えれば、しっかりと睡眠時間や休息時間がとれる環境を提供することは非常に大切です。その意味ではインターバル制度は有用であるといえるでしょう。

ちなみに2017年中にインターバル制度を導入した、又は導入する予定の会社を見ると、名だたる会社が名を連ねています。

(会社名:インターバル時間)
サッポロビール:11時間
キリンHD:11時間
ゼンショーHD:11時間
壱番屋:10時間
ニトリHD:10時間
(日経ビジネス2017年5月1日号一部抜粋)

これらをみても分かるように職場環境を整えることは、今や当然の流れになっています。この流れに乗り遅れないように、自社の働きやすさについて社員がどのように感じているかを把握しなければなりません。 ただし、注意しなければならないポイントは、その環境整備が対処的な方策なのか、それとも根本的な解決策なのかという点です。

前述したインターバル制度は遅くまで残業させてしまった社員の健康を守る意味で有用ですが、そもそも遅くまで残業させてしまっていることを解消できれば、この制度は必要とされなくなっていきます。 業務を効率化することにより、長時間労働を解消することが根本的な解決策となります。 根本的な解決策を検討する際の重要なポイントは、例えば以下のとおりです。

(1) 顧客にとってなくてはならない価値をつくっていくために、効率的かつ効果的に自社の製品やサービスの質を高めていく必要があります。すなわち、同程度の売上をあげるのに費やす時間を削減できる体制に切り替える必要があります。

(2) 自社の業務フローを分析し、ITなどを活用した業務の省略化をはかるとともに、いつの間にか組み込まれたムダな業務を撲滅する必要があります。

(3) 自社に「残業が多い社員ほど頑張っている」という意識が高い場合には、そうした組織風土そのものを取っ払う必要があります。同時に、会社の意思を示す人事評価制度に見直す必要があります。

根本的な解決策を実施し、長時間労働が解消されるまでの間の対処的な方策がインターバル制度です。根本的な解決策と、対処的な方策とを組み合わせながら、自社の抱える課題をクリアしていくことが現実に即した進め方です。

アタックスグループはお客様の抱える課題を現実に即した形で解決することをお手伝いさせて頂きます。根本策と対処策とを使い分けながら課題を解消していきましょう。

お困りの方はこちらからお気軽にお声掛けください。

筆者紹介

アタックス税理士法人 社員 税理士 村松 宏昭
公認会計士・税理士事務所勤務を経て、アタックスに参画。
中小企業から上場会社まで幅広い顧客を担当。お客様中心主義の税務サービスを信条とし、難解な税務をわかりやすく平易な言葉で指導することで高い評価を得ている。経営者に対する財務面からの熱血指導でも定評がある。
村松 宏昭の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

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